今週は、カトリーヌ・スパーク、ジャック・ペランと、フランス (出身の)
映画俳優の訃報が続きました。
どちらも60年代映画が印象に残る俳優で、特にカトリーヌ・スパークは
90年代のリバイバルブームでハマった60sアイコンの一人。
というわけで、カトリーヌの作品について少し振り返りたいと思います。
フランス出身ながら (ベルギーがルーツなのでベルギー人だと思ってた)
イタリア映画での活躍が多く (歌手活動もして何枚もレコード出してます)、
代表作「太陽の下の18歳」「狂ったバカンス」「女性上位時代」の
カトリーヌがチャーミングでした。
昔描いた「女性上位時代」のシネマファッションを後述しますが、
今回の訃報を聞いて「太陽の下の18歳」の彼女を1枚描きました。
カンカン帽にヘソ出しショート丈ブラウスのバカンスファッションが
フレッシュでキュートな彼女。
「太陽の下の18歳」「狂ったバカンス」は若者たちを描いた映画で、
かなり前に見たので記憶がおぼろげですが、前者は同年代の若者たちの
恋と青春をポップに描いたバカンス・ムービー、後者はカトリーヌ演じる
美少女に恋をした中年男が若い小娘に翻弄され、モノクロ映像も相まって
哀しくアイロニカルな作品だったと思います。
「女性上位時代」は上記2作品の数年後で、大人になったスパークは、
性に奔放な主人公をコミカルに演じ、内容的にも露出シーンも多く、
包容力のある年上男 (「狂ったバカンス」のような哀愁の中年男でなく、
モテ男のジャン=ルイ・トランティニャンがロマンスの相手) に恋して
色仕掛けする、おバカで可愛い女のエロティック・ラブコメディ。
上記3作品の映画パンフレット。
90〜00年代の映画パンフは凝った変形タイプのデザインが多く、
この2冊はまさにその時代の趣向が表れた、LP型とトラベルガイド風。
当時レコードやCD型が多く、このタイプのパンフ・コレクションが
何冊かあります。この時代のフライヤーも可愛いのが多かった♡
「太陽の下の18歳」も60sイタリアンファッションがお洒落だけど、
「女性上位時代」は着せ替え人形のように様々なファッションが登場し、
モダンインテリアや音楽がお洒落で、シネマファッションを描き溜めて
(00年代半ば頃に描いたもので今とは違う画風で、描き直したいものも
多々ありますが) こちらにアップしてます→♡
特にピンクのフリルレース・ミニワンピとツイードのマントコートの
スタイリングがお気に入りでした。
最近DVDで見た「禁じられた抱擁」は主人公を誘惑する役で助演だけど、
スパークらしい小悪魔感が可愛かったです。
当時ロジェ・バディムのパートナーだったジェーン・フォンダを主演に、
アンナ・カリーナ (小間使いファッションがキュート)、マリー・デュボワ、
ジャン=クロード・ブリアリ、モーリス・ロネなど豪華キャストによる
バディム監督の群像映画「輪舞」で端役出演しましたが、衣装や役のせいか
少し野暮ったい感じで、主演の方が活きるタイプなのかも。
デビュー作はジャック・ベッケルの「穴」で、昔見たことがあるけど、
脱獄犯罪映画で面白かった記憶はあるものの、男所帯の映画のイメージで
女の子なんて出てた?と、気になって調べたら囚人の一人に面会者の役で
一瞬の出番だったみたいです。
昨年上映されたスパークの映画特集サイトが残ってました。→★
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ジャック・ペランで印象的なのは「ロシュフォールの恋人たち」「ロバと王女」
のジャック・ドゥミ作品。「ロシュフォール」ではプラチナブロンドヘアの
水兵ファッションが爽やかな青年、「ロバと王女」はブルネットヘアで
ファンシーな衣装のボンボンな王子様、どちらもドヌーヴの相手役でした。
ロシュフォールの恋人たちのシネマ・ファッション→♡
ロバと王女のプリンセス・ファッション→☆
ゴールデンウィーク期間中に webshop をオープンする予定で、
カトリーヌ・スパーク・レトロスペクティブとして「女性上位時代」
のシネマファッション (「ロシュフォールの恋人たち」も) を収録した、
不定期販売の cinema illustration booklet を少し入荷予定です。
ご興味のある方はチェックしてみて下さい。
オープン日程は調整中で、日程が決まりましたらお知らせします。
末筆ながら、カトリーヌ・スパークさん、ジャック・ペランさんの
ご冥福をお祈りします。