オペラ「ラ・ボエーム」初日が終了しました。

演出家としての頭が動きながらも、それを封じ込んで役に集中しました…これが本当に難しい作業でした。

終わってみると、公演そのものがどのようなものだったのか、演出家である僕にはわからず、今は不安しか残っていないのが現実です。

今回の演出コンセプトは…

「可能な限りナチュラルに」

でした。
作曲家プッチーニが書いた通りに作り上げたい、というのが唯一のこだわりで、会場の構造上の問題や予算の関係でト書き通りにいかなかった部分以外はなるべく楽譜通りに作りました。

これまでの伝統で受け継がれてくる中で生じた歪み(プッチーニの思惑と異なる表現)を修正し、余計なものを削ぎ落としていく中で見えてくる世界…つまりはプッチーニの思い描いた世界を垣間見ることが目標でした。


今日の舞台が、ごくごく自然で、いわゆるオーソドックスな「ラ・ボエーム」に見えたのなら嬉しいです。

それが、素晴らしい出演者の皆さんによって生き生きと躍動しているのを袖にいて感じました。

明日は客席で観ます。それはそれで緊張しそう。