原作小説は、女流推理作家アガサ・クリスティ(1890-1976年)の
『ナイルに死す』です。
ですから本作『ナイル殺人事件』の公開は、原作者クリスティの没後わずか
2年だったことになります。
また日本語タイトルを『殺人事件』としたのは、
1974年『オリエント急行殺人事件』(監督:シドニー・ルメット/)
に倣ってのことでしょう。
ここに登場する名探偵エルキュール・ポワロについて、ちょいと深追いを
してみると、こんな説明にぶつかりました。
~1920年に発表された処女作『スタイルズ荘の怪事件』で初登場した、
探偵エルキュール・ポアロは、長編33作と50以上の短編に登場する~
へえぇ、大層な数の殺人事件で活躍しているんだ!
これならこの「ポアロ」の映画シリーズはまだまだ続くのかもしれません。
また、
1982年『地中海殺人事件』(監督:ガイ・ハミルトン/)と本作の両作品に
出演している俳優も何人かいるので、それを見つけるのもお楽しみの一つに
なりそうです。
また、この原作『ナイルに死す』も、『オリエント急行殺人事件』と同様に
その後に、ケネス・ブラナーの監督&主演で再映画化されています。
1974年『オリエント急行殺人事件』(監督:シドニー・ルメット/)
2017年『オリエント急行殺人事件』(監督:ケネス・ブラナー/)
1978年『ナイル殺人事件』(監督:ジョン・ギラーミン/)
2022年『ナイル殺人事件』(監督:ケネス・ブラナー/)
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「ナイル殺人事件」 1978年 監督:ジョン・ギラーミン/
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多彩な俳優が数多く出演していますので、今回はワンポイント風の紹介に
留めます。
ポワロ役は、
1960年『スパルタカス』(監督:スタンリー・キューブリック/)
1964年『トプカピ』(監督:ジュールス・ダッシン/)
で2度のAW助演男優賞に輝くピーター・ユスティノフ/
1968年『ローズマリーの赤ちゃん』(監督:ロマン・ポランスキー/)
などの、ミア・ファロー/
1958年『旅路』(監督:デルバート・マン/)
でAW主演男優賞を獲得したデヴィッド・ニーブン/
1935年『青春の抗議』(監督:アルフレッド・E・グリーン/)
1938年『黒欄の女』(監督:ウィリアム・ワイラー/)
で2度のAW主演女優賞を手にしたベティ・デイヴィス/
1962年『何がジェーンに起こったか?』(監督:ロバート・アルドリッチ/)
の怪演ぶりが、筆者的には強く印象に残っています。
1967年『暴力脱獄』(監督:スチュアート・ローゼンバーグ/)
で、AW助演男優賞に輝いたジョージ・ケネディ/
本作の姉妹作?である1980年『クリスタル殺人事件』(監督:ガイ・ハミルトン/)
にも出演しているアンジェラ・ランズベリー/ジェーン・バーキン/
マギー・スミス/らの女優陣の他にも、
1968年『ロメオとジュリエット』(監督:フランコ・ゼフィレッリ/)
で、一躍衆目されたオリヴィア・ハッセー/
1957年『怒れる十二人の男』(監督:シドニー・ルメット/)
で、やる気のない陪審員7番を演じたジャック・ウォーデン/
監督は、
1974年『タワーリンウ・インフェルノ』
(出演:ポール・ニューマン/スティーヴ・マクィーン/ほか)
などのジョン・ギラーミン/
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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