(もしかして…外界のこと?)

 それじゃあ、一足飛びに、ここから外に出られるのか?

ワクワクしながら、リュウタに聞く。

『うーん、どうだろう?

 ここが、どこにつながっているのか、よくわからないんだよねぇ』

ごまかしているようには見えない。

リュウタは困ったように、口をモゴモゴとさせている。

「まさか…リュウタは、この先を見たことがないの?」

うかつなことに、裕太はその可能性には、頭が回らなかった。

『うーん、そうだねぇ』

リュウタは素直に、そのことを認める。

「へぇ~そうなんだ」

もしかして、リュウタはこの洞窟から外には、出られないのかなぁ~

ボンヤリと、そんなことを考える。

「じゃあ…一緒について来てくれるんだね?」

裕太がはしゃいだ声を上げると、

『まぁ~そうだなぁ。

 境界線の内側までなら…行けると思うよ』

何だか、リュウタがホッとした声を出す。

 

「境界線?」

 なんだよ、それ…

裕太には、ピンとはこないけれど…リュウタはそれには

気付いていないようだ。

『そう、境界線!

 あっちの世界と、うつしよの世界だ』

何だか、煙にまかれたようだ。

「なんだよ、それ…

 まさかボク、あっちの世界に行ってしまうの?」

リュウタが自分を、あの世に連れて行く…というのか?

(冗談じゃない)

裕太は猛烈に、腹が立ってきた。

 

 

 

 

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