謹賀新年 | ルーラルアート+ふるいちやすしの日記

謹賀新年





ここのところ重いテーマの作品が続いたので
ずっとドイツのクラシックレンズ、カールツァイス・イエナで撮っていたのだが
一度優しいフランスのアンジェニュー戻ろうと思う
昨日、このレンズを付けて
スタジオの周りをブラッと歩いたのだが
さすがに長年使っていたレンズだけに
感覚はすぐに戻った
やっぱり落ち着く




とかく暗い暗いと言われる僕の映像だが
別に暗いのが好きなというわけではない
その時々で撮りたい物を抽出していくと
結果そうなる事が多いというだけのこと
その被写体が姿かたちではなく
“思い”だったりすることが多いので
抽出と言っても
余計な物を引き算していく感覚
高精細とか高輝度でもっと見るというよりは
他のものを隠していく方が
人の意識と似ているように思うんだ
眼鏡をかけたり、ライトをあてたりするのではなく
意識をそこに集中させた時の見え方
それを再現しようとすると
どうしても引き算になってしまう
だからテーマや自分の心持ちが優しかったり明るかったりすれば
自然に明るい絵になる・・・・筈なんだが




そうでもないか?(笑)
でも、僕は決して根が暗いという訳ではないと思っている
根本的に明るいからこそ
暗い世界に没入することができるんだ
そこで根が暗かったら戻れないし、うつむいて目を閉じてしまうし
最悪の場合、死んでしまう
僕の根底には闇であろうが重いテーマであろうが
じっくり凝視できる明るさがあるんだ
こういうパラドクスは僕の中にたくさんあって
例えば僕が優しくもなく、温かみのある人間でない事は
自分で嫌というほど分かっていて
だからこそ優しさや温かさの輝きが眩しいほどに見える
基本的に優しい人には普通のことであっても
僕には特別なものに見える
派手ではないし、大きな救いにはならないかもしれないけど
そういう小さな優しさや温もりのある作品
僕には見逃さずに撮れそうな気がするんだ
アンジェニューレンズが見せてくれる優しいトーンは
それを見せてくれる僕の目
この目で捉えたいもの
このレンズの中にいてほしい人がいる




去年撮った作品が
今年は一気に公開される筈
皆様にご多幸を!
そして僕らの作品がその一つとなることを祈ります。
新年おめでとうございます。