746『白鯨』→再評価小説を迫真映画化 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

原作小説の題名はMoby Dick」モビィ・ディック)。

アメリカの小説家ハーマン・メルヴィルの小説です。

 

かつて足を食いちぎった白い鯨を「モビィ・ディック」と呼び、

復讐すべく執念を燃やす捕鯨船の船長・エイハブが主人公です。

船乗りたちにも、その「白鯨」を追うことを誓わせて復讐の航海に出ました。

 

そして、長い航海の末に遂に宿敵の白鯨の巨大な姿を見つけます。

そこで繰り広げられた激突はまさに死闘そのもの。

ただ、とどめを刺すにはいたらず「白鯨」は再び海中へと姿を消しました。

 

しかし、再び姿を現したとき、今度は「白鯨」が真っ向からエイハブ船長に

挑みかかるのでした。

 

原作者ハーマン・メルヴィル(1819-1891年/72歳没)にも少し触れておきましょう。

1840年に捕鯨船の乗組員となりましたが、きびしい環境に嫌気が差して仲間と脱走。

その後の紆余曲折を経て、1843年、アメリカ海軍の水兵に採用。

暮らしに余裕の出来たハーマンは文筆業で身を立てようと、当時流行していた

海洋小説に手を染め、1845年に処女作『タイピー』を発表。

 

1851年、『白鯨』を発表するなど精力的に創作活動を続けるが、諸作品はことごとく

評価されることはなく、文筆で身を立てることは出来ませんでした。

また家庭的にも、長男のピストル自殺、自宅の焼失、次男の出奔客死などの不幸が

続いたようです。

 

なお、こんな紹介もありました。

~存命中は『白鯨』など主な作品はあまりの悲劇性、象徴性のためにまともな評価はされず、

 本人はずっと税関で働いて暮らしを立てていた~

では、『白鯨』が注目されたのは?

~難解な作風のため、一部の愛好者を除いて無視され続けていたメルヴィルの作品は、

 死後30年を経た1921年に再評価の動きがおこる~

 

映画化は、その「再評価」からさらに35年後、メルヴィルの死からは実に65年後の

出来事ということになります。

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「白鯨」 1956年 監督:ジョン・ヒューストン/  

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 (エイハブ船長)グレゴリー・ペック

 

出演は、エイハブ船長役にグレゴリー・ペック

1962年『アラバマ物語』(監督:ロバート・マリガン/)

で、AW主演男優賞も獲得した人気と演技力を兼ね備えた名優でした。

 

「モビィ・ディック」との死闘で、たった一人生き残る乗組員役には、

1954年『道』(監督:フェデリコ・フェリーニ/)

などのリチャード・ベイスハート

 

乗組員役には、

1951年『クォ・ヴァディス』(監督:マーヴィン・ルロイ/)

などのレオ・ゲン

1956年『アレキサンダー大王』(監督:ロバート・ロッセン)

などのハリー・アンドリュース

 

また、神父役で、

1941年『市民ケーン』という永遠の名作で監督・主演を務めた

天才映画人のオーソン・ウェルズ/も顔を見せていました。

 

監督は、

1948年『黄金』(出演:ハンフリー・ボガート/ほか)

で、AW監督賞を獲得したジョン・ヒューストン

俳優としても数多の作品に出演しています。

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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