何ゆえタイランド (無期限休止中) -5ページ目

病人連鎖 その後




ある休日、兄は昼食後母に頼まれていた用事を片付けに
実家(我が家)へ出掛ける準備をしていた際、兄嫁に声をかけられた。



「あ、実家に行くんだったね?」


「うん。夕飯には帰るから。」

靴を引っかけながら答える。



「解った。…親の顔、見られる内に見といた方がいいわ。」


兄は嫁の発言に(はい?!)と驚きの余り硬直し、
思いっきり振り返りそうになったが背中で聞き流し、
じゃあなと玄関戸を押した。




我が家へ到着後、

「やー!こんな事↑言ったからな!!びっくりしたわ!
(嫁の父親は)かなり状態悪いみたいだぞ。」

あっけらかんと明るく私と母に話す、兄だった。




兄嫁の実父が、4月末に退院しほぼ2週間前に再び、入院をした。


同臓器内に数個の新しい腫瘍が発見されたのが理由だったが、

その後更なる検査で他部位への転移が認められ

1度目の入院期間同様、2ヶ月で退院予定は到底無理で

今後の治療経過によって判断されるとの事だった。



再入院や容態については逐一、兄がメールで知らせてくれていたので解っていたが

医師に余命等について何か言われたのか?
との私の質問に対し兄は

「聞いてないから知らないが、こんな珍しい事を言っていたので言われたんじゃないのかと思う」

と“親の顔は…”発言に話は及んだのだった。




聞いてないって…兄上様…。



詳しく聞けば、

がん転移が解って治療方針が変わり、退院期日も延びたと言うことも

医師による結果説明から、1週間以上過ぎてから知ったと言うじゃないか。




…。





まぁ。

この夫婦にはこの夫婦の事情がね。

あるんだろうね。




兄嫁は去年、私達の父のお見舞いにも2回だけしか来なかったしね。

互いの親はそれぞれで、って暗黙の了解でもあるのかね。




…幸い、私はそう言う配偶者は選ばずに済んだけどね。




なんだかなぁ。


兄嫁は、自分の行動がそのまま自分に返って来てる状態なんだろうけど


父親を思う気持ちは一緒であろうと思うので



少し、複雑な心境なのであった。




キナ臭い話 タイ男の友情




頭部受傷で、しばし病院にて安静を余儀無くされた友達の警官は、

その怪我を負わせた黄色シャツ男の逃亡を、まんまと許してしまった事に

意識を取り戻した後激昂し、ひどく悔しがっていたそうだ。




自身の怪我の具合や痛みなど全く眼中にない様子で

傷口を縫合後すぐに外へ出ていこうと血気盛んに暴れる彼を

看護師と他に駆け付けた友人等数人でベッドに抑え込むのに苦労した、

と旦那は苦笑していた。





旦那は警官ではないけれどその手の友達が多く
彼等の考え方はよく知っていて


私も話には聞いているので、彼の気持ちが解らないでもない。



何しろ

後ろを取られ傷を負い、それも相手を無傷で逃がしてしまった事で


彼は仲間内で



「キン○○小さくなったんじゃねぇの?」



と陰でふふんと鼻で笑われ、口にしなくとも思われるハメになるのだ。


スペシャル警官の思考回路は軍隊並みだな…

脳ミソまで筋肉製か?

(失礼。頭もないとスペシャルになれないのは知ってます)


と私なんかは思ったりもするのだ。


でも一般人の男友達までも傷を気遣う所か

「お前今回はやられたなー!」

「で、やり返したのか?えっ?逃げられたの?!ゲラゲラ!!」全員で(爆)
(↑旦那・含)


更に、煽ってどーすんだよ。

大して代わり映えはなし。
(まぁ命あっての軽口としてもな)




お前たちは…(ため息)。



メンツやプライドにやたらこだわる野性人種。

ここに多数存在す。




久々のキナ臭い話




昨夜の事。

日本時間午後7時半頃、旦那に電話をかけた。


コール4回ほどで「もしもーし」と応答した旦那の、のんびり声とは対照的に

背後で何やら慌ただしくざわめき動いている音が、受話器を通して流れ込んで来る。

室内のようだが何だか忙しない。




「今どこにいるの?」

「警察病院」




仰天した。



目を大きく見開き無意識に受話器を強く握り締め、つい詰問口調になる。

「何でそんなトコいるのっ!?」



旦那はさすがに私の杞憂を覚ったようで、


「あ、友達の警察官が怪我して(病院に)運ばれたって他の友達から連絡があってね。
 心配だったから来てみた。」


相変わらずの穏やかな話し方で説明し


「(自分は)何もないよ。」

と笑い、続ける。



…。


それなら「警察病院」と答える前に“友達の見舞いに”とつけろっ!

言葉の足りなさにガミガミ言いたくなるを、ぐっと堪える。




全く、いつまでたっても語学教科書のダイアログで反復練習をしている様な会話が抜けないのは

旦那にとっての外国語だからかと思ったりもしたが、


今ではただ単に、必要最小限しか話さない性格のせいだろうと確信している。



取り敢えずは胸を撫で下ろし、

で。友達の容態はどうなの、とか怪我の理由等を聞いてみたら

せっかくほっと安定しつつあった気分が再び急上昇し間も無く、急降下した。





黄シャツ(反タクシン派PAD)団体が国会審議中に、
無理矢理入室しようとして警備についていた警官等ともみ合いになり乱闘へと発展。



友達は後ろから長い棒状のもので強打され、ドたまをカチ割られ出血、その場で昏倒。


診察の結果、頭部を10針縫ったが命に別状はなく一安心だったが
他に警察側の重・軽症負傷者は16、7人との話。


まだ光り物や飛び道具が登場しなくて幸いだったが、黄色組だって怪我人出たろうに、と思う。




赤シャツが出張り、黄色シャツも負けじと出陣。



ニュースでは知っていたが、やっぱり表に出ないどんぱちはやってたのね…とため息しか出ない。



こんな事を聞くと、

バンコクに戻りたくなくなるんだよねぇ。