こんにちは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

 

 

2024年2月25日(日)に三重県松阪市で行われた『第1回まつさか香肌峡トレイルラン大会』に初参加をしてきました。


レースレポートをお届けします。

●レース目標

今回は地元が三重県でよく関西までツアーに遊びに来て下さっている女性ランナーNさんを誘って、車に同乗させていただけることになりました。

 

 

今回のレース目標はタイムや順位ではなく、

「Nさんを捕まえることができるか?」。

 

 

ただ大会に参加をして完走するのには飽きたレベルにあって、こうしたゲームの要素があるとワクワクします。


僕がロングの部で9時30分、Nさんはショートの部で10時15分にスタートします。僕が23kmで約1,900m登り、Nさんは14kmで約1,000m登ります。45分早くスタートするとはいえ、僕の方が距離も長く、ひと山も多い。

 

レースで自分の実力を正確に推し量って目標タイムでフィニッシュすることは僕にとって難しいことではありませんが、今回は自分ではコントロールしようのないNさんのフィニッシュタイムまでも予測をし、自分のペースではなくNさんに追いつけるように走る。

 

Nさんは昨年のプレ大会で走っており、そのときのタイムが2時間45分、現在は「2時間30分前後」と予測タイムを出しました。


僕が9時30分にスタートしてから3時間30分以内、13時までにフィニッシュできれば、Nさんを捕まえることができるだろうという予想でした。このペースは上位10番以内を目指すような努力で頑張らないといけません。

 

果たしてこの僕から最後まで逃げ切ることができるのか?

 

ゲームが始まらなければわからない…

 

衝撃の幕開け!

●コースプロデュースや大会の規模は?

コースプロデュースは株式会社トライアーティスト、三重県の『伊勢志摩トレイルジャーニー』大会と同じ。募集人数はロング200名、ショート100名。集まったのは、ロング149人、ショート118人。

 

ショートの部は定員枠を拡大する人気だったようですが、ロングの部は大幅に定員割れ。同じ山を2周するコースだったので敬遠されたのかもしれません。

 

大会参加者数が減少しているのには「ランナーの体力の衰え」「自信がないこと」を僕は一番の理由と考えていますが、それを証明するかのように最近は距離の短いレースの方が人気が高くあります。


同じ三重県の多度山で行われるレースもショートの部がすぐに定員に達し、はじめてなのに仕方なくロングの部にエントリーをした人も耳にします。

●会場までは松阪駅から車で約45分、または市バスを利用する

会場は、松阪駅から車で約45分の場所にある「松阪市立宮前小学校」。会場に到着。最高気温4℃、本降り。結局雨は夕方まで一度もやむことなく。

 

天気予報サイトでは雪予報もあって、Nさんが「路面が凍結している心配があって運転が怖い」と話し、急きょお父さんに運転をお願いすることになりました。

 

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お、お父さん…はじめまして。

 

Nさんのお父さんは娘を応援するのは楽しく、NHKのグレートレースの大ファンでトップ選手の服装や走りを観察するのが好きらしく、「家に閉じこもっているよりもよっぽどいい」と長時間待つことはまったく苦にならないらしかった。

外は本降りの雨で、体育館が二つ開放されているので開会式は室内になると思いきや、まさかの屋外!ランナーは20分ものあいだそれぞれ寒空の中のき下や、濡れてもかまわないと雨の中話を聞きました。雨天時は体育館に変更してもらいたい。

 

 

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(コースの最高点は1,000メートル。気温は標高100メートル上がるごとに0.6℃下がる。山頂は氷点下かもしれない)

 

百戦錬磨の僕でもこの低い気温で雨の中、山を走った回数は少ないので緊張しました。ところが、周囲を見渡すとノースリーブ一枚に短パンの軽装の男性、長袖に百均のポンチョを羽織っただけの女性、軽装の人が目立ちました。

 

僕でレインウェア含め4枚レイヤリングでちょうどだったので、

 

 

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本当にその恰好でこの雨の中、標高1,000メートルの山に行くの?

