みなさまこんにちは
Minoriです🌻
さて、毎年6月20日は
🌍世界難民の日🌍
難民の保護や援助に関する
関心を高めることや、
UNHCRやNGOをはじめとした
支援機関による活動をより理解し、
支援することを目的として、
国連により制定されている日です。
昨年度はシリア難民に焦点を当て、
シリアから難民となった人びとを
巡るお話を、少しご紹介致しました。
そして今年度、このブログでは
🌊リビアと難民🌊
をテーマに、読者のみなさまと
難民について考えることができれば、
と思っている所存です💭
🐪🌅🌴
🤔そもそも、難民とは?
はじめに、難民って誰のこと? を
去年の記事から引用してみました☟
UNHCRによると、今年6月時点で
難民として認定されている人の数は
2,540万人。
昨年より290万人増加しました。
しかし、この数には
国内で避難を余儀なくされた人や
難民申請をしている人は含まれません。
それらの人びとも含め、今日、
何らかの形で家を追われている人は
世界で 6,850万人にも及びます😢
🌊リビアと難民
さて、ここからはリビアと難民の
お話を始めようと思います。
リビアは北アフリカに位置し、
地中海を挟んですぐ対岸には
欧州があります🚢
そのため歴史的にも
ローマ帝国やオスマン帝国をはじめ
東西南北に人びとや文化が
行き交ってきたのがリビアでした💡
しかし、だからこそ今日、
様々な場所での混乱のなかでリビアは、
主にサハラ砂漠より南にある
アフリカ諸国から、
人びとが難民や移民として
欧州を目指す経由地として
多くの痛みや悲しみを生んでいます。
【移民と難民は同じではない】
ここで、まずはリビアを経由して
欧州へと向かう人たちの中には
難民と移民の
両方がいることに注意です⚠️
(UNHCRの見解を参考に筆者作成)
難民は迫害や暴力によって
出身国の保護を受けることができない人、
対して移民は理由は関係なく
一般に出身国から移動する人を指します。
➡︎受け入れ国としても、
難民政策と移民政策、
それぞれ別々の政策、法律によって
全く異なる扱いとなります💡
今回は世界難民の日ということで
UNHCRによると、現在4万人以上にのぼる
リビアにいる、あるいはリビアから移動した
難民を中心に取り上げますが、
リビアには主にサハラ以南の国ぐににより
難民と、主に経済的な理由による移民の
両方が辿り着いていることを
念頭に置いていただければと思います👀
(ニュースなどではよく、
全員が "移民" 扱いされているので、
ちょっと紛らわしいですね😓)
【欧州に行けばきっと…】
リビアに経由地として辿り着く人びとの
道のりを見える化させた地図によると
それらの人びとの出身国としては、
セネガル、コートジボワール、
ガーナ、ナイジェリア、南スーダン
エチオピア、ソマリア、イエメン、
エリトリアなどが挙げられています🌍
貧困などから自発的に欧州を
目指す、移民にあたる人もいれば、
紛争地である南スーダンやイエメン、
あるいは圧政に苦しむエリトリアからなど
難民としてリビアを経由する人も
いることがわかります🚶
いずれにせよ、
欧州で今よりは安心できる生活が
送れるかもしれない、
移民の場合、職に就けるかもしれない、
という一縷の希望を持って
欧州を目指す人が多くいます。
【欧州までの遠すぎる道のり】
国外への脱出を行う場合、
密入国ブローカーに高額なお金を払い
複数のブローカーを介して
はじめに多くの場合トラックで
リビアをはじめとした経由地へと向かい
その後ボートに乗って欧州へ渡ります。
目的地へちゃんと辿り着くのかという
確信もないなか、人びとは
ブローカーを信じるほかありません。
また、リビアから欧州へ向かう手段は
とても簡素なボートです🚤
救命ベストを着ることもありますが、
ブローカーの利益を最大にするため
定員オーバーであることは
全く珍しいことではりません🙅
地中海を渡ることは非常に困難で
難民や移民を乗せたボートが
転覆する事故が相次いでいます。
2015年4月には、
リビア沖を少し離れたところで
難民、移民700人以上を乗せた
ボートが転覆する事故があり、
ボートに乗っていたほとんどの方が
亡くなられたとみられています。
移民(難民含む)の移動中の転覆等の事故や
それらの死者数を記録している
MISSING MIGRANTSによると、
今年2018年だけでも地中海において
欧州を目指して亡くなった人の数は
857名にものぼります😞
これらはただの数字ではなく、
一人ひとりに家族や友だちがいて
将来があったということを
ぜひ少し、想像してみてください。
【人間の尊厳はどこ?】
さらに、中継地点のリビアで
難民や移民が劣悪な環境に
置かれていることも判明しています。
地中海を目指してリビアへ密入国後、
リビア内務省や地元の武装勢力などに
捕まってしまうことがあり、
移民、難民は収容施設へと送られます。
一度収容施設に入れられると
最低限必要なものへのアクセスも絶たれ
外へ助けを求めることもできない
状況が待っているといいます😧
移民、難民への暴力は当然のこと
そうした人びとからお金を巻き上げるため
脅しが行われたり、
リビア人により性暴力が
