NEWS【シリアにとっての2017年 #1: 内戦の背景】シリアの人々はどこ? | Where is リビア? #2

Where is リビア? #2

中東北アフリカのこと、
日本と人たちともっと分かち合いたい。
NorthAfrica/MiddleEast/Travel/News/Fashion

 

みなさまこんにちはニコ

久しぶりすぎて

大変焦っております☺️

Minoriです🌻

 

最近、毎日めまぐるしい量の

中東や北アフリカからの報道が

我々のもとにも届きますね…

筆者も、もはや何から手を

つければいいのかわからず、

ずっとブログ放置しておりました🙇

 

しかし! この間勉強して、

筆者の理解が少しだけ

進んだ気がしているので、

この年末年始は、一年間で学んだことを

整理して記事にしようと思います🙋

 

今日はその第1弾! 題して!

シリアにとっての2017年

とはいえ、いきなり2017年のことを

振り返るのも難しかったので、

今回はまず、今日に至るまでの

シリア内戦の背景を

改めて見てみようと思います✍🏻

 

 

🐪🌅🌴

 

 

💭背景

【シリア内戦の登場人物】

2011年の政府への抗議運動から

7年近く続くシリアの混乱…

 

それを読み解くために、まずは

2017年12月現在のシリアを巡る

登場人物たちの関係性を

相関図にしてみました👇

*この他にも国連やフランスなど

たくさんの人たちの関与があります。

 

超複雑じゃないですか?!

そうなんです、複雑なんです。

 

これが、シリア内戦が長ーい間

解決しない理由の一つです。

みんなが合意できないと

問題が解決しないんです…

 

では、たくさんの登場人物が

ここまでごちゃごちゃに絡み合うに

至った経緯はというと。

⬇︎

 

【どうしてこうなった?!】

シリア内戦の展開を抑えるための

2016年までのターニングポイントを

いくつかリストアップしました👇

⚠️全部書くと本になってしまうので!

色々抜け落ちている情報が

あるのはお許しくださいませ…🙏

 

☞シリアは独裁だったけど…

1944年、国際的に独立が認められたシリア。

フランスの植民地支配の影響で

マイノリティーであるアラウィー派

(シーア派系)が支配階級となり、

マジョリティーのスンニ派が

支配されるという構図がずっと

今日まで維持されてきました。

 

父ハーフェズの後継者として

現在の「大統領」バッシャール・アサドは

2000年からその座に就いています。

 

国内では街中に秘密警察がいたり、

戒厳令がずーーっと出ていたり、

独裁政治が続いていました😥

 

その一方、シリアはこの地域の中でも

とても平和だったり

美しい場所もたくさんあったりと

(人々の体感はわからないのですが)

ただただ抑圧されている👿という

状態とは少し違ったみたいです💡

 

(政府の悪口を言わなければ平和な日常が

過ごせていたと思われるシリアの感覚は、

筆者の住んでいたリビアとよく似ており、

イメージが個人的にできたりする💭)

 

☞はじめは平和的なデモでした✊

シリアが内戦になった理由として

2010年のチュニジアの

反政府運動に端をなす、一連の

いわゆる「アラブの春」の波及が

よく挙げられるところだと思います💡

 

そこで今回はここに二つほど

留意事項を付け加えておきます🙆

 

一つ目は、

最初は平和的なデモだった

ということ。

報道や本を見る限りだと、はじめは

市民は暴力的だったわけではなく

政府側も改憲や大臣交代等の

改革案を出していました。

 

ところがデモを抑える治安部隊が

すぐに市民に発砲するようになり、

そこからついには反政府側も武器を取り、

内戦の様相に至りました😵

(カタールなどからの武器貸与が

あると言われています。)

 

また、二つ目はこの内戦が

資源争いの側面を

持っていたということ。

資源といっても、石油ではなくです💧

 

シリアは主な産業が農業である一方

永続的に農地になりうるのは

国土のたった10%だけ。

そして2006年から2011年は特に

砂嵐による干ばつが酷かったようです。

 

内戦前には失業した農家がとても多く

水や食糧、土地、仕事に恵まれない人が

多かったことも、

政府への不満を高めた一因であると

考えられています😥

 

☞「反政府」とはいえ、

なかなか団結ができません🙅

一見、国内では政府側VS反政府側の

戦いのように見えるこの内戦ですが…

「反政府」が一つにまとまっていない、

ということは言及に値します💔

 

治安部隊の市民への発砲をうけて、

すぐに武器をとるべきか、

非暴力を貫くべきか…

 

また、内戦が激化する中で、

政府と対話するのか、しないのか、

どのように合意に至るのか…

 

共通点は アサド政権の抑圧が嫌👎

ということだけなので、

当然といえば当然なのですが

反政府側の中の考えも一枚岩ではなく

長らく足並みが揃わずにいます。

 

☞イスラム教過激派が台頭して

さらなる混乱にいたりました😧

そうした混乱に乗じて

地域で頭角を現してきたのが、

ダーイシュ(ISIL)をはじめとした

イスラム教過激派たちです。

 

こちらでは紙幅?の関係で

詳しく説明することはしませんが!