 

と心配になりました。

スタートの前に互いにエールを交わす。

 

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僕に背中のリュックをタッチされたらゲームは終了ですよ。


とNさんには伝えてありました。Nさんも、


 

安藤さんから逃げ切ります!

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と意気込んでいました。

 

●スタートの前に懸念していたこと

『まつさか香肌峡トレイルラン』のトレイルはコース幅が大変狭く、大部分がシングルトラック(人が一人通れる幅)で、ロングの部のランナーは同じコースを2周します。


ショートの部の遅いタイムの人と合流することになり、大勢の通過によって2周目は大勢が通過をし泥の悪路が予想でき、それがどのぐらい走りに影響するかということでした。

 

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ピンチはチャンス。僕のような平凡なランナーは悪天候のときを逃せば勝てる見込みが少ない。練習生や生徒さんは大阪マラソンで頑張っているので、僕も全力を尽くす!

 

●レース結果

結果は…

3時間23分48秒

出走者数108人、総合14位(全体12.9%)、年代別6位

 

順位は、18位→16位→14位→11位→14位。


レースはスタートからフィニッシュまで追い抜かれないというのが理想ですが、この日はコース終盤の下りで3人に追い抜かれ順位を落としました。

 

ロングの部はエントリー149人に対し41人が欠席、ショートの部は118人に対し18人が欠席。欠席人数の多さに驚きました。

 

公式ホームページ 約23.1km/1,900m
GPSデータ 23.1km/1,624m

時計のデータ 24.47km/1,768m
ロード率50%/トレイル率50%

 

【総評】

「Nさんを捕まえる」というミッションは達成しましたが、上位10番以内に入ることはできなかった。山頂からフィニッシュまで続く長い下りでしっかりとペースを上げられなかったことが敗因。

 

レース後は過去になく首や肩、腰、そして前ももにひどい筋肉痛で、100kmを走ったかのようなダメージがありました。下りで「転ぶまい」と肩に力が入り、足元ばかりを見て踏ん張っていたことが原因でしょう。

 

コーチなのでやるべきことはわかっており、もっと体幹を鍛える必要があって、あとは泥への慣れが必要だと思いました。

 

「悔しい」と思う自分がいることに嬉しかった。

スタートしてすぐロードの下り坂が続く。

 

上位10番位以内に入るべく、なるべくロードや登りでも先頭集団から離れずに踏ん張り、山頂からの下りで差を埋める戦略でした。

 

1キロ4分15秒のペースで走っていましたが、10番手ぐらいを予想していたのが次々と女子2人にも追い抜かれ…このとき18番手くらい。どんどん前との差が開く一方だったので先頭集団は4分00秒、先頭は4分00秒を切っていたでしょう。

 

フルマラソンで3時間以内で走ることができる人は3%と言いますが、出走者108人しないないのに、その18.5%の20人が4分15秒よりも速いペースで走ることができる…本当に三重県はロードランニングの速い人が多い。

 

 

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は、速すぎる!!

 

 

あとで知ったことですが、僕を追い抜いた女子のひとりはサウルスジャパン所属で、フルマラソンのベストタイムは2時間48分の人でした。どうりで1キロ4分15秒でも息も上がらないわけです。


なぜそんなレベルの人がトレイルに…

その後トレイルに入ると「1人、2人、3人…」と7人抜いて、11位にジャンプアップ。2度目の山頂を降りてすぐのところで、立ち止まり休憩しているNさんに追いつきました。つるつるの泥の下りで悪戦苦闘をし、時間がかかっているようでした。

 

僕はお決まりの言葉を投げかけました。

 

 

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いったい、こんなところで何しているんですか?休んでいる場合じゃないですよ!

