この二年以上続いている、コロナの時間の流れは、ものすごいもので、
記憶の中で、あれ、5年前くらいかな?なんて思っている事が、実は7年も前である事が度々あって、
この2年間の記憶が、あやふやになったりしている自分に驚く。
それでも確かに、季節は巡り、日々は流れているのが現実で、
逢える人、もう逢えなくなってしまった人、そして、まるで風のように、私の周りから居なくなった人も、気がつけば多くいる。
つい先日は、2年半ぶりの東京・大塚「グレコ」でのライブ。
駅から歩く道すら、町は、ぐわんぐわん変わっていて、あれだけ通い慣れた道が途中でわからなくなって、スマホの地図に助けられながらいく始末。
大塚だけではなく、私たちがそれぞれに生きている日々の町では当たり前の少しずつの様変わりが、時々、それも二年半ぶりともなると、まるで違う町に来たみたいになっている。
変わる。という事は悪いと言っている訳ではない。
どこか、そこに、自分を勝手に陶酔させて、懐かしさやメランコリックになったりする。
久しぶりにお会いしたグレコのオーナーの三好さんや、ご子息は、そこに変わらずにいて笑顔だったし、何年ぶりかで来て下さったファンの方と身近に顔が見られる事は、とても嬉しかった。
また、逢えた。
また、歌えた。そう心から思った。
「ラ・ボエーム」や「フレデ」なんかのシャンソンがどうしても歌いたいライブになった。
逢えない時代。じゃなくて、
逢わなきゃいけない、歌わなきゃいけない、そんな時代へと、
私の心は、様変わりしている。。
沢山の笑顔への再会と共に、
やはり私の身体には、歌わなきゃ生きられぬ、
今までとまた違う、大きな大きなうねりの中に今いる。
今こそ、の、ちから。
形にしなくては!
佐々木秀実