翌日曜日はプロスタンダードの日。
この日は以前から、チケット買って観戦のつもりでしたので、裏方の仕事はお休みさせて頂きました。役員の先生方、申し訳ありません。
長い間いっしょに戦ってきた選手の皆さまを、観客席から応援。
撮影権も受け付けでお支払いして、写真撮りまくり。
心から楽しかった。皆上手いなあ。ニューカップル、復帰したカップル、しばらく見ないうちにレベルアップしたカップルも。ダンスって本当に素晴らしいなあ。
でも、この中にもういちど入って競いたいかと問われたら、自分の中にそういう欲がさっぱり無いのです。不思議なくらいに。
選手としては本当に、すべて燃え尽きました。
ベスト24には
第1ヒート浅村・木下・仲秋・濱田・藤家
第2ヒート橋本・工藤・清水・島田・藤田
西部から計10組が進出。
実力伯仲、ハイレベルな戦いで、とても見応えがありました。
中でも濱田組。怪我・手術を乗り越えて、半年ぶりに復活。
リハビリ頑張ってる姿を見てましたので、本当に嬉しいです。おめでとう。
生徒さんもお喜びでしょう。
人生山あり谷あり、とはいいますが、昨年からこの二人にはなぜ今?なぜこの二人に?という苦難が次々舞いこんでいました。
それがゆえに再び踊っている姿を見られるのは本当に感動的です。これからも身体に気をつけて、頑張ってほしいです。
ところで前日、一日中立ち仕事でへとへとでしたが、この日は応援のために朝、早起きして、パソコンでうちわを自作したんです。
ところがどっこい、素で間違えた。
「魅せろ西部魂」だった。
ま、ええか。
これをひっくり返すとこんな使い方もできる。
「燃えろ」で、かえって良かったかも。
↓
というわけで、もうご存知の方も多いかと思いますが、この日は木下先生の最後の試合でした。
でも、生徒さんやごく一部の先生方には言ってたみたいですが、多くの方は寝見に水で、ビックリされたと思います。
引退するときは、(僕もそうでしたけど)あくまで晴れの舞台で正々堂々、全力で勝負して終わりたいと思われたのだと思います。
木下先生は20年前のこの試合、全日本戦アマチュアでファイナル入り。当時は学連を出て二年目です。それを機にターンプロされたのです。なので府立体育館は思い出の場所だったのだろうと思います。
増してや、YMのお膝元・難波ですし。
僕はそのときに大学2回生で、守谷先生門下一年目でした。
兄弟子として、当時から憧れのヒーローであったばかりか、僕が脱サラしプロになりYMに勤務するになってから、公私にわたりどんな時も、実の兄と姉以上の存在であり続けてくれました。
なんか、思い出がありすぎて書ききれない。この二人がいなかったら今の僕は無かったです。
だからこそこの日は席から応援して、最後まで見届けたかったのです。バイトできなくてごめんなさい。
ところが、ラウンドごとの合間に、ゆっくり座っていられない事態が起こっていました。
木下組が今日で最後らしいと耳にされた連盟の一部の先生方が、裏で「なんとかスケジュールの中に、引退発表の時間を作ってあげよう」と動いてくださったのです。
私にも電話がかかってきて、「できたら選手にも声かけて、こっそり、胴上げあるよと広めてほしい」と…。
なんという心遣い。木下先生の人望のなせる技でしょう。
かくして、全国の選手とお客様の前で引退は発表され…
皆でかけ寄り胴上げ。
木下先生、尚美先生、長い間本当にお疲れ様でした。
動画からスクショなので、画質荒いのご勘弁ください。
試合のほうはチャンピオン橋本組が、卓越した技量を発揮し優勝。
見るたびに上達されている気がします。音楽や時間の使い方が、以前の印象よりも数段違って見えました。彼らの真面目さ、努力家ぶりは素晴らしいです。
全体としてとても面白い試合でした。
若い選手もベテランも、フレッシュなニューカップルも、レベルが高く伯仲し、誰が上がってもおかしくない中で誰が上がるのかワクワクしながら見れましたし、その中で「なぜこの人が?」と思うような事もなく、僅差のせめぎ合いの中でわずかでも良い踊りをした選手が上がり、誰もが納得いく結果が出て、最後はさすがチャンピオンと思えるオナーダンスを見ることができました。
試合の裏方でも、西部のベテラン役員の先生方と若手OBの先生方が、力を合わせて運営されていましたし、また、審査員をされる若手の先生方も。
これまで東部はトップ選手は引退後すぐ審査員できて、西部の審査員はどちらかというと年功序列?みたいな印象がありましたが、これから少しずつ、変わってくるんではないでしょうか。
JBDFは混乱状態が終わりここから再出発となるのでしょう。
僕は第一線から身を引くし、審査員をすることも無いだろうけど、こうやって引退された先生方が競技会を立派に運営してくださるでしょう。
僕らも、JBDFの会費は今後も払い続けます。
今のスタイルで仕事はできなくなるというだけで、「プロ」は辞めません(ターンアマチュアはしません)し、自分が役員や審査員ができなくても、そうすることで日本のボールルームダンスの将来に対して、ほんの僅かながらの支持につながると思っています。
だって、こんな素晴らしい競技会、素晴らしいダンス、素晴らしい「筋書きのないドラマ」が見れるんですよ?
皆様もぜひ、インターネットでブログやYoutubeや結果を見るだけで満足せずに、実際にコンペに足を運んでみてください。
私たちも、北海道から飛行機で岩国に帰省するときは直行便が無いので、大阪か東京経由でしか帰れません。なので、途中下車ついでにスケジュール合わせて、ひょっこりスクリブナー杯やスーパージャパンカップの観客席に座っているかもしれません。
「うわっ、片山先生なぜいるんですか」
「まあまあ。試合応援しましょうよ。」
近い将来、こんな会話を愉しみたいものです。