{BAF2C591-C084-4D1A-9009-37BFC63B9890:01}



暖冬といいながら割と寒い日もある今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
5日より大阪にて今年の通常のレッスンを始めさせていただきましたが、さっそく風邪気味な片山です。
一応、なかなか更新できない一週間のあいだに、もうだいぶ良くはなりましたが。



それに先立つ1月3日、岩国の「寺内Social&Ballroomダンススクール」様で、個人レッスンと、講習会を開催させていただきました。
これが今年の仕事始めになりました。
経営者の寺内先生ご夫妻は、岩国高校の先輩OBにあたります。
新年早々、大勢の皆さまにお越しいただき、ありがとうございました。
寺内先生、お招きいただき、お世話になりましてありがとうございます。



ダンスを初めて20年と半年。地元岩国でレッスンできる日が来るとは…
さまざまな思いが駆け巡り、感無量です。



{54C06CDA-741E-4506-9992-EF9AEA82FBCA:01}



講習会では、重心とバランス、ポスチャー、ホールド等、私たちがふだん大切にしている基本を中心に、お話しさせていただきました。
どうしているのか、どうすればいいのか、だけでなく、そもそも何のためにそうなっているのかと考えてベーシックを掘り下げると、意外な発見がいくつも出てきます。そういう面白さを少しでも感じて頂ければ幸いです。



男女が左右にずれて組むことも、右手の位置も、左手の形も、「ダンスはそういうものだから、そうしなくてはならない」と考えるのではなく、そのすべてに意味があります。
その意味を理解することが、上達のために何よりも大事だと思っています。意味が分かれば次々に新しい発見もあり、自分がどうするべきかということもわかってきます。



ベーシック=簡単、バリエーション=難しい、ではなく、
バリエーションとは一見複雑に見えるものの中に、単純なベーシックのルールを見出し、あてはめることができるかどうか、というものではないかと思っています。
例えばリンゴが落ちるのを見たニュートンが、そこから宇宙の星々が動く原理を見出すようなものです。
だいぶ究極の例えですが。



{F7E2E973-9A7F-4FE0-8590-7F55FD349BC9:01}



私も初めて渡英したとき、毎日、毎日、キングストン・スタジオでジャネット・グリーブ先生にこってり、しぼられました。
左手の握り方でまず「No!」
左腕の持ち上げ方で「No!」
やっと左がOK出してもらえたら、今度は女性の背中にまわした右手に「No!」
毎日、毎日90分そのくり返しで、ノイローゼになるかと思いました。



今ならその意味がわかります。
当時の私は「競技ダンスで勝つには、絶対にホールドを崩してはならない」と、ガチガチに固めていたのです。
ジャネット先生が言いたかったのは、それはダンスのあるべき姿ではない。ダンス本来の意味、ホールドという行為の意味、男女が組んで踊るという意味を理解しなさいと。そういうことが言いたかったのではと思います。



言うなれば、たくさん単語も文法もガチガチに暗記して、テストで良い点が取れたとて、実際英語がしゃべれない受験生みたいなもの。
「目的」はあくまで自分と相手とのコミュニケーションであり、さまざまな要素を覚える努力はそのための「手段」でしかないのに、どうしても私たちはそこを曖昧にして、ただひたすら手段の習得のみに努力しがちです。



{ABA61188-BF04-4C42-81DE-0327E0ABB400:01}



でも、もし目の前に階段があり、どこに続くのか分からないのに
「一段、一段がんばって登りなさい。そうすればいつか二階にたどり着けるから」
と言われて上がる姿を考えてみてください。
それよりも、
「二階にダンス教室があるよ。上がっておいで」
と言われたほうが、ずっと足取り軽く階段を登れる気がしませんか?



私自身、高校時代に、学校の先生が「試験に出るから覚えろ」と仰る通りに単語や文法をこつこつ覚えていけば、いつか英語長文や古典が読めるようになる、という考え方ではさっぱり成績が上がらず、逆に
「そもそも、出題するべき面白い内容が書いてあるから、わざわざこの文章が出題されてるのだ」
「今日はいったいどんな面白い話が書かれているのだろう」
「文法などはそれを理解するための、単なる手段」
と考え方を変えて問題を解いていくほうが、成績上がりましたし。
恥ずかしながら、細かい文法ばかりに目が行って、「仁和寺にある法師」が単なる「ボケとツッコミ」の話だということすら、長いあいだ気がついていなかったくらい。



同じようにもし数学の先生が、これができたらハイ次はこれという感じにどんどん難しい内容に進むばかりではなく、一番最初に
「これはニュートンが発見したもので、将来、宇宙船の軌道計算なんかをするときに役に立つんだ」
などと、その「目的」を説明してくれていたら、もっと興味がわいて、私の高校時代の「微分・積分」の成績は、もうちょっとマシだったかもしれません、なんて。



まあ、こんな感じで「ダンス」というものをいろんな見方で再発見していただき、皆さまの練習の助けになれば、嬉しいですね。
今回はワルツとタンゴの組み方の話だけで終わってしまいましたが、「タンゴウォークはなぜ左回転になるのか」とか、あとスロー・フォックストロットについてはノータッチで終わってしまいましたね。次回以降、そういった機会がありましたら、ぜひまたお話しさせて頂ければと思います。



{E835B5B8-1856-4CBD-A87A-11B6F67FCA47:01}



ところで、スロー・フォックストロットの由来、ご存知ですか?
ちょうどジャンプの「背筋をピンと」最新号では、主人公がキツネをイメージすることで上手にスローを踊れ、とても微笑ましいですが、そもそも「キツネの歩き方をイメージして作られた」というのは、残念ながら都市伝説です。
これについてはリチャード・グリーブ先生から、衝撃の真実を教えて頂きましたので、また機会があれば…(笑)。



さて今週日曜、大河ドラマの「真田丸」が始まりましたが、私のご先祖様も豊臣家に剣術師範として仕えていたそうです。
夏の陣で豊臣家が滅亡した後、岩国の吉川公のもとへいわば「再就職」。
つまり、うちのご先祖様が大阪から岩国に引っ越して来て、400年。
そんな節目に私も大阪から岩国へ来てダンスを教える機会を頂く、なんという不思議なご縁でしょう。
これには、どんな宇宙の法則もビックリですね。



寺内先生とお教室の皆さま、ありがとうございました。次回もまたよろしくお願いいたします。