今日の大阪は比較的暖かく柔らかい日差しが店内に差し込んでおります。
さて本日は少しだけスーツの仕立について書かせていただこうかと思います。
パルテンツァのメインHPのブログとは少し違ったテイストにしていくと前回書きましたが、
こちらのブログでは少し深いところまでスーツや仕立について掘り下げていきます。
まずは型紙…と言いたいところですが、本日はスーツの仕立において多用する「ハ刺」しについて書いていこうと思います。
ハ刺しとはその名のままですが、ハの字状に糸を刺して何かと何かをつなぎ合わせる際に行います。
ご覧いただくとおわかりになると思いますが、ハハハハハハハとなっています。
この写真はラペル(下衿)のハ刺しで、毛芯と表地を合体させています。
ラペルへハ刺しを行う目的としては芯と生地の結合とラペルのふんわりとした返りを作る為に行います。
ビスポークの場合はこのように手縫いでハ刺しを行うことがほとんどですが、工場縫製でも縫い方は違うにしろ、同じような目的でルイスミシンにて縫われています。
ただし、手縫いでハ刺しを行う際は芯を左手で少しずつずらしながら経緯方向にユトリを入れながら行うので、ルイスミシンの仕上がりよりも立体的に仕上がると思います。
細かすぎず、大きすぎず。
締めすぎず、緩すぎず。
ラペルの先端の数センチはハ刺しの方向を変えてラペルの先が外側に反り返らないようにしています。
ラペルの他にも上衿の芯にも行います。
これも目的はラペル同様上衿が外に向かって跳ねないようにするのと衿芯の下にくるカラ―クロスを合体させることですが、上衿は職人によってハ刺しをする方向が違うことが多々あります。
パターンオーダーの工場縫製ではここもルイスミシンでの縫製となります。
手縫い(ビスポーク)と工場縫製ではハ刺し以外にも様々な違いが各所にあります。
それは出来上がると表からは見えない箇所での違いが多いです。
それが価格での差となって現れます。
ビスポーク=手縫いだから高いというのは間違いではないですが、縫い方、アイロンによるクセ取りなど工場では省略されてしまう工程をいくつも経て1着のスーツがf出来上がる故の高価格となります。
今回はハ刺しについて書きましたが、また別の工程についても書きたいと思います。
ありがとうございました。