大阪高等裁判所民事第9部に提出された抗告許可申立は、当初想定されたように棄却されたようである。以前より日本が法治国家であるか否かといったことが議論されてきたが、今回の判決は日本が法治国家でないことを、如実に照明するものであろう。その意味でこの抗告許可申立は、意義深いといえる。

論点は、神戸家庭裁判所姫路支部にて行われた差戻前原審での、▼▼▼▼裁判官殿による一連の不法行為の一部を収録したCD-Rとその反訳書を、採用するか否かであった。これに関して大阪高等裁判所民事第9部は差戻後1審の決定を支持し、民事訴訟規則77条に違反する違法収集証拠のため、審理の対象としないと決定した。

しかし抗告人が主張しているのは、刑法第37条の「緊急避難」として行われた合法的な行為でり、枝葉の規則である民事訴訟規則77条(法廷での無許可録音の禁止)に優先するのは明らかである。また、百歩譲って「緊急避難」に該当しないと仮定した場合でも、今回の棄却の判決は、東京高裁昭和52年7月15日付けの判例に違反することとなる。(判例;その証拠が、著しく反社会的な手段を用いて人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって採集されたものでないのであれば、証拠能力はある。)

以上のように日本では、法律は裁判官によっていとも簡単に歪められるのが現実だ。とくに、裁判官の不正行為や犯罪行為を記録した証拠は一切採用されないという、徹底的な隠蔽体質だ。逆からいえば、裁判官の過ちや犯罪や不正を記録されたくないから、法廷での録音や録画は一切なされない。他の先進国や台湾では、とっくの昔から法廷でのやり取りは書記官により録音されており、裁判官による犯罪を牽制している。

このように日本は司法後進国であり、検察の見えない取り調べと同様に、世界の人権団体より非難を浴びている。この結果、とくに未公開の審判などでは、以前話題となったような裁判官によるセクハラ等の痴漢行為が、発生しやすいわけである。

「裁判官に痴漢行為をされる可能性があるなら、期日の最初から法廷での秘密録画や秘密録音しておくべき。」「裁判所は秘密録音や秘密録画を証拠としないのは目に見えているので、動画閲覧サイトにアップロードするなどして、裁判官による不正や犯罪を世間に広く知ってもらうべき。」といった考え方が、意外なほど広く浸透している。決してこのような行為をお薦めするわけではないが、日本の司法を正しい方向に導くには、現状下ではこの方法しかないと思われるので、その考え方を非難することはできないと思う。

今回の棄却は既述のように、日本は法治国家ではないことを証明した。そして同時に、民事訴訟規則77条は裁判官による犯罪や不正を記録させないためにあることも、証明した。この意味では、大きな成果であろう。まだ特別抗告は依然係争中であるが、最高裁判所がどのように棄却するかが、注目されるところである。

(おそらくは論点をずらしての三行半!)