事件



 補習授業の帰り道だろうか。快活に笑いながら通り過ぎる制服

姿の2人連れと出社途中に擦れ違った。ふと思う。

あんなふうに君たちも、笑い交わしていたのではなかったか

▲ねえ見て、浴衣がすてきでしょ。両側から父母に手を引かれ

た女児が、笑顔で花火見物に向かう。できるなら答えてほしい。

ほんの何年か前は、浴衣の子と似たような年齢だったはずの君

の中で、いったい何が起きていたのか

▲自室を訪ねていた同級生の女子生徒を殴り、首を絞めるなど

して殺害した疑いで、佐世保市の県立高1年の女子生徒が逮捕

された。

伝えられる凄惨(せいさん)な犯行状況には言葉を失うほかない

▲私たちの住む長崎で、子どもが子どもの命を奪う悲しい事件

が立て続けに起きて10年。

私たちはこの街で、子どもたちを二度と被害者にも加害者にもし

ないための努力を続けてきたはずだった。

折に触れて生命の重さと尊さを懸命に説き、その胸の内を見つ

めようと努めてきたはずだった。しかし、事件はまたも起きた

▲子どもたちに掛けた言葉は、響いていなかったのだろうか。

伸ばした手は届かないのか。

子どもたちの心を見つめようとした目には、何も見えていなかっ

たのか。

幾つもの「なぜ」と一緒に、また、悲しい自問自答が、長崎で続く。(智)


以上は、長崎新聞7月28日のコラム「水や空」の文章です。

10年前の佐世保市での事件の際、長崎新聞を読んでいたこと

を思い出して、検査してみました。29日もこの問題に関して広木

克行教授(元長崎総合科学大学教授)の言葉が紹介されている。

日本の子どもたちに対する様々な抑圧からの解放なくして、この

問題の抜本的解決はないのだが、政治家・官僚・財界人などは次々と子どもたちを抑圧する施策をすすめる。

日本を滅ぼす方向に走っているのに、気づこうとしない。スーパ

ーサイエンス校だ、スーパー・ハイ・スクールだとやたらとスーパ

ーをつけたがる。

そのうちに

ウルトラ・超スーパー・小中高一貫校

でも作ろうというのか。