「あぁ~卵を産むってことなんだね」
何だぁ~それなら、そう言ってくれればいいのに…
小難しい言葉を使うなよぉ~
裕太は、ジュンペイの方を向く。
「ねぇ、恐竜にも、そういうシーズンってあるの?」
思わず裕太が聞き返す。
「そりゃあ、そうだろ!
人間とは違って、たいていの動物がそうだろ」
何だかやけに、大人びた口調で、ジュンペイが言う。
どうも裕太のことを、下に見ているような気がする。
「あぁ~!」
ふいに裕太が、声を上げる。
「何だよぉ~いきなり大声を上げて」
ビックリさせるなよぉ。
ジュンペイが裕太に向かって、声を上げる。
だが裕太としては、自分の思い付きで、頭がいっぱいだ。
「何だぁ~そうなんだぁ。
そういうことなんだぁ」
何ですぐに、思いつかなかったんだろう?
一人で納得したように、つぶやく。
「ちょっと、裕太!
ボクにもわかるように、説明しろよぉ」
訳が分からなくて、ジュンペイが裕太に向かって、不満そうに
声をとがらせる。
「いや、全然大したことじゃあないんだけど」
そんな大げさに、騒ぎ立てなくても…と、裕太はたじろぐ。
「なんだよ、もったいつけて。
早く言いなよぉ」
じれたように、ジュンペイが裕太をせかす。
「いやぁ~もしかしたら、違うかもしれないしぃ」
一応そう前置きをすると、裕太はチラリと颯太の方を見る。