涼しい話題を。

$中野のブログ


屋外の気温がマイナス50℃以下になると、人の吐く息が耳のあたりで凍り、かすかな音をたてる。
ヤクート(シベリア東部)では、この音を「星のささやき」というのだそうです。

何という美しい言葉だろう。
一度、星のささやきを聞いてみたいと思った。

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星のささやきについての別の記述を見つけたので、メモ的にコピペ。
原語はサハ語なんですね。

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遠洋航海の船長で作家のコンスタンチン・バディギン( Константин Сергеевич Бадигин(1910-1984)が
1956年に発表した著書「Путь на Грумант(プーチ・ナ・グルマント)」。

グルマントへの道という意味。グルマントというのは北極圏にあるスピッツベルゲンのロシアでの呼び名です。
この本の第八章「ПОЛЯРНАЯ НОЧЬ(ポーリャルナヤ・ノーチ/極地の夜の意味)」 に「星のささやき」が出てくるのです。ざっくり訳してみますと、
厳しいマロースの夜、オーロラを見た時に、カチカチと鉄砲を鳴らすような(словно из ружей щелкает)音がした(Трещат)という会話のあとに。

「ヤクートの人たちは昔から晴れたマロースの夜に聞こえるこれらのざわめき(шумы)に気づき、『星のささやき』と呼んでいた。ざわめきは厳しいマロースの時に起こり、オーロラや星によって生じる音とみなされていた。まもなく、すべては人間自身の息によって生じるものであることがわかった。吐く息の中の蒸気が凍る時、静けさの中では時々はっきりと、さらさら、カサカサ、ぱちぱちと弾ける(шуршит, потрескивает)音が聞こえるのだ」