医薬物質特許の審取訴訟 | 知財アラカルト

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医薬、バイオ、食品、化粧品、一般化学、高分子などの化学系分野に関する知財判決(主として特許と商標)や知財報道を取り上げ、その要点をコンパクトにまとめると共に、その要点についてコメントを付し、皆様方のお役に立つような情報として提供していきたいと思います。

平成30年(2018年)4月13日知財高裁大合議判決
第1事件:平成28年(行ケ)10182号 審決取消請求事件

第2事件:同10184号 審決取消請求事件


第1事件原告:日本ケミファ

第2事件原告:X

第1・2事件被告:塩野義製薬

第1・2事件被告補助参加人:アストラゼネカ


 本件は、特許無効審判において不成立とした特許庁審決に対する知財高裁の大合議判決であって、被告のブロックバスターの一つであるクレストール(スタチン類の高コレステロール血症治療剤)の基本物質特許関する行政訴訟事件です。特許庁の無効でないとする審決が維持されています。大合議判決であることも珍しいですが、基本物質特許の進歩性が争われたことも珍しいと思います。しかも、何人も無効審判を請求できる時代のものですから、訴えの利益も問題となっています。

最高裁HP:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87667

 

(1)事件の概要
①本件の特許権(特許2648897号)
 本件特許権は、発明の名称を「ピリジン誘導体」とするものであって、本特許権の請求項1(本件発明1)は下記の通りです。

「式(I):
【化1】

式中,
R1は低級アルキル;
R2はハロゲンにより置換されたフェニル;
R3は低級アルキル;
R4は水素またはヘミカルシウム塩を形成するカルシウムイオン;
Xはアルキルスルホニル基により置換されたイミノ基;
破線は2重結合の有無を,それぞれ表す。)
で示される化合物またはその閉環ラクトン体である化合物。」

 本件発明は、HMG-CoA還元酵素阻害活性を有するものです。

 

②審決の要点

 本件の争点は、①甲1(特表平3-501613号)を主引用例とし、甲2(特開平1-261377号)を副引用例として進歩性が欠如しているか否かと、②サポート要件違反か否かであって、進歩性に関しては、概ね下記の通りです。

【相違点】
(1-ⅰ)
Xが,本件発明1では,アルキルスルホニル基により置換されたイミノ基であるのに対し,甲1発明では,メチル基により置換されたイミノ基である点
(1-ⅱ)
R4が,本件発明1では,水素又はヘミカルシウム塩を形成するカルシウムイオンであるのに対し,甲1発明では,ナトリウム塩を形成するナトリウムイオンである点
・相違点の判断(相違点(1-ⅰ)について)
(a) 甲1発明からの動機付けについて
 甲1発明の化合物は,実施例1b)で得られたものであるから,「HMGCoA還元酵素」を阻害する薬理活性を有することがデータで裏付けられているものである。一方,甲1の特許請求の範囲に記載される式Iで示される化合物は,甲1発明と同様の薬理活性を有することが全ての範囲で裏付けられているわけではないが,そのような薬理活性が一応期待される化合物として記載されているものといえる。
 そこで,本件発明1と甲1の特許請求の範囲に記載された式Iとの関係をみると,本件発明1は,上記式Iの「R2」として「-N(R8)2」を選択し,さらに,「R8」が甲1発明のように「不斉炭素原子を含まぬC1~4アルキル」である「メチル」ではなく,一方の「R8」としてアルキルスルホニル基(-SO2R’;R’はアルキル基)を選択したものといえるが,このような置換基を選択した化合物は,上記式Iの範囲に含まれてはいない
 そうすると,甲1の式Iに含まれない化合物については,「HMG-CoA還元酵素活性」を阻害する薬理活性を期待することができるとはいえないから,甲1発明の「ジメチルアミノ基」を,式Iの範囲に含まれない選択肢である「-N(CH3)(SO2R’)」に置き換える動機付けがあるとはいえない
(b) 甲2発明からの動機付けについて
 甲2の一般式(I)の化合物も,HMG-CoA還元酵素阻害剤を提供するものであって,甲1の式Iの化合物と同様,ピリミジン環を基本骨格とし,そのピリミジン環の2,4,6位に置換基を有する化合物である点で共通するものであって,選択する置換基によっては,両者に含まれる化合物が一部重複することもあるが,甲1の式Iの化合物と甲2の一般式(I)の化合物は,前記ピリミジン環の置換基の選択範囲が全て一致しているわけではなく,それぞれ,別個の化学構造式を有する化合物として特定され,その化学構造式の化合物であることを前提にHMG-CoA還元酵素阻害剤となり得ることが記載されているものといえる。
 そして,化合物の構造が異なれば,そのHMG-CoA還元酵素阻害作用が同じになるとはいえないから,甲1発明のジメチルアミノ基の上位概念として,甲2の一般式の「R3」の「-NR4R5」が対応するとしても,甲1発明のジメチルアミノ基を甲1に開示のない置換基に,甲2の記載に基づいて置換する動機付けがそもそもあるとはいえない
(c) 技術常識に基づく動機付けについて
 仮に,甲1発明の化学構造を改変して親水性の化合物を得ることを当業者が想起したとしても,甲1発明の化合物を親水性とするために,特定の位置(ピリミジン環の2位)に存在する「ジメチルアミノ基」の一方のメチル基のみをメチルスルホニル基(アルキルスルホニル基)に置き換え,「-N(CH3)(SO2R’)」とする動機付けがあるとはいえない。
(d) 小括
 したがって,甲1発明において,相違点(1-i)の構成を採用することが当業者にとって容易であったということはできないから,相違点(1-ⅱ)について検討するまでもなく,本件発明1は,甲1発明及び甲2発明並びに本件優先日当時の技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできない。

