8月22日の12時頃…

「手術が必要かな…しばらくこの薬で痛みを抑えて、もうしばらく経過を見るという手もあるけど…?」

「手術を
してください!」

即答する妻。

「…旦那さんは?」

「妻がそう言うなら。体力も限界みたいですし」

「そう。じゃ、手術の準備を!手術は13時に開始!12時半になったら、この痛み止めの点滴は止めないといけないからね?」



着々と準備は進みます。
僕は準備と準備の合間を縫って部屋へと入り込み、妻を抱きしめました。

「…がんばれ!」

「…うん!」


月並みな言葉しかかけられませんでしたが…
たくさんの思いを込めました。
そして妻は手術室へ…

妻の母と僕は手術室の外で待ちます。
中の声が少しだけ聞こえます。
今にも飛び込んでいきたい気持ちを抑え、座って待ちます。
目には自然と涙があふれてきます。
妻の母に涙を悟られないように拭います。

「○○(妻の名前)は、本当に頑張ってくれたと思います」

「うん…本当にね…」


それ以外の会話はありませんでした。
永遠にも思える時間は、実際には5分なのか、数時間なのか…































「ぉぎゃぁ、おぎゃぁ…」

「産まれた!


我が家に待望の第1子が産まれた瞬間でした!
ほどなくして…

「元気な女の子ですよぉ~」


助産師さんが、産まれたばかりの赤ちゃんの身体を拭きながら連れてきてくれました。
小さくて、今にも壊れそうに感じる赤ちゃんは、力強く泣いていました。
10か月前からずっとずっと妻のお腹の中にいた子が、今は僕の腕の中にいる…
まだ実感が湧かない、というのが本当のところです。
でも、間違いなくここにいる…
とても不思議な感情で一杯でした。

これからは妻と娘と3人の生活が始まります。
って言うか、もう始まっています(笑)
娘に教えられることの方が多い親たちですが、これから少しずつ家族として成長していきたいと思います。