例えばダーイシュはピークの2016年には

国内の1/3程度を支配下に入れるなど、

いわゆる「権力の空白」につけ込んで

自分たちの好きなように

恐怖の支配をしてきています👿

 

☞他の国がどんどん介入して

さらに混沌としました😥

そして混乱の中で、次々と他の国々が

「このままでは自分たちにも影響が!」

と思いもあり、介入をはじめました✋

 

カタール、サウジアラビア、

イランなどの湾岸諸国は

初期の頃から資金提供などを通し

各々が応援する勢力を支援してきました。

 

そこに物理的に距離のある大国も

次々参加していきます💨

アメリカは今後、シリアに

反米政権が生まれたら嫌だ!という

恐れがあったことなども手伝い、

反体制派を援助したり

アサド政権に制裁を課してきました。

 

ただし、オバマ大統領は、

アサド政権が化学兵器を使ったら

軍事介入するぞ! と脅しながら

最終的には2013年に化学兵器使用の

疑惑があったにも関わらず、

結局オバマ政権時代には

アサドへの軍事介入はしていません🙅

 

アメリカが手を出し兼ねていた時に

2015年頃、本確的に軍事介入を

始めたのがロシアです。

 

さらにそれらとは別に、

ダーイシュ掃討を目的にアメリカと有志連合

ロシア、フランス、イスラエルなどが

シリアに対して空爆をしていたりして

もうごちゃごちゃですもやもや

(残念ながら市民への誤爆があることも

忘れてはなりません…)

 

☞でも、介入できないことも

たくさんありました😶

こんなに様々な国が独自の方法で

シリア内戦に関わってきたのですが、

内戦解決への方向には

ベクトルが全く向いていません😭

 

例えば、シリアへの介入は

国連安保理の場において

2016年までには6回

主にロシアと中国の拒否権行使により

実現がなされていません。

 

和平の試みもなかったわけでは

実は決してないのですが!

次に見ていくように、

それらはどれも成功していません…

⬇︎

 

 

💔和平の試み

【ジュネーヴからアスタナへ】

最初に和平を主導したのは

ジュネーヴで和平の方法を模索した

国連でした🌍

またここには明記していませんが

アラブ連盟も国連と一緒に

最初に立ち上がっています。

アサド政権への資産凍結なども

一緒に提案していました🙋

 

ところが、国連主導の和平合意は

みんなが合意に至ることができず

全然うまくいきません。

和平交渉が失敗する度に

国連のシリア特使が責任を取って

辞任する…というのを繰り返します。

 

少し2017年の

先取りにもなるのですが…

そんな時に、2016年後半頃から

和平合意を引き継ぎ始めたのが、

ロシア、イラン、トルコの3カ国です💡

ロシアとイランはアサド政権を応援、

トルコは反体制派を支持していることから

この三ヶ国、決してみんなの意見が

合意しているわけではありません😵

 

しかし前者はアサド政権が有利な今

停戦合意を結びたいということから、

後者は7年続く内戦に疲弊して、

カザフスタンのアスタナで

和平交渉を始めます。

 

(進展ないところは何も書いてません😂)

最近では停戦地域の監視などで合意、

国連と比較すると、ある程度

期待を持つことはできるかも?!💭

 

【いつも誰かがいない合意】

アメリカは、和平交渉に関しては、

完全にシリアでの存在感が

薄くなっているというのが現状😐

 

とはいえ、アメリカはサウジとともに

反体制派にずっと支援をしてきています。

そのため和平合意にはアメリカも

コミットしなければ解決しないことも

困るところです…😫

 

まとめると、これまでの和平交渉が

失敗してきた背景としては、

①アサド政権側と反体制派が

お互い対話の姿勢を見せない😾

②バックにいる国々が

一つの和平案で合意できない😠

という二つの側面が上げられます…

⬇︎

 

 

😤みんなが譲れないもの

そもそもなぜ、色んな登場人物が

好き勝手に動いているのでしょう?🤔

 

それは、それぞれがシリアの中に

自らの立場を貫かないといけないほどの

利益を見出しているからです😞

 

その一部をまとめてみました👇

 

ちなみに、内戦の軸の一つである

スンニ派VSシーア派の戦いですが、

実はあまり教義を巡る争いという

側面は強くありません🙅

 