 

1周目のペースから「予定より20分速くフィニッシュできる」と算段しましたが、大勢が通過をし泥沼地獄と化したトレイルはスムーズに走れたものじゃなく、1周目の1.5倍の時間がかかりました。ジグザグターンの下りで掴めるような木や枝もなく、僕のトレイルラン人生15年の中でも稀にみる泥んこでした。

 

この大会のトレイルは雨が降ると、トレイルランニングがはじめての人や、下りが苦手な人には到底走ることは難しくなるコースでした。

 

トレイルの下りが苦手な人は、一般的に悪循環に陥っています。

 

地面がぬかるんで怖いと感じると腰が引ける


腰に負担がかかる

重心から離れたところに足を置きがちになり、かかとからドスン!とつく走りになりやすい

かかとからつくと地面との接地時間は伸び、滑りやすい地面に足を置く時間が長いと余計に滑ることになるし、太ももの前にも負担がかかる

 

トレイルの下りが苦手な人はまずロードの下りを全力で走れるようになることがポイントです。

エメラルドグリーンに輝く櫛田川の清流。香肌峡は松阪市西部(大石町~飯南町〜飯高町)を流れる櫛田川の上流・中流域にある地域で、約40kmに渡って自然の造形美が続く景勝地です。レース当日は雨天のため景色はよく見えませんでしたので、晴天時の写真をNさんからいただきました。

「川の中のこの名所の石に気づきました?」とNさんに言われましたが、これは気づきません!

伝説の史跡「珍布峠(めずらしとうげ)」。

ここが本日一番の絶景ハイライトでした。

傾斜50%の急坂、およそ1kmで500メートルアップ!まつさか香肌イレブン第一座の「局ケ岳」へと登る。大会では山頂には立ち寄らず、山頂手前でUターンをし降るのが残念でした。

 

ふもとのエイドでは創業100年になる甲子軒(こうしけん)の看板商品「パイン大福」が置いてあったそうですが、見て立ち止まったのにスルーしてしまいました。

 

そんな有名店のお菓子だと知っていたら食べていました!

 

登りでは前半オーバーペースだったランナーや、立ち止まって衣類を着こんでいる若者を追い抜いた。おそらく寒くなって血糖値がガタ落ちして、ペースを続行できなくなったのでしょう。

 

フィニッシュ後のグルメがすごい!】

参加賞に無料温泉入浴券、豚汁、みそ鶏焼、松阪牛丼は豪華すぎ!

松阪のソウルフード「とりみそ網焼き」!

具だくさんの豚汁!

松阪牛の「牛丼」!

つゆだくで美味い!でてきたグルメを全部食べたのはトレイルラン人生で初かもしれません(笑)だいたいレースが終わると疲れて何も食べずに帰ることがほとんど。

レース後は無料入湯券で「飯高の湯」へ。三重県下唯一の「日帰り天然温泉施設のある道の駅」で特産品販売所もあって、大勢にぎわっていました。

Nさんが「クレープを食べたい!」と話すのでスイーツも食べました。

 

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Nさんのお父さんには、温泉入浴からスイーツまで長い時間車で待機いただき感謝!

 

「地獄だったけど、最高だった! That was hell, but awesome!」
ー参加をした外国ランナー


第1回まつさか香肌峡トレイルラン大会のここがおすすめ!

□日帰りできる!三重県内から近い

□アスファルト半分、トレイル半分のコースではじめてでもチャレンジしやすい(コース攻略のカギはロードとつづら折れの下り)

□初心者はショート、ロングは中級者以上向け(ロングはフルマラソン5時間完走程度では不十分で、4時間30分ぐらいの体力は欲しい)

□伊勢と大和を分けたとされる伝説の史跡「珍布峠」

□高見山地と台高山脈に囲まれる「香肌峡」の大自然を満喫できる
□ 参加賞に無料温泉入浴券、豚汁、みそ鶏焼、松阪牛丼は豪華すぎ!

 

ここは改善してほしい

□雨の日の開会式はぜひ体育館で…

□参加人数も少ないので、当日受付はなしに

□コース設計、絶景ポイントにもうひと工夫

 

 

大会に出てもスタートをすると一人なことが多く試走しているのと変わらない気分なので、今日のように「前方の人を必死で追う」というルールは走っているあいだのモチベーションを保つ理由になり、ゲーム感覚で楽しかった。

 

帰路は大阪マラソンに犬山ハーフ参加の生徒さんからの報告メールへの返信に2時間を費やし、あっという間に大阪に着きました。

 

今年はラン仲間を誘っていくつかのトレイルランニングレースにエントリーをしており、一緒に同じレースに出場をし楽しむつもりでいます。

Never Stop Running.

 

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