『彩〜aja』エピソード0 | ルーラルアート+ふるいちやすしの日記

『彩〜aja』エピソード0



「彩~aja(エイジャ)」というタイトルについてよく質問を受ける。
サザンオールスターズの同名曲と何か関係があるのか?とか。
実はサザンもおそらく影響を受けたのであろう、もっと元の同名曲がある。
アメリカのスティーリーダンというグループのアルバム「aja」というのに
おそらく日本盤の担当者が「彩」という文字をあてて
「彩~aja」というタイトルで売り出したのが最初で
ajaという文字は他国ではアヤと発音する事もあるので
この当て字はとても的を得たクリーンヒットだ。
このアルバムのジャケット写真にはオリジナル版でも
日本人モデルの山口小夜子さんが起用され
話題にもなっているので
ひょっとするとスティーリーダンも日本を意識してこのタイトルを付けたのかもしれない。



さて、今日はこの映画の始まる前
つまりエピソード0を話そうと思うのだが
それは画面上の物語には出てこない部分で
キャラクターを決める為に
僕と役者の間だけで話されていた事だ
映画は美しい野原を駆け回り、のびのびと絵を描く彩から始まるのだが
彩は元々東京にいて
特別な画風を持つ天才少女画家だった
その頃に前述のスティーリーダンのエピソードを知り
気に入った彩は自らの名前をaja(エイジャ)にしていた
つまりajaは彩の昔の名前だ。



自由奔放なajaの絵は美術界でも評判を呼び
一躍絶頂を迎えるが
同じく自由奔放なその愛情が
周りの男達、とりわけ男のアーティスト達の心を奪い
そして狂わせていった
度々トラブルを起こすようになったajaは
周りの悪評に傷つき
また、自分のが狂わせた男達の姿に心を痛め
ついには東京を離れ森の中に隠れるように住むようになった






自分の真っすぐすぎる性が凶器だと悟ったajaは
森の木々や自然の中で洗われ
次第に艶を捨て
透き通るような絵を描き
やがて心の平穏を取り戻すのだったが
ある日、近くにアトリエを構える
人気画家の天城蒼(あまぎあお)に出会い
その枯れた心を目の当たりにして母性を呼び戻され
次第に蒼を愛するようになるのだ。




さてここからは劇場でご覧下さい。
なお、劇場がとても小さいので
ご都合がつきましたら
ぜひご予約ください。

モナコ国際映画祭二年連続受賞作品
「彩~aja」(2012)、「艶~The color of love」(2013)、劇場公開のお知らせ
【東京】
9/11(木)-15(月・祝) ①16:00 ②19:00
@原宿・CAPSULE(カプセル) http://capsule-theater.jp/

【京都】
9/20(土)-23(火・祝) 11:00
@木屋町・立誠シネマプロジェクト http://risseicinema.com/

*全回、来場トークあり。

『彩~aja』(49min.)
2012モナコ国際映画祭
最優秀オリジナルストーリー賞・最優秀撮影監督賞
最優秀オリジナル音楽賞・最優秀新人俳優賞(笠原千尋)
出演:笠原千尋(彩)、猪爪尚紀(蒼)、藤原夏姫(ルイ子) 
蒼の絵: 天野弓彦 助監督:前田達哉

『艶~The color of love』(19min.)
2013モナコ国際映画祭
最優秀アートフィルム賞
出演:古池千明(天の女)、鈴木宥仁(書家)

【チケットのご予約】
東京プチ・シネ協会 tokyo_petitcine@yahoo.co.jp


まで、お名前、日にち、時間(東京のみ)をお書き添えの上、メールをお送り下さい。
全席自由席 ¥1,500 (京都のみ、会員割引あり)