楽器だけで会話する感覚というのは面白い。

相手が弾いたフレーズを聞く。
瞬時に何を弾けば「曲になるか」を考える。

まず、相手がリフを弾いていたら、それが曲として成立するリフとなる最低限の形を作る。

コードがいいのか、リズミックなリフを弾くほうがいいのかシンプルなフレーズを歌わせたらいいのか。
全ては水ものだ。

そこから発展を考える。

相手を殺さず、自分を殺さず、目立ちすぎぬよう、控えめになりすぎぬよう、
それでいて、自分でなければ作れないものとは何か。

ま、んなことを一瞬で判断して、迷い無く弾くってのは、難しいもんだ。
ただ、こういう感覚はやらないと磨かれない。

そして、こういう時こそ、コードや理論を忘れないと、それに頼った進行へ必ず行く。
それを忘れ去ることから始めないといけない。

ま、そんな風にして、息を合わせているうちに
本人達も意外なところで呼吸が合ってくるのに気がつく。

何も申し合わせなくても、ここぞというところで、曲が次の進行になっていく。
この感覚を味わえなければ、一緒にプレイする意味はないといって過言ではない。

バンドで意識がシンクロすると言うのはそういうことだ。
「悪銭」は、その感覚を育てていけばいい。
そして、Cult Chickin CRACKeR は、四人でその感覚を育てていくだけのことだと思う。

その方向性が見えるのはよきかなよきかな、という今日の練習。

はっきりいうけど、「悪銭」よいですよ。