もうすぐ『千年の糸姫』 | ルーラルアート+ふるいちやすしの日記

もうすぐ『千年の糸姫』

しゃらっとブログ再開!
年一回ペース?
いやいや、再開させますとも!
この夏、立て続けに二本の短編を撮り、
ついに真打ち『千年の糸姫』が10/10日クランクイン!
すでに今月初めから本格的な稽古に入っており
そこから皆さんには知って欲しい。
この作品はどうしても見て欲しい。
完成は多分来年になるだろうけど、
賭けているんです。

元は僕の中にあった物語の
出演者それぞれの生き様、思い。
それが稽古の中で一つずつ本当の声、眼差し、姿となって
だけどまだ自分の中で暴れ出す。
正直、苦しくてたまらない。
いつものことだが、やがてそれは役者たちのものになって
僕の中からふっと離れて行く瞬間を迎えるだろう。
寂しくも、震えるほど嬉しいその瞬間。
だけどそれは未だ来ない。
未だ僕の中で絡みあったり拒絶しあったりしながら
大きな幾つもの渦になって暴れる。
オーバーロード。
おかしな歪み音に苦しめられる日々。
今が一番苦しいけど
きっと彼女たちならそれを持ち去ってくれる
そんな確信がある。
それほど素晴らしい役者達が集まってくれた。
この物語を託す人がこの人達で本当に良かった。


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二宮芽生(にのみやめう):糸・糸姫
新人でありながらオーディション全体の空気を変えてしまうほどの圧倒的演技を見せてくれた人。
実際、参加者全員の緊張感も一気に上がり、
あんなすごいオーディションは僕にとっても初めての経験だった。
演じるというよりはその役を生きる人。
だからいつも身体ごとボロボロになってしまう。
ああ、この作品にそこまで捧げてくれているんだと、
感謝の気持ちで一杯だ。


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藤原シンユウ:源吾
彼もまた、オーディションで出会った人。
キャリアがあって、美し過ぎる声の持ち主。
それだけに心を繋げることができるのか、ちょっと心配だったのだけど
彼は大きく心を開き、僕から源吾という難しい役を吸い込んでいってくれる
これほど繋がれた俳優と出会うのは初めてなんではないだろうか?
ただ、源吾になろうとしてから彼は度々吐き気に襲われるという。
二宮芽生同様、身体が心配だ(笑)


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高瀬媛子(たかせあきこ):茜
最後の最後までしっくりくる人が見つからなかったこの役を
10年来の友人の彼女に託した。
とは言ってもここ10年は付き合いがほとんどなく
僕が知っている彼女はモデルの仕事をしていたのだが
Facebookで役者をやっている事を知り、会ってみたら
彼女もまた、役を生きようとする役者になっていた。
病気から回復したてのナイーブな時期に
僕からのオファーだという事で引き受けてくれた。
茜という役が持つインテリジェンスと美しさが芽生え始めている彼女を見ていると
この人で良かった。この人しかいない。と思える。

山口快士(やまぐちかいじ):輝昭
今日の稽古はお休みだったので写真がないのが申し訳ないが
もう一人のキーマン。
まだ20代の若さで大きな存在感を放つ男。
僕のような作り方の芝居は初めての経験らしく
まだ戸惑っているようでもあるが
ただただ実直に向き合ってくれている
何より心を開いてくれている。
彼もまたオーディションで出会った一人だ。


相変わらず人集め、資金集めはダメダメな僕だが
この4人に出会えた事は至福の幸運だった。
稽古場は、より深く、より繊細に
という空気で充たされている
10月からはこの4人を取り巻く様々な人々も加わり
最後の稽古に入る。
この『千年の糸姫』という物語を
ぜひぜひぜひ、楽しみにしていてほしい。