こんにちは。
いそべ晶子です。


本日は嬉しいダブルヘッダー。日食なつこ→カブサッキ&山本精一、という。今池ガスホールからすぐのTOKUZOさんに到着。時間もぴったり。


山本精一さん、音がとてもインドな感じで、はじまりの瞬間は、カブサッキさんとの間にちょっとした時空の歪みみたいなものが見えた。これは?と問うともなく問いかけると、インドとアルゼンチンを結ぶ軸が繋がって、さーっと世界が明るくなった。

おおお!

地軸は北極と南極を結ぶが、ここには、別の軸を中心に回る世界ができてるのだ。

お二人の演奏を拝見しながら、どうしてギターなんだろう?という質問がぐるぐると頭をめぐる。即興で譜面はなく、メロディーを演奏しているというていではない。出した音を加工するなら、ギターでなくとも鍵盤でも良いのではないか。。。

カブサッキさんの手元を見ながら、ハッとした。ギターは自分の出したい好きな音をすくえる。それは取り出したい色の絵具をパレットにすっとすくってのせるのに似ている。

取り出した音を混ぜたり揺らしたり歪めたりする。そうして、音が混じり合い、溶け合いまたは反発し合ううちに、次の音をすくいとって、、、というのを繰り返して、美しいカオスに変化させていく。

ああ、ギターじゃないとダメなんだ。

カブサッキさんも精一さんも、それぞれのカオスを創造してるように見えるが、引いて見ると、一緒に大きな絵を描いているような感じ。そんな不思議で楽しい創造が佳境に突入するとものすごく眠くなる。クライマックスはいつも睡魔との闘い。笑

隣の席の方が、この瞬間に寝たら気持ちいいだろうなというところがありましたね、とおっしゃってくださった。正に!

一部も二部もアンコールも、間違いなくその瞬間にうとうとして、楽しい時間が終わった。あああ、楽しかった〜。


終演後、カブサッキさんにサインをいただいた。こういうの(インプロビゼーション)すごく好き!とカブサッキさんもおっしゃっていた。

わたしが「山本精一さんと、同じじゃないけど同じ、美しかった」とお伝えしたら、そうそう!彼とは兄弟みたいなの!とも。納得。


フロアの皆さんが身じろぎもせず、息もしないくらいじっと聞いていたのも心地良かった。

神戸元町にjamjamというジャズ喫茶があり、アナログレコードのジャズを爆音でかけている。そこにレコードを聴きに来ているお客さんのことを思い出した。静かに熱く聴く、愛すべき皆さん。


前回の来日公演ぶりに、シネマテークのお姉さんとも再会できて嬉しかったです。シネマテークもいかねば。

良いライブで出会う方とは、いつでも、美しい灯で一緒に温まりあえる。


カブサッキさんの来日公演も残すところ僅か。詳細は、勝井祐二さんの『旅スケジュール』で確認できます。


感謝をこめて
いそべ晶子