ウエストバンクーバーの小学校~♫ | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

カナダのインクルーシブ教育研修ツアーから帰国して

1ヶ月以上経っているというのに…

いまだ、まとめる時間がとれず…といった状況です。

ゴールデンウイーク中にはまとめるぞ!っと自分を鼓舞しています。

 

さて、私がウエストバンクーバーで見たものは

これまでずっと求めてきた理想の小学校の姿でした。

それは、どんな小学校だったかを紹介していきます。

 

その前に、私の見解を述べます。

今の日本の教育システムのまま日本の学校に

インクルーシブ教育を導入していくのは非常に危険です。

それは、多様な子ども達が共に学ぶ環境が整っていないからです。

そのため現状のままインクルーシブ教育をすすめるとどうなるか?

差別と偏見にまみれてしまうということです。

 

日本でインクルーシブ教育をすすめていくには

まずは法律をつくる必要があります。

それでも、インクルーシブな教室を知っているのと知らないのとでは

子どもに対する接し方が大きく違ってきますので是非参考にしてみてください。

 

こちらの小学校を訪れました。まず嬉しかったのは日本から私達が来るということで

表玄関に日本の旗と武者小路実篤の名言「この道より我を生かす道はなし、この道を行く」

という色紙を飾ってくださっていました。この小学校のあたたかさが伝わってきました。

 

       

廊下にはこんなはしごみたいな絵が描かれてありました。何かというと教室でじっとするのが

しんどくなったADHDなどをもつ子ども達が廊下に出て運動できるようにしてあるのです。

 

  

教室にはクールダウンできる場所があって、落ち着けるようにクッションもありました。

 

子ども達の椅子がみんな違っていて自分に合った椅子に座ることができます。

 

  

自閉症などの子ども達が分かりやすいように視覚支援もありました。

 

イヤーマフだって自由に使えるように置いてありました。聴覚過敏のある子どもへの配慮です。

 

こちらはピンクシャツデー!いじめ反対運動です。2007年、ある男子生徒がピンク色の

ポロシャツを着て登校したことをきっかけに、ホモセクシャルだとからかわれ暴行を

受けました。その出来事を聞いた上級生たちがディスカウントストアへ行き75枚の

ピンク色のシャツを買い込みクラスメートたちに「明日、一緒に学校でピンクシャツを

着よう」と呼びかけたのをきっかけに始まったカナダのピンクシャツデーです。いじめに

対して学生たちは言葉や暴力ではなく行動で意思表示をしたのです。この行動がきっかけ

となり、現在、カナダでは毎年2月最終水曜をピンクシャツデーとしてピンクシャツを着て

いじめ反対のメッセージを送っているそうです。

 

こちらはユニバーサルトイレです。LGBTQ2+の子ども達への配慮です。

 

校長先生はとってもオシャレ♪足元だって気を抜かずとっても素敵でした。

先生達が学校でオシャレができると子ども達も先生達を見るのが楽しくなりますね。

 

こちらは図書館。いろんな言語の本が置いてありました。そして落ち着く空間でした。

 

公立ですが小学校の中に幼稚園もあって、入り口にヨガマットが並んでいました。

幼稚園からヨガをしているようです。小さい頃からヨガを通して、自分の状態を知り、

自己調整や自己管理を覚えていくようです。

 

ほんの一部の紹介ですが、それぞれの特性に配慮した空間や、

目で見た方が分かりやすい子どもには視覚的に、

体を動かしたい子どもには廊下で運動できるように、

低緊張の子どもにはカーペットの上に転がっても良いように、

ジェンダーにも配慮して、いじめはいけない!とピンクシャツデー、理想の小学校でした。

 

校長先生が話されていましたが、小学校で性の多様性について子ども達に教えないで

欲しいという親御さんも中にはいるようで、そういう時は時間をかけて校長先生自ら、

ジェンダーや差別について保護者への教育をしていくのだそうです。

 

多様性のある世界は正解がないので常に調整していかなければなりませんから、

インクルーシブ教育に終わりはなく、みんなで試行錯誤しながら多様な学校や社会を

つくっていく、それがインクルーシブな社会への道なのだろうと思います。

 

カナダのような多様性に配慮した小学校が、日本でも全国に広がっていくことを願っています。

 

 

この夏休みに広島で特別支援教育の視点で学ぶ英語のお泊り研修を行います。

星空や温泉、森林浴を楽しみながら2日間みっちりジョリーフォニックスを学びます。

5月12日イギリスと日本をオンラインで繋いで山下桂世子先生と私(中谷美佐子)が

ワクワクする夏休みの英語お泊り研修について解説していきます。

特別支援教育の視点で学ぶ英語講座 NPO日本インクルーシブ教育研究所

 

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