スンニ派とシーア派の人々はずっと

歴史的には平和に共存してきています。

現在スンニ派のサウジアラビアと

シーア派のイランが争っているのは

どちらが正しいかというよりは、

どちらが覇権を取れるかという

争いをしているイメージです😓

 

 

😢その犠牲を払うのは…

しかし、シリアの人々にとって

誰のどんな利益があったとしても

紛争が続くことには変わりありません。

 

以下、シリアの人々が

どのような犠牲を払ってきたのか

その一部を取り上げます👇

 

1. 数えきれない犠牲者

国連は2014年で犠牲者数を

数えることをやめていますが、

I AM SYRIAによると、

これまでの死者数は48万人以上、

2017年単独で9,023人が亡くなったと

されています。

 

また、今年2月に

ユニセフが出した報告書によると、

2016年だけで子どもの犠牲者数は652人

負傷者数は647人にも及びます。

 

これらすべての人たちに人生があり、

家族や友達がいることは、

言わずもがなです…

 

2. 難民

世界難民デーの記事

難民について詳しく書いたので、

ここでは省かせていただきます🙇

 

難民危機というと受け入れ側の

苦悩が描かれることが少なくないですが

ぜひ「難民」になった人々が

どのような視点を持っているのか、

想像する必要があります😔

 

ちなみに最近の報道では、

事実上難民の87人に1人

その途中で溺死してしまうという

衝撃の数字も出ています。

 

3. 「難民」にすらなれない人

「難民」の定義の中には、

「国籍国の外」にいる者、という

文言があります💭

 

つまり、国内にいる人々は

国際的に「難民」として認められ、

扱われることはないのです🙅

 

というのも、実は現在

先ほど挙げた500万人の難民の

倍以上の1,100万人の人が

シリア国内で家を追われています。

 

これには避難をした人や

家が攻撃に遭って壊された人などが

含まれるのですが、

命からがら自分の故郷から逃げても

多くの場所では食料や燃料が不足、

苦しい暮らしに変わりありません💔

 

例えば…

(報告書まとめ記事の使い回しです🙏)

 

内戦の代償を払うのは、

社会の中で守られなければならない

立場にいる子どもたちなど。

 

シリアには教育を受けられない子どもや

子ども兵や労働力として

過酷な仕事をしている子どもたちも

たくさんいます😿

 

4. シリアの人々はどこ?

最後に、筆者が言いたいことは一つ。

シリアの人々はどこ?

ということです。

 

政府に公正を求める運動から始まり

今やシリアの人々の運命は

より大きな、抗えない力によって

決まってしまうという状態にあります。

 

今、シリアの人々は

どのような声を持っているのか。

それを次回以降の記事で

書けたらなあと思っております🙋

 

 

💬ソース

✔︎Al Jazeera Enlgish: "Syria diplomatic talks: A timeline"

✔︎The Atlantic: "Understanding Syria: From Pre-Civil War to Post-Assad"

✔︎BBC NEWS: "Syria Profile - Timeline"

✔︎CNN Regions: "8 times Russia blocked a UN Security Council resolution on Syria"

✔︎DAG HAMMARSKJOLD LIBRARY: "Security Council - Quick Links"

✔︎CNN.co.jp: "ISISを空爆している国はどこか"

📚Lynch, Marc. The New Arab Wars: Uprisings and Anarchy in the Middle East. PublicAffairs: 2016. Print.

➡︎シリアのデモが内戦に至るまでの過程は

こちらに詳しく書いていあります👀!

 

▼今回のお話に関連するこれまでの記事:

✔︎参考記事: NEWS【シリア内戦 アレッポ東部が政府の手へ】「完全なる人間性のメルトダウン」

✔︎参考記事: NEWS【シリア内戦 安保理決議と露大使暗殺】ただ運命が定まるのを待つしかないアレッポの人たち

✔︎参考記事: NEWS【シリア ユニセフ、子どもに関する報告書発表】2016年は子どもにとって「最悪の年」

参考記事: 中東北アフリカ #とは【シリア難民】6月20日は世界難民の日(だった)

 

 

🐪🌅🌴

 

今回も最後までお読み頂き

ありがとうございました🙈

 

今日はシリア内戦の背景を一気に

振り返ってみましたが、

次回はいよいよ2017年のシリア、

そしてその次は人々の声を

取り上げてみようと思ってます🙆

(もうそれはそれは終わりが見えない…!)

 

もし なるほど! 勉強になった!

と思って頂けましたら、

ぜひいいね👍やコメント💬を

していただければ嬉しいです😻

新たな発見をお友達や家族に話したり、

SNSでの共有もぜひお願い致します☺︎

 

ではでは、

マアッサラーマ👋

(アラビア語でさようならの意)

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Also read: Where is リビア?

 

Minori :)