馬には乗ってみよ人には添うてみよ
私の愛してやまない漫画、
『あしたのジョー』
最終巻だけが手に入らず、兄と古本屋を駆け回ったのは良い思い出。
あぁ、私の苗字が矢吹だったらどんなに幸せだったろう
と、中学時分の私は思ったものです。
文字通り『無頼派』な漢、矢吹丈。
段平のおっちゃんが長々と、且つ懇々と心に染みる話をした後でも彼は、
「そんなその場ごまかしの人生相談みたいな話はやめてくれ」
と、一蹴。
その上、「くだらねぇ」とまで言い放つ。
が、私にとっては一番好きなシーンです。
これ程の重みを付してこの言葉を言える漢が何処にいるでしょうか?
その一言のみで生き様がわかります。
「この作品の本当の素晴らしさを理解してるのは俺だけだぜ!!!」
そう取り手に思わせてしまう作品は名作。
『あしたのジョー』もまた、そんな作品であると私は思います。
矢吹丈の他にも、力石徹、カーロス・リベラ、ホセ・メンドーサ、丹下段平、マンモス西、ウルフ金串、etc...
様々なキャラクターがいますが、
男なら誰でもに彼ら自己投影してしまうはず、
しかしそれでいて絶対に近付けない彼らの領域。
登場キャラクターは皆、どこか寂しい人間ばかり。
それを見事なまでのくすぐったい角度で攻めてくる書き口。
『あしたのジョー』について書いてみてわかった。
これが、
これこそが、
「筆舌に尽くし難い」
と、いうことなんだと。
あなたは矢吹丈?
それとも力石徹?
私は、カーロス・リベラ。
皆様も是非一度、お読みいただきたい。
お相手は私、相馬圭祐でした。