大谷崎 | オーズの囁き

オーズの囁き

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明治座は大地真央さんの「ふるあめりかに袖はぬらさじ」以来。
その明治座で、今日は御招待いただき谷崎潤一郎「細雪」を観劇。
この劇場の持つ魔力が観劇ムードを一層高めてくれる。
谷崎はM-PAD(三重県津でのリーディング)で
取り上げるかも知れないと二年程前にまとめて読み返した。
しかし舞台化された谷崎作品を観るのは初めてだ。
緞帳が変わった。
デジタル表示の緞帳だ。
絵柄が動く。

幕が開く。
静かな滑り出し、大人の芝居だ。
戦前の大阪船場の老舗木綿問屋の物語。
四姉妹がそれぞれにいい。
最初は誰が演じているのか分からなかったのですが
長女浅野ゆう子の暖簾を守ろうとする執念が
気品ある中に表現され、しかも堂々たる落ち着きにびっくり。
次女一路真輝、陰から一家を見守る優しい女性を見事に表現。
三女・四女もそれぞれの生き方を的確に表現している。
作品自体が何度も再演されて充分な練度を持った作品だ。
でもだからスポイルされて詰まらなく感じるところもある。
読めてしまう・・・。
初めて観たのに読めてしまうのです。
シェイクスピアは400年上演されて殆んど全部知っていますが未だに先の読めない作品に出会う時がある。
太川陽介さん(「孫文と梅屋庄吉」で北京・南京・上海公演をご一緒させていただきました)の
未練がましく情けなく、浪花のあかんたれ代表の嫌われる役どころなのに
お客様に好かれる役づくりは「何なんだろう」と感心!
島津尋、ちゃんと出過ぎず引っ込まず、
しっかり役割を果たしていました。

天気が良かったので
途中、蕎麦をいただきながら
明治座から東京駅まで歩きました。