映画『千年の糸姫』クラウドファンディング・ラストスパート! | ルーラルアート+ふるいちやすしの日記

映画『千年の糸姫』クラウドファンディング・ラストスパート!

9月になりました。映画「千年の糸姫」劇場公開実現プロジェクトのクラウドファンディングも残すところあと2週間ですが、ここにきてまたたくさんのご支援いただき、本当に幸せです。劇場で見たいと思って下さっているのですね!必ずなんとかします。もう一息、皆様のお力をお貸しください!

今日は宇津輝昭役の山口快士(やまぐちかいじ)の事を書きます。糸姫を含む4人のキーマンはそれぞれ千年前と現代とで全く違う人柄を演じ分けるという難しいものでしたが、中でも彼が演じた宇津輝昭は一千年前は極悪、現代では超温厚なお人好しという180度ではすまないくらいの対照的な人格でした。それを見事に演じきり、違い過ぎて同一人物だと気づかない人もいたほどです。それでも主役は糸姫の二宮芽生。彼は助演という立場です。ところがロンドン・フィルムメーカー国際映画祭で奇跡が起こりました。彼の演技を見た審査員たちが最優秀主演俳優賞にノミネートしてくれたのです。最優秀主演女優の二宮芽生と共にダブルノミネート!これは本当に嬉しく、誇りに思いました。ああ、芝居が伝わった。言葉を超えて伝わったんだと。実は稽古が始まった頃、彼とゆっくり話したことがとても記憶に残っています。彼は今まで受けてきた演出、求められる役者像が僕のそれとは全く違っている事に早々に気づいたと言います。違い過ぎたので争うことをやめたと。そして真っ白な気持ちで僕と向き合ってくれたのです。全く解らない、できない、苦しい、そんな日々が楽しくてたまらないと言ってくれました。元々ブレるつもりは微塵もなかったのですが、その一言で更に強力に彼と、宇津輝昭と向き合えたと確信しています。ロンドンでのノミネートには正直ほっとしました。そうやって信じてくれた演技が認められたのですから、本当に良かったと思います。彼は今も舞台やCMの場で活躍しています。基本的には元の彼のスタイルに戻ったのかもしれませんが、それに少しでもプラスの経験として役立ってくれていることを願っています。10月には彼の劇団、演劇集団SMILE JACKの「ストーブがすっ飛ぶ!!!」という公演があります。ぜひ足をお運び下さい!

 

もう一人、糸が現代でお世話になる千鶴子というお弁当屋さんのおかみさんを演じた深澤千有紀(ふかさわちゆき)も特別な女優でした。千鶴子が糸に向ける愛情はこの物語の中で最もナチュラルで、そして強い物でした。その何気なさとパッションを演じきった彼女は素晴らしかった。撮影中、僕も不覚にも泣いてしまったほどです。かなりのキャリアはあるのでしょうが、彼女も僕のような演出は初めてだったのかもしれません。稽古場で、かなりのやり取りをして理解を深めて言った気がします。それでも本番で見せてくれた彼女の愛情は凄かった。実は日本版のポスターに4人のメインキャスト以外でその姿が写っているのは彼女だけなんです。初めはデザイナーの高橋ケンイチが勝手に載せたのですが、それに僕もすんなり同意しました。いや、むしろ嬉しかった。彼にも深澤の演技は強く響いたのだと思います。9月には彼女の出演する公演、「田園にくちづけ」があります。是非こちらも足をお運びください。

 

特別と言えば僕にとって、この物語にとって、みんな特別です。まだ名前の知れていない役者でも、こんな光る人たちがいるんだと知っていただきたいです。追々、またご紹介して行こうと思います。そう、劇場公開の日が来るまで、追々、だから、お願いします!!!!

映画「千年の糸姫」劇場公開実現プロジェクトのクラウドファンディング