中東北アフリカ #とは 【リビアと、難民と、複雑すぎる世界の構造】世界難民の日2018 <後編> | Where is リビア? #2

Where is リビア? #2

中東北アフリカのこと、
日本と人たちともっと分かち合いたい。
NorthAfrica/MiddleEast/Travel/News/Fashion

 

みなさまこんにちはニコ

Minoriです🌻

 

【 <前編> はこちらから

 

毎年6月20日は

🌍世界難民の日🌍

 

今年度、このブログでは

🌊リビアと難民🌊

をテーマに、

難民とそうした人びとを巡る

複雑すぎるこの世界のことを考えてみる

きっかけを作る試みをしています💭

 

<前編> では、リビアを経由して

欧州を目指す難民(及び移民)が

その途中で何度も危険と恐怖に

直面してきていること、

そしてそれに対応することが

難しいリビアと欧州の様子を

ご紹介しました。

 

こちらの <後編> では、

この問題のさらに複雑な部分を

さらに掘り進めていきながら

私たちにできることを

考えてみようと思います💡

 

 

 

🐪🌅🌴

 

<前編> はこちらから 】

 

🙅🏻それでも許されない

<前編> で取り上げたとおり、

限りなく不安定なリビアの情勢。

 

しかし、それでも難民や移民に対して

リビアの人たちは無罪だ! と

言うことは、もちろんできません😕

 

 

【出稼ぎ労働者としての移民たち】

産油国であることから

これまでアフリカ大陸の中でも

かなり裕福であったリビア。

出稼ぎ労働者が仕事を求めて

やってