本作については、以下の説明を見つけました。
~単独犯だった犯人が罪の軽減を目的として、知人4人を共犯者に仕立てた
冤罪事件の「八海事件」(1951年)を扱ったノンフィクション、
正木ひろし著 『裁判官 ―人の命は権力で奪えるものか―』を原作として
製作された~
さらには、
~タイトルはソ連での自白強要と粛清の惨状を告発したユダヤ人ジャーナリスト
であるアーサー・ケストラーの同名小説からとられたものであり、冤罪事件の
恐ろしさをリアルに描いてずさんな警察の捜査を告発し、社会派映画の
代表的傑作となった~
つまり当時の原作者は、いわば「正義の弁護士」だったことになりますが、
後年になこんなことも演じました。
~とある裁判において「証拠捏造」を疑われ、そのために翌年に名誉棄損で起訴。
それは一審、控訴審とも有罪判決で、本人は上告中の1975年、満79歳で他界した~
そういう意味では、本作は「思想映画」もどきの一面を有しているのかもしれません。
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「真昼の暗黒」 1956年 監督:今井正
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左から) 織田政雄/ 草薙幸二郎/
出演者は多彩です。
友人の証言によって殺人事件の首謀者に仕立て上げられる主人公に
草薙幸二郎/
複数犯を疑う刑事から問い詰められ、仲間の4人を共犯に仕立てる
証言を殺人事件の犯人役を松山照夫/
冤罪事件で有名な弁護士役に内藤武敏/
その他を、
左幸子/山村聡/菅井一郎/夏川静江/飯田蝶子/殿山泰司/山茶花究/
下元勉/加藤嘉/中山栄二/織田政雄/芦田伸介/織本順吉/清水元/
久松保夫/など、そうそうたる顔ぶれになっています。
ただ、その「そうそうぶり」は一定以上の年配者でないと実感できない
のかもしれませんが。
監督は、イタリア映画におけるネオ・リアリズムの影響を受けた
映画監督の一人とされる今井正/が務めました。
日本共産党員でもあり、その意味でも本作はやはり一種の「思想映画」
もどきの評価二なるのかもしれません。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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