「ヒロ寺平さんですよね?」
後30分ほどでドバイに着陸しようという時、ご婦人から声をかけられた。

「はい、そうですが・・・」
「やっぱり〜、関空からずっと声をかけたかったのですがプライベートのご旅行みたいなので遠慮していました。」と言いながら手紙も頂いた。

その手紙には僕が青春の一部であった事、英語を話したい、世界に出たいというきっかけを与えた事などが縷縷綴られていた。

聞けばその夢を叶え今はJTBの添乗員さんで今回はエジプトまで10数人のツアーを案内して行くとのこと。

ラジオの現場を離れて4年半経ってもまだこうやって声をかけてもらえるのは本当にうれしい事。

いい機会なので帰路一泊する予定のドバイでの過ごし方の教えを乞い、メールを貰うことにした。(この辺りはダンドリーキチンの寺平、抜かりは無い。)

2日ほどして届いた丁寧なメールに返信し、また帰国後も礼のメールをしたが多分彼女の迷惑メールホルダーに振り分けられ読んでもらえていないのであろう。

(高村さん、一度ソフトバンクの迷惑メールホルダーを見てくださーい。)

とまれ、そんな出会いで始まった今回の旅行。
目的地は一生に一度でいいから訪れたかったモルディブ。

一島一リゾートの南海の楽園。
百数十あるという広大なリゾートの中、滞在したのは小ぢんまりとしたトラギリアイランド。

部屋から直接スノーケリングをスタート出来る水上バンガロー。
リーフシャークや小さめのエイ、イカなども目の前を右往左往して愉快愉快。
スクーバダイビングも1本楽しんだが、今回はスノーケリングの楽しさを痛感した。

人が殆どいない純白のプライベートビーチ。
波音だけを聴いて過ごす時間は最高の贅沢。

そして何より「典型的大阪人」を喜ばせたのは・・・
「オール・インクルーシブ」というマジカル・ワード!

ビュッフェスタイルの食事は朝昼晩食べ放題。
アルコールも飲み放題で朝以外は赤ワインをヘベレケに呑んだ。

お陰で帰国したら体重は2kgs増えていた。テヘ。

丸3泊の楽園滞在を終え、帰国前にドバイで丸1日半を過ごした。
(今回はエミレーツ航空での往復でドバイが中継点だった為。)

味ある旧市街のリビエラホテルを拠点に先ずはゴールド市場やスパイス市場をウロウロ。
「コニチワッ!」「タクサンアルヨ」「オオサカ?トーキョ?」と全ての店の売り子から狎れ狎れしく声がかかる。その猥雑な空気感も面白く最初は少し相手にしていたが間も無くその無遠慮さが腹立たしくなりすぐに新市街に向かった。

我々はご当地初めてのお上りさんだが散策はタクシーを使わず全部メトロで移動した。
メトロでは降りる人を待たずにどんどん乗り込んでくる「昭和の日本」も感じたがそれはそれで楽しいものだった。

お陰で午前3時まで時間を潰す必要のあった帰国日には万歩計が20960歩の新記録を叩き出した。

世界一と言われるドバイモール、800m越えのブルジュ・ハリファ、木の形をしたパーム・ジュメイラ、その全ては凄かったが同時に僕はドバイに「砂上の楼閣」の虚無感も覚えた。

何よりかよりドバイは高い!普通のコーヒーとクロワッサン1個で三千円超え!
楽園モルディブのオールインクルーシブが懐かしく泣いた。オイオイ泣いた。

Once in a Lifetime Experience!

すばらしい旅行だった。
同時に足腰が丈夫な間に動き回る事の大切さも痛感した1週間だった。