行われていることもわかっています。
衛生環境も劣悪であり、
収容施設には治療の必要な人や
病人及びけが人、
そして心のケアの必要な人などが
たくさんいると見られています。
この動画で、
リビアの収容施設の様子や、
人びとの声を知ることができます。
他方、何とか地中海を渡ることになっても
リビア沖で見つかってしまえば、
リビアの沿岸警備隊によって
国内に連れ戻されてしまいます😕
これが特に国際社会の注目を
受け始めたのが、昨年11月のこと。
きっかけは、リビアで
サハラ以南からの難民、移民が
まるで奴隷のように競売にかけられ、
尊厳を一切無視した扱いを受けている
様子が報道されたことでした。
Remy Buisine@RemyBuisineParis - Forte mobilisation devant l’ambassade de Libye contre l’Esclavage après la diffusion d’images montrant la v… https://t.co/EHB56lsGKi
2017年11月18日 23:09
この報道をうけ、パリをはじめとして
リビア大使館の前などでの
抗議運動が行われました。
💔リビアだけが悪い?
こうした報道や抗議を受け、
11月末にはアフリカ連盟とEUが
リビアにいる移民を避難させる
措置を取ることで合意に至ったり、
リビア当局も実態の捜査を
公式に行うこととなりました🔍
しかし、どんなにリビアが責められても
リビア一国だけでは解決のできない
部分があることも事実です。
【リビアの不安定な情勢】
リビアは2011年の独裁政権の崩壊以降、
新しい国家づくりを巡り、
今日まで混乱が続いてきました
権力の空白地となったリビアには
様々な勢力が入り込み、
2016年ごろにはISILが局地的に
暴力による支配を行なっていた時期も。
現在は、東西に二つの政府が
正当性を争い合っていると同時に、
軍や武装勢力、民兵組織などの間で
一部では今でも戦闘が続いています🔫
憲法の不在に代表されるように、
法の支配が不十分であり、
破綻国家の状態にあります😢
また、これまで経済を石油に
完全に依存してきたリビアにとって、
混乱の中で石油の生産量が
不安定になったことで、
人びとの生活も厳しくなりました😔
現在、リビア人のうち110万人、
すなわち人口の6人に1人が
人道的支援を必要としている状況に
あることがわかっています。
仕事も希望もないリビアでは、
武器、移民、薬物、密輸の
四つの違法な市場が拡大し(*1 参照)
機能している政府もいないために、
誰も止められない事態になっています。
多くの難民や移民がリビアを経由するのも
地域の中では密入国が最も
しやすい国の一つであるからです。
もちろん先に挙げた収容施設における
暴力や抑圧なども、
全く規制をかけることができない
状態となっています。
【欧州が困っている】
リビアなどを介してたくさんの
難民や移民が流入してくることに、
これまで欧州は様々な措置を通して
対応しようとしてきました🤔
移民の流入により、
受け入れ先の社会が不満を感じると
政権も不安定になりかねないため、
できれば移民が入りすぎるのは防ぎたいと、
各国も必死です😿
EUとしては、リビア"政府"に対して
国境を警備してもらうための資金を
何十億円分も提供していたり、
イタリアはリビア沖に船を送り
移民の流入を阻止しようとしました✋
しかし当然ながら、これらの措置は
難民や移民をリビアに送り返す、
あるいはリビアに留めることになります。
リビアに難民や移民が戻った時に、
卑劣な環境が待っていることが
明らかであるにも関わらず、
問題をリビアに抑え込む措置が
何を意味するのか…
もちろん、イタリアをはじめ欧州各国は
既に多くの難民や移民を受け入れており
過去には移民の救助作戦なども
行ってきました🚢
しかしながら、
何十万人もの難民や移民が
放っておけばどんどん入ってくる
という状況に、
欧州は疲弊しきっている側面もあり、
手放しに欧州を批判しても
問題は解決するように思えません😩
【イタリアなどが受け入れ拒否】
この5年間でリビア沖から
60万人もの移民や難民が殺到してきた
イタリアでは、5月末に右派政党"同盟"と
ポピュリズム政党"五つ星運動"による
両者は兼ねてから反移民を訴えており、
6月中旬にはリビア沖から来た
629人の移民を乗せたボートに対して
港を閉めるという措置を取りました🚫
このボートには6人の妊産婦と
100人の同伴者のいない未成年が
乗っていたものの、その後
隣国マルタへの入港も拒否され
数日間の漂流の末、NGOの支援のもと
スペインでの救助が実現しました。
各国が苦しい状況にいる間にも、
難民や移民の多くが見放され、
行き場を失っていることには
変わらないことです。
欧州に到達するまでの
長すぎる旅路において、
命を落とす人も少なくありません。
🌊
さて、ここまでが <前編> でした🙋
<後編>では、この複雑すぎる構造の
さらに複雑なところをご紹介しながら、
それでもできることを一緒に
少し考えていければと思います💭
☟後編はこちらから☟
💬ソース
