すべてのマラソンランナーに伝えたいこと

すべてのマラソンランナーに伝えたいこと


【本の概要】

◆本日は未読本でもご紹介した、この一冊!  

年代によって、知らない人もいるかもしれません。

私もその1人です(笑) ですが、金哲彦コーチが


「私の理想とするフォームを挙げるのであれば、間違いなく瀬古さんだ。」


というのを聞いて、気になっていました。


今年の箱根駅伝の解説者と聞けば、あるいは声を聞けば、

ご存知の方も多いことでしょう。


本の中身は..読む前のイメージとは違って、

非常にストイックな瀬古さんの一面が見れました!


アマゾンの内容紹介から。

現役時代15戦10勝のマラソンランナー瀬古利彦。そんな氏が今、伝えたいこと。「心を強くするために」「いつまでも朽ちない栄冠を心にもつ」「村上春樹さんと私の不思議な関係」「日本人にはマラソンしかない」など、読めば心が強くなり、速くなるコンテンツ満載!「折れない心の作り方」をはじめ、練習、レース、メンタル、遊び、ライバルなど、マラソンに関するすべてを語る。「マラソンの練習はきつかった。しかし、途中でやめたことは一度もない。現在、マラソンは明るく健康的なスポーツとして親しまれているが、その本質は泥臭く、根性がいるものだと思う。苦しくないマラソンなどない」。初心者から、完走を目指す人、サブ4を狙うランナー、シリアスランナーやエリートランナーまで、すべてのランナーに役立つ。

【見どころ】

◆マラソンは面白かった?
今でもマラソンをやっていておもしろかったと問われたら、決して素直に首を縦に振ることはできない。苦しいことの連続だった。現役時代の私はメディアから「修行僧」と呼ばれるほど、人生のすべてをマラソンに捧げ、同年代の仲間が遊んでいる時もひたすら走り続けていた。引退時に計算したところ、現役の間に走った距離は地球3周半に相当することがわかった。マラソンの魅力はまだわからない。わからないことが魅力かもしれないし、その魅力は百人いれば百様なのだとも思う。

◆マラソンはスポーツの中でももっとも孤独
自身の経験を振り返ってみても、マラソンはひとりでは走れない種目だと思う。ひとりで行うには、孤独過ぎるのだ。市民ランナーの皆さんでも、上達のためにはコーチや助言してくれる人が必要な場面があろうだろう。仲間や先輩のアドバイスで、走りが変わることも多いはず。

◆一番多い質問
「マラソンを走るうえで、何に気をつけて練習したらいいですか?」という質問をよく受ける。その度に私は、「ペースを意識して走ってください」と答えるようにしている。自分が一番長く走り続けられるペースを見つけて、それを維持できるようにしてください。そして、そのペースを少しずつ上げていけるようにしてくださいと伝えている。

◆緊張するのは当たり前
私はマラソンレースを15回走ったが、悪かったり、試合前に緊張しなかったことはただの一度もない。どんなに練習が完璧でも、体調が万全でもかならず緊張した。マラソンレースは緊張して当たり前なのだ。どんなに練習してもレースで緊張してしまうのだから、考え方を変えればいい。普段とは違う緊張感があるから、普段以上の力が出ると考えればいいのだ。

◆リタイアの文字はない
体調が練習を間違えたフィニッシュラインまでたどり着かないことには反省ができない。苦しい42.195kmを走り切ったからこそ、レース、練習、調整方法などを振り返って、自分に足りなかったことや間違えたことを反省できる。途中でやめては何が間違えていたのか判断できない。

◆足のケガについて
私もすべて経験した。一つ治ると違うケガになったり、右足が治ったと思えば左足に痛みが出たりと「ケガのデパート」と揶揄されることもあった。結論から言えば、ランナーにケガはつきもの。ケガをするまで練習して初めて、自分の限界を超えていける。ケガをするのは仕方のないことであり、むしろケガをしてこそ、一人前のランナーだといえる。

