「えっ?なに?」
まるで魅入られたように、ボーッとしていたユウジが、あわてて
取り繕おうとする。
へへへへへ…
「ユウジィ~」
「あんた…」
アキとカガリが、ニヤニヤしながら、こちらを見ている。
「何だよぉ」
バツの悪い思いがして、あわててユウジが真顔になる。
三人がヘラヘラと笑いながら、こちらを見ている。
「そんな顔をするなよぉ」
ユウジが不機嫌な顔になる。
「あらぁ~可愛い子ねぇ」
メアリーという女の人が、にこやかに微笑む。
だがアキは、その人がでっかいカマを持っていることに気づく。
「あの…草刈りでもしてたんですかぁ?」
わざとトボケた顔をして、メアリーに尋ねる。
「あぁ~これ?」
ひょいっと、カマを持ち上げると、
「これはねぇ~まぁ、御守りみたいなものよ!
護身用ね」
フフッと笑う。
ショータは何かに気付いたように、ハッとした顔をすると、
「アキ…ちょっと」
くいっと、腕を引く。
「なに?」
戸惑うアキにかまうことなく、珍しくグイグイと、アキを少し
離れた所に引っ張る。
「何か、ヘンだ」
さらに、メアリーに聞こえないように…と、コソコソッと
ささやく。
「わかってる」
さすがにアキも、ショータと同じ思いだ。