「ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業」の存続と予算増額及び制度の拡充を求める要望書① | 新潟保養プロジェクトのブログ

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新潟で放射能からの子ども保養活動をしています

提出した要望書を掲載します。 たくさんの団体が賛同団体として名を連ねています。



復興大臣 高木 毅 様

文部科学大臣 馳 浩 様

福島県知事 内堀 雅雄 様

2015127

「ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業」の存続と予算増額及び制度の拡充を求める要望書

311受入全国協議会

ほか 全国で保養事業に関係する団体(下記賛同団体参照)

 東日本大震災および東京電力福島原発事故が起きて、49か月がたとうとしています。

 福島では除染が続いていますが、依然事故前の状況には戻っておらず、野山をはじめ、生活圏内でもスポット的に高線量の場所が残っています。子どもが屋外や野山で遊ぶことに大きな不安を抱えざるを得ない状況が続いています。

 こうした不安から、福島県では外遊びや自然体験の機会が減り、心身の成長への悪影響が懸念される事態が起きています(1)

 こうした状況の中、全国の多くの民間団体が市民レベルで福島の子どもたち、又はその近隣の子どもたちの健康を願い、保養プログラムを実施してきました(2013年度には400を超える保養プログラムを実施…注2)。その中で私たちは、福島県の親の多くが、機会があればこうしたプログラムに子どもを参加させたいと考えているのではないかと実感しています。

 201310月「原発事故子ども被災者支援法」の基本方針で予算化していただいた、「ふくしまっ子自然体験交流活動支援事業」(以下「ふくしまっ子事業」と呼ぶ)は、そうした福島の子どもたちにとって、野外活動のために放射線量の少しでも少ない地域でのびのびと活動ができる機会を創出できる、素晴らしい政策です。

 私たち全国の保養受け入れ団体の多くは、福島県外の団体であるため「ふくしまっ子事業」に直接申請することはできませんが、4年目を過ぎ、福島県内に自ら保養を企画する団体が育ち始め、それらが保養受け入れ団体と協力し、「ふくしまっ子事業」を活用する件数が少しずつ増えてきました。(注3)福島県内の幼児や学童を対象とした社会教育団体と県外のNPOが連携して活用に至った事例、福島県から県外の団体の保養に参加した保護者が新たに社会教育団体を立ち上げて活動を始め、申請した事例などが生まれています。

私たち市民レベルの保養団体も、一人でも多くの子どもたちに野外活動の機会を享受できるように、尽力する所存です。国や福島県におかれましても、是非、下記要望に耳を傾けていただきたくお願いいたします。

 

 以下4点を要望いたします。

 「ふくしまっ子事業」の継続と予算の増額をしてください。

 保養の実施団体、受け入れ団体、送り出し団体、参加者との意見交換をしてください。

 

 自然体験や交流、スポーツ活動だけを対象にするのではなく、子どもたちの健康増進および心身のリフレッシュのための保養も含めて助成できるようにしてください。(4)

 学校単位の移動教室事業が県外で多数実施できるよう、関係諸機関に働きかけてください。

子どもたちの健康と命を最優先にし、被災地の子どもと親の期待に応える政策を拡充するよう、心よりお願い申し上げます。

1 2015124日付 福島民友記事 「子どもの肥満傾向改善されず…本県、全国平均上回る」

2 福島原発事故による放射能からの保養プログラム -2013年度の実施状況- 鈴木一正(神戸大学)  20151月  『市民研通信』第28号  による

3 2014年度は福島県内の社会教育団体8団体が県外受け入れ団体と協力して実施(「ふくしまっ子事業」のうちの社会教育団体自然体験活動支援事業を活用)2015年度は増加(福島県教育庁への聞き取り)

4 現在の「ふくしまっ子事業」においては、1歳以上の幼児と小中学生の自然体験、交流活動などの実施が義務づけられており、子どもたちの自然体験の機会を積極的に保障する意味で、すぐれた制度と言えます。しかし、それにとどまらず、乳幼児が親と一緒に不安から逃れて精神的にリラックスできるようにすることや、小中学生についても心身のリフレッシュすることを目的として認めることで、毎年多くの参加者があり全国で実施されている多くの保養に「ふくしまっ子事業」による助成が可能となります。保養に参加した親子からは、精神的なストレスの軽減に保養が役立ったとの声も多数聞かれます。