食事の面では、レース前の食事は生モノには注意が必要だ。私は10日前から刺身は控えていた。どんなに新鮮なものであってもレースのために研ぎ澄ました体は抵抗力を失っていることがあるし、緊張感が高まっていると胃液の分泌も少なくなっていることがある。また、10日前から性行為は行わないようにしていた。気力が抜けてしまう感覚があったためだ。

【感想】

いやぁ、瀬古さんというとマラソンのラストで鮮やかにスパートして抜き去る、

さわやかなイメージを持っていたのですが、ここまでストイックな方だったとは!(笑)


「"瀬古はラストに強い"という印象を与えておけば、次からのレースが戦いやすくなる。

相手はそこまでにペースを乱して自滅することもあるからだ。」


非常にしたたかな面もお持ちですね。 (笑)

本著の中では、驚きの真実が。


それは、瀬古さんと中山竹通さんの仲について。

瀬古さんが、


「私の中で最強のランナーは間違いなく彼だ。」


と断言する、中山さん。


「福岡を棄権した際、中山君は"這ってでも出てこい"と発言したと報道された。しかし、実際中山君はそのようなことは言っていない。"もし僕が瀬古さんの立場ならば、這ってでも出ないと選んでもらえないでしょうね。"と発言したようだ。つまり、自分にはまだそれだけの実績がないことを伝えようとして発した言葉だった。今でも歪曲して理解していらっしゃるようなので、ここで改めて真実を書き残しておきたい。」


瀬古さんのこの言葉が真実であれば、中山さんと瀬古さんの有名な"犬猿の仲説"は、メディアによって誤った伝わり方をしていることになりますね。ウィキペディアの内容も。 実は中山竹通さんとは、僕もご縁"は"ありました。母校の陸上部監督でした!当時は空手部に所属しており、陸上への興味は0。全体朝礼で中山さんが皆の前で紹介された際、失礼ながら、「またいかつい人が来たなぁ。」ぐらいのイメージしか持っていませんでした。今であれば、すぐさまアポをとって、指導を請いに行っていると思います!(笑


ついつい練習をさぼってしまったり、マラソンのラストで心が折れてしまう方には、

一読をおすすめです。瀬古さんの厳しい言葉が活力になります!


すべてのマラソンランナーに伝えたいこと

【Amazon】すべてのマラソンランナーに伝えたいこと

【CONTENTS】
●Chapter 1 マラソンで大切なこと
・マラソンの魅力は百人百様
・心を強くするために
・ひとりでは走れない
・マラソンシューズの選び方
・長く走り続けられるペースをみつける
・ランナーズハイにご用心 ほか


●Chapter 2 折れない心の作り方
・怖くて不安だった初マラソン
・自信をもつために練習する
・レースも練習も途中でやめない
・ランナーならやってはいけないこと
・私は太りやすい体質だった
・心が折れそうになったら ほか


●Chapter 3 マラソン道入門
・自分の武器を知る
・コンディションを把握する
・一流ランナーに30kmの壁などない
・マラソンにも心理戦はある
・勝負にこだわってこそのマラソン
・勝つ選手の3つの条件 ほか


●Chapter 4 我がマラソン人生を振り返る
・努力が報われないこともある
・ひとりでも結果を出したかった
・いつまでも朽ちない栄冠を心にもつ
・ソウルオリンピックの代表選考について
・最強のランナーとは?
・疲労が抜けないことから衰えは始まった ほか


●Chapter 5 私が伝えたいこと
・素敵な女性ランナーがマラソンを変える
・高地トレーニングと超長距離走
・アフリカ選手全盛の時代は続くのか?
・アフリカ人留学生を見習う
・箱根駅伝はマラソンをダメにしていない
・日本人にはマラソンしかない ほか


●Epilogue マラソンの不思議な力