(めちゃ長くてすみません🙇)
✔︎MSNBC: "Libya: Damned for Trying"
→サハラ以南諸国からリビアを経由して
欧州へ向かうルートが
地図でわかりやすく示してあります📍
✔︎国境なき医師団: 「リビア:ひどい暴力。心に落とす影。難民・移民らの不当な勾留を止めさせるために」 (2017.09.19)
→少しショッキングではありますが、
リビアの収容施設に拘留され、
人間の尊厳を奪われている移民・難民の
様子を写真で見ることができます。
✔︎HUMAN RIGHTS WATCH: "WORLD REPORT 2018: Libya Events of 2017" (日付なし)
✔︎CNN International Edition: "People for sale Where lives are auctioned for $400" (日付なし)
✔︎The Guardian: "700 migrants feared dead in Mediterranean shipwreck" (2015.04.19)
✔︎Reuters: "EU gives 46 million euros to Italy to help protect Libya borders" (2017.07.29)
✔︎BBC: "Migrant crisis: Italy approves Libya naval mission" (2018.08.02)
✔︎The Guardian: "Libyan path to Europe turns into dead end for desperate migrants" (2017.10.30)
✔︎BBC: "EU migrant deal with Libya is 'inhuman' - UN" (2017.11.14)
✔︎CNN International Edition: "Libya opens investigation into slave auctions following CNN report" (2017.11.17)
✔︎BBC: "Libya migrant 'slave market' footage sparks outrage" (2017.11.19)
✔︎BBC: "Libya migrants: Emergency evacuation operation agreed" (2017.11.30)
✔︎TIME: "The Libyan Slave Trade Has Shocked the World. Here’s What You Should Know" (2017.12.01)
✔︎AMNESTY INTERNATIONAL: "Libya: European governments complicit in horrific abuse of refugees and migrants" (2017.12.17)
✔︎Reuters: "Human smugglers in Libya have links to security services: U.N. report" (2018.02.08)
✔︎ Al Jazeera English: "Italy 'to shut ports' to boat carrying over 600 refugees" (2018.06.11)
✔︎Al Jazeera English: "Weak and exhausted, rejected refugees close to Spain arrival" (2018.06.15)
✔︎YOUTUBE (おすすめ動画):
→こちらは、経済的な困窮から
ナイジェリアからリビアを経由して
欧州を目指したマリーさんのお話です。
マリーさんは経済的な理由から国を出たため、
難民よりも移民という表現が適切ですが、
移民であれ、難民あれ、多くの人びとが
同じような境遇に置かれています。
____________________________
*1 Shaw, Mark; Mangan, Fiona. "ILLICIT TRAFFICKING AND LIBYA'S TRANSITION PROFIT AND LOSSES". United States Institte of Peace. 2014. Pdf.
🐪🌅🌴
今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました🙈
後編はこちらより
ご覧になることができます👀💭
長くなってしまい恐縮ですが、
様々な人びとの視点をできる限り
取り入れたいと考えました。
ぜひ最後まで読んでいただければ
とても嬉しいです🙇💓
もし なるほど! 勉強になった!
と思って頂けましたら、
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Also read: Where is リビア?
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