 

(2)裁判所の判断

   裁判所は、進歩性及びサポート要件を審理する前に、本件特許権が出願から25年(延長のため)を経過し消滅していることで、被告が原告には訴えの利益がないと主張(本案前の抗弁)することから、その当否について判断しています。なお、サポート要件違反か否かの判断についての裁判所判断は省略します。
1 本案前の抗弁(訴えの利益)について

①本件審判請求が行われたのは平成27年3月31日であるから,審判請求に関しては同日当時の特許法(平成26年法律第36号による改正前の特許法)が適用されるところ,当時の特許法123条2項は,「特許無効審判は,何人も請求することができる(以下略)」として,利害関係の存否にかかわらず,特許無効審判請求をすることができる旨を規定していた。
 そして,特許無効審判請求は,当該特許権の存続期間満了後も行うことができるのであるから(特許法123条3項),特許権の存続期間が満了したからといって,特許無効審判請求を行う利益,したがって,特許無効審判請求を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益が消滅するものではないことも明らかである。

②被告は,特許無効審判請求を不成立とした審決に対する特許権の存続期間満了後の取消しの訴えについて,東京高裁平成2年12月26日判決を引用して,訴えの利益が認められるのは当該特許権の存在による審判請求人の法的不利益具体的なものとして存在すると評価できる場合のみに限られる旨主張する。
 しかし,特許権消滅後に特許無効審判請求を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益が認められる場合が,特許権の存続期間が経過したとしても,特許権者と審判請求人との間に,当該特許の有効か無効かが前提問題となる損害賠償請求等の紛争が生じていたり,今後そのような紛争に発展する原因となる可能性がある事実関係があることが認められ,当該特許権の存在による審判請求人の法的不利益が具体的なものとして存在すると評価できる場合のみに限られるとすると,訴えの利益は,職権調査事項であることから,裁判所は,特許権消滅後,当該特許の有効・無効が前提問題となる紛争やそのような紛争に発展する可能性の事実関係の有無を調査・判断しなければならない。そして,そのためには,裁判所は,当事者に対して,例えば,自己の製造した製品が特定の特許の侵害品であるか否かにつき,現に紛争が生じていることや,今後そのような紛争に発展する原因となる可能性がある事実関係が存在すること等を主張することを求めることとなるが,このような主張には,自己の製造した製品が当該特許発明の実施品であると評価され得る可能性がある構成を有していること等,自己に不利益になる可能性がある事実の主張が含まれ得る。
 このような事実の主張を当事者に強いる結果となるのは,相当ではない。
③もっとも,特許権の存続期間が満了し,かつ,特許権の存続期間中にされた行為について,何人に対しても,損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり,刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情が存する場合,例えば,特許権の存続期間が満了してから既に20年が経過した場合等には,もはや当該特許権の存在によって不利益を受けるおそれがある者が全くいなくなったことになるから,特許を無効にすることは意味がないものというべきである。
 したがって,このような場合には,特許無効審判請求を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益も失われるものと解される。

④以上によると,平成26年法律第36号による改正前の特許法の下において,特許無効審判請求を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益は,特許権消滅後であっても,特許権の存続期間中にされた行為について,何人に対しても,損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり,刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情がない限り,失われることはない

⑤なお,現在においては,特許無効審判請求をすることができるのは,特許を無効にすることについて私的な利害関係を有する者のみに限定されたものと解さざるを得ない。
 しかし,特許権侵害を問題にされる可能性が少しでも残っている限り,そのような問題を提起されるおそれのある者は,当該特許を無効にすることについて私的な利害関係を有し特許無効審判請求を行う利益(したがって,特許無効審判請求を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益)を有することは明らかであるから,訴えの利益が消滅したというためには客観的に見て,原告に対し特許権侵害を問題にされる可能性が全くなくなったと認められることが必要であり,特許権の存続期間が満了し,かつ,特許権の存続期間中にされた行為について,原告に対し,損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり,刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情が存することが必要であると解すべきである。

 

2 進歩性について

①進歩性に係る要件が認められるかどうかは,本願発明を認定した上で,同条1項各号所定の発明と対比し,一致する点及び相違する点を認定し,相違する点が存する場合には,当業者が,出願時(又は優先権主張日)の技術水準に基づいて,当該相違点に対応する本願発明を容易に想到することができたかどうかを判断することとなる。
 このような進歩性の判断に際し,本願発明と対比すべき同条1項各号所定の発明(主引用発明)は,通常,本願発明と技術分野が関連し,当該技術分野における当業者が検討対象とする範囲内のものから選択されるところ,同条1項3号の「刊行物に記載された発明」については,当業者が,出願時の技術水準に基づいて本願発明を容易に発明をすることができたかどうかを判断する基礎となるべきものであるから,当該刊行物の記載から抽出し得る具体的な技術的思想でなければならない。そして,当該刊行物に化合物が一般式の形式で記載され,当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には,当業者は,特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り,当該刊行物の記載から当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできない
 したがって,引用発明として主張された発明が「刊行物に記載された発明」であって,当該刊行物に化合物が一般式の形式で記載され,当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には,特定の選択肢に係る技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り,当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできず,これを引用発明と認定することはできないと認めるのが相当である。
 この理は,本願発明と主引用発明との間の相違点に対応する他の同条1 項3号所定の「刊行物に記載された発明」(副引用発明)があり,主引用発明に副引用発明を適用することにより本願発明を容易に発明をすることができたかどうかを判断する場合において,刊行物から副引用発明を認定するときも,同様である。したがって,副引用発明が「刊行物に記載された発明」であって,当該刊行物に化合物が一般式の形式で記載され,当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には,特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り,当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできず,これを副引用発明と認定することはできないと認めるのが相当である。
 そして,上記のとおり,主引用発明に副引用発明を適用することにより本願発明を容易に発明をすることができたかどうかを判断する場合には,①主引用発明又は副引用発明の内容中の示唆技術分野の関連性課題や作用・機能の共通性等を総合的に考慮して,主引用発明に副引用発明を適用して本願発明に至る動機付けがあるかどうかを判断するとともに,②適用を阻害する要因の有無,予測できない顕著な効果の有無等を併せ考慮して判断することとなる。特許無効審判の審決に対する取消訴訟においては,上記①については,特許の無効を主張する者が,上記②については,特許権者が,それぞれそれらがあることを基礎付ける事実を主張,立証する必要があるものということができる。

 

②相違点(1-i)の判断

ア 原告らは,相違点(1-ⅰ)につき,甲1発明に甲2発明を組み合わせること,具体的には,甲1発明の化合物のピリミジン環の2位のジメチルアミノ基(-N(CH3)2)の二つのメチル基(-CH3)のうちの一方を甲2発明であるアルキルスルホニル基(-SO2R’(R’はアルキル基))に置き換えること,すなわち,甲1発明の化合物のピリミジン環の2位の「ジメチルアミノ基」を「-N(CH3)(SO2R’)」に置き換えることにより,本件発明1に係る構成を容易に想到することができる旨主張している。

イ 甲2の一般式(I)で示される化合物は,甲1の一般式Iで示される化合物と同様,HMG-CoA還元酵素阻害剤を提供しようとするものであり,ピリミジン環を有し,そのピリミジン環の2,4,6位に置換基を有する化合物である点で共通し,甲1発明の化合物は,甲2の一般式(I)で示される化合物に包含される。
 甲2には,甲2の一般式(I)で示される化合物のうちの「殊に好ましい化合物」のピリミジン環の2位の置換基R3の選択肢として「-NR4R5」が記載されるとともに,R4及びR5の選択肢として「メチル基」及び「アルキルスルホニル基」が記載されている。
 しかし,甲2に記載された「殊に好ましい化合物」におけるR3の選択肢は,極めて多数であり,その数が,少なくとも2000万通り以上あることにつき,原告らは特に争っていないところ,R3として,「-NR4R5」であってR4及びR5を「メチル」及び「アルキルスルホニル」とすることは,2000万通り以上の選択肢のうちの一つになる。
 また,甲2には,「殊に好ましい化合物」だけではなく,「殊に極めて好ましい化合物」が記載されているところ,そのR3の選択肢として「-NR4R5」は記載されていない
 さらに,甲2には,甲2の一般式(I)のXとAが甲1発明と同じ構造を有する化合物の実施例として,実施例8(R3はメチル),実施例15(R3はフェニル)及び実施例23(R3はフェニル)が記載されているところ,R3として「-NR4R5」を選択したものは記載されていない
 そうすると,甲2にアルキルスルホニル基が記載されているとしても,甲2の記載からは,当業者が,甲2の一般式(I)のR3として「-NR4R5」を積極的あるいは優先的に選択すべき事情を見いだすことはできず「-NR4R5」を選択した上で,更にR4及びR5として「メチル」及び「アルキルスルホニル」を選択すべき事情を見いだすことは困難である。
 したがって,甲2からピリミジン環の2位の基を「-N(CH3)(SO2R’)」とするという技術的思想を抽出し得ると評価することはできないのであって,甲2には,相違点(1-ⅰ)に係る構成が記載されているとはいえず甲1発明に甲2発明を組み合わせることにより,本件発明の相違点(1-ⅰ)に係る構成とすることはできない
ウ 仮に,甲2に相違点(1-ⅰ)に係る構成が記載されていると評価できたとしても,甲1発明の化合物のピリミジン環の2位のジメチルアミノ基を「-N(CH3)(SO2R’)」に置き換えることの動機付けがあったとはいえないのであって,甲1発明において相違点(1-ⅰ)に係る構成を採用することの動機付けがあったとはいえない。

エ 相違点(1-ⅱ)について検討するまでもなく,当業者が,甲1発明に甲2発明を組み合わせることにより,本件発明1を容易に発明をすることができたとは認められない

 

(3)コメント

①本判決は知財高裁の大合議によるものですが、大合議が取り上げた事件は、ここ3回連続して医薬関連特許に関するものになっています。それだけ医薬関連特許は論点ないし争点が多く、また、特許の重要性が他の技術分野に比べて高いことの現れではないかと思います。

 今回の事件が大合議で取り上げられた理由は、はっきりとは分かりませんが、何人も請求できる無効審判の時代のものであって、特段の利害関係を有しない者が特許権消滅後でも審決取消訴訟の原告適格(訴えの利益)を有するかという法律問題があったことが大きいかと思われ(当該訴えの利益を否定するかのような先例があったことも一要因かもしれない)、また、物質特許のマーカッシュクレームに関して、選択肢が膨大である場合の引用例適格をもう少しはっきりさせたかったことなどが考えられます。

 本判決の結論と理由については、これまでの実務の考えなどを踏襲するものであり、さして目新しいところはないと思います。結論自体、妥当なものであると思います。

 なお、基本物質特許は、いわゆる新薬開発、そしてその製造販売による先行投資回収にとってとなる特許であり、最重要な特許であることは言うまでもなく、その特許の有効性は、決して揺らぐものであってはならないものです。本事件では、その基本物質特許の有効性が先発品メーカーと後発品メーカーとの間で争われましたが、これは非常に珍しいことではないかと思います。先発・後発品メーカー間での争いは、通常、先発品メーカーの周辺発明特許について争われることが多いからです。本事件には何らかの特殊事情があるのかもしれません。

②現法では、何人も無効審判を請求できず、無効審判請求人は本件特許との関係において一定の利害関係を有する必要があります。本判決では、傍論ながら、現法における請求人適格(訴訟原告適格)についても言及されており、これまでの実務の考えに沿ったものと思われますが、参考になると思います。特許権侵害を問題にされる可能性が少しでもありそのような問題を提起されるおそれがある者は、全て当該適格性を有すると判示されています。

物質特許発明の進歩性については、マーカッシュクレームのように膨大な選択肢が存在するような場合、それぞれを単に選択して初めて成立するような化合物は、具体的な技術的思想ではなく、原則引用発明にならず、その特定の選択肢に係る化合物(技術的思想)が引用発明となるためには、それを積極的あるいは優先的に選択すべき事情がなければならないと判示されています。

 そして、主引用発明と副引用発明とを組み合わせることが容易想到であると判断するための一般的な指標(内容中の示唆など)が示され、逆に容易想到を否定しうる阻害要因や顕著な効果の存在などの指標も示されています。いずれも進歩性判断における通常の実務における指標と何ら変わらないと思います。

 

以上、ご参考になれば幸いです。