(東仙波手前の岩場より、和名倉山を眺める)
ウォッカは夏休み、会社の友人とシンガポールへ出掛けた。
私も一日休みを取り、ずっと懸案の山だった和名倉山へ向かうことにした。
和名倉山は、秩父側から登っても、山梨側から登っても、
標準コースタイムで往復10時間掛かり、エスケープルートも無い。
二百名山とは言え、訪れる人の少ない山域で健脚者タイムの可能性もある。
山梨側からなら昨年カバアノ頭まで訪れているので、未踏箇所は東仙波から先のみ。
炎天下歩くのは辛いかもしれないが、日照時間の長い季節に行って来よう!
7月31日(火) 晴れ
三ノ瀬民宿みはらし(1270m)4:55→牛王院下5:22→牛王院平→山ノ神土6:32
→西仙波(1983m)7:40→東仙波(2003m)8:00/10→川又分岐9:22→二瀬分岐9:34
→和名倉山(2036m)9:48/10:08→二瀬分岐10:25→川又分岐10:33→東仙波11:45/50
→西仙波12:12→山ノ神土13:11→牛王院平→牛王院下14:06→民宿みはらし14:30
民宿みはらしの駐車場に車を停め、清々しい朝の空気の中歩き始める。
牛王院平は眺めが良く、振り返ると富士山も姿を見せていた。
オトギリソウ
奥秩父主脈縦走路には、台風後の為か、倒木で歩き難い箇所もあった。
山ノ神土から先は、笹藪の煩わしい道。
雨露で笹が倒れ掛かり、昨年来た時より歩き難い道となっている。
足元が全く見えない。
腰から下がびっしょりと濡れ、靴の中までグショグショになってしまった。
一度来た道でなければ引き返していたかもしれない。
笹藪と格闘した道を抜けると、見晴らしの良い場所に出る。
竜喰山、三ッ山の先に雲取山が見えていた。
ヤマホタルブクロ
富士山が遠くから見守ってくれているかのよう・・・。
低い笹の葉は乾いていて、タオルのように私の濡れた足元を拭いてくれた。
バイケイソウ
リンノ峰は巻き道になっているが、少し崩れた箇所もあり、高巻きした。
シャクナゲの山頂が西仙波だが、山名標が見当たらなくなっていた。
東仙波手前の岩場が近付く。
飛龍山~三ッ山~竜喰山、富士山。
唐松尾山の奥に国師ヶ岳、古礼山~水晶山~雁坂嶺。
岩場からの素晴らしい眺め。
今日は雲で北アルプスが見えなくて、残念!
東仙波へ登り、来た道を振り返る。
ここから先は歩いたことの無い道で、いきなり道を外してしまう。
黄色い矢印はカバアノ頭への道で、赤の矢印が正しい道。
途中で間違いに気付き、和名倉山への尾根筋に復帰した。
道を外すと足の置き場が不安定になり、右足が攣ってしまう。
まだ行程は長い。芍薬甘草湯を飲み、様子を見ながら歩く。
稜線に忠実な、分かり易い尾根道を歩く。
雰囲気の良い、素敵な道。
シモツケソウ
徐々に雲が出てきたようだ。
コキンレイカ
尾根が幅広くなると、また踏み跡が判りにくくなる。
道に不安を感じ始めた頃、踏み跡に復帰した。
赤の矢印が、踏み跡のしっかりした道。
次第に苔深くなり、和名倉山の雰囲気が濃くなる。
ヤマレコでお馴染みの標識に従い、和名倉山山頂に到着。
山頂で靴を脱ぎ、靴下を替え、ゆっくりと靴を乾かす。
足の状態が快適になったところで、下山開始する。
来た道を戻るだけだと思っていたけど、下山開始早々また道を外してしまう。
山頂直下の和名倉山への標識箇所は見過ごし、迷いながら踏み跡に復帰した。
やはり手強い山だと感じる。
歩く速度を上げると足が攣り易い状態なので、ゆっくり歩く。
行きに道を外した箇所についても、どこで間違えたか確認する。
暑い季節に咲く、淡いピンクのホツツジの花が可愛らしい。
カバアノ頭への魅力的な稜線を眺め、東仙波へと登り返す。
帰りはもう笹は乾いていたけれど、足元が見え難いのは変わらず、
前回ウォッカと一緒に来た時も道から外れてしまった同じ場所で外してしまう。
直ぐに復帰出来たけれど、笹藪通過が今回一番難しく感じた。
行きには気付かなかった、マルバダケブキのお花畑。
今日は比較的涼しい気候の中、無事山歩きを終え、山に感謝する。
人気の山や、人気の季節を外すと、奥多摩や奥秩父でも、
誰にも出逢わない静かな山歩きが楽しめる。
山歩き(単独)は私にとって、サバイバルゲームを楽しむ感覚に似ている。
目標を決め、クリアする為の方法を考え、決行して達成を目指す。
目標をどんどん高めていける時は楽しかった。
今日は達成できたけど、現状維持を考える段階になって寂しく感じる。