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最近、久しぶりにお会いした方から、こんなこと言われました。
「先生、引退されてから、ダンスのお仕事ぜんぶお休みされて、学校に通ってらっしゃるんですってね!」



いや、ちがうちがう!
ちゃんとお仕事しています。毎日ダンスのレッスンしています。
学校に行っていたのは、毎週金曜日の夜だけです。
しかも、7月いっぱいで、終了しました。



通っていたのは立命館の経営管理大学院。別名立命館ビジネススクール。
いわゆる4年制大学のあとに通う大学院じゃなくて、学ぶのは仕事帰りの社会人ばかり。
そういうところに、正式な入学生ではなしに、好きな授業を単発で受けられる「科目履修生」という身分で入っておりました。いわゆる「聴講生」みたいなものです。
これまでダンスばかりしていた分、機会があればちゃんと勉強し直したいと、ずっと思ってたんですね。



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たまたま受けたい授業が金曜の夜でしたので、その時間だけは生徒さんのレッスンをお断りさせて頂いておりましたが、この7月末で終了いたしました。
なので8月以降は、元通りです。金曜夜もウェルカムです。
秋以降も、またあたらしく別の授業を申し込むこともできたのですが、べつにMBAの肩書が欲しいわけじゃないし、これ以上授業受けてたら仕事に支障が出ます。じゅうぶん満足しましたので、これにて終了させて頂きました。



さて経営学なんていうと、金儲けとか経理とか、細かい数字やデータとか、小難しいイメージがあるかもしれません。
MBAというと、世間離れしたエリートたちの世界、というイメージがあるかもしれません。
実際は、入ってみてつくづく感じたのですが、もっと身近な感じです。



例えば、ある回の授業では、「あなたの会社の競合相手は誰でしょう?」という問いがなされ、それが業界の中なのか外なのか、今の競合相手なのか、それとも将来競合相手になりそうなのか、色々分析軸のある表の書き方を習います。で、それのを完成させて来るのが宿題。



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それを自分であーでもない、こーでもないと表を埋めていくと、なるほど、ダンス業界にいて目の前ばかり見ていると、「競合相手」はいつも試合で順位を競っている他のプロの先生だと見えるんだけど、いやいや世間の人の目から見たら、バレエやフラダンスなんかと「何を習おうか」と比べられるし、「余暇の使い道」という視点から見ると、阪神タイガースやスマホゲームなんかも立派なダンスのライバルになる。



まあ、これはごく一例ですけどそんな感じで、自分の業界の中にどっぷりつかっていると、イマイチ忘れがちな「新しい視点」に、どんどん気がつかされる、ということが多かったです。
そしてそれを自習の授業でプレゼンします。もちろん他の学生の方も発表します。
いろんな会社、いろんな業界のさまざまな事情や悩みがわかり、なるほどなあと益々勉強になるし、人脈も広がっていきます。



「どうすれば組織の中で、皆がやる気を出すのか」という授業もありました。
社交ダンス業界だって、試合における選手のやる気、教室におけるスタッフのやる気、あるいは先生として生徒さんのやる気と能力をいかに引き出せるか。頭ごなしは時代に合わず嫌われる昨今です。
そういうのを、先生は「あなたの業界ではどうですか」「あなたなら、どうすればいいと思いますか」と、どんどん聞いていく。授業受けてるの、10人前後ですから当たる当たる。



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なんだかこういうの、新鮮であり懐かしくもありましたね。
小学校までって、みんな手を挙げてハイ、ハイって発言するじゃないですか。
でも、中学校くらいからそういうの恥ずかしがって無くなって、先生の言うこと聞いてひたすら板書するばかりになっていく。
勉強ってのは正解を答えることで、間違ったら恥ずかしいんだって、どこかで思っちゃう。大学に入っても基本的に大講義で板書の日々。



でも、こうやって世の中に出ていろんな目の前の問題に直面すると、正解なんてないことが普通。
恥ずかしいなんて言ってられない。考えろ考えろ。でも、同じことを疑問に思っている人(ほかの学生の皆さん)が教室内にたくさんいるし、同じことを疑問に思って調査した学者さんもいらっしゃる。その結果のデータを習って、じゃあウチの業界ではどうしたらいいんだろうと再び考える考える。
行ってよかったです。学校って、勉強って、こんな楽しかったんだと。



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私はもともと大学に入ったときに、地方の活性化の勉強をしたくて、学部を選びました。
でも、ダンスに夢中になって、ゼミは経営学のに入りました。
これら、全然違うように見えますが、本質はぜんぶ同じだと思ってます。
地方の小さな町が、何か名物を作って全国から注目されるのも。
運動音痴の自分が、ダンスの技術を身につけ、トップ選手目指してのし上がるのも。
業績の悪い企業を、強くて勝てる組織にするのも。



弱者でも、強みを見出せば強者になれる。
やる気とビジョンを持てば、個人も組織も生まれ変わることが出来る。
皆同じです。
人は変われる。そう信じたい。自分の信条です。



今後の自分はどうするのか。
ダンス業界に今後どう貢献できるのか。
色々、考えることもできました。
とりあえずは、秋の選手会パーティーのショーの脚本書いてます。
乞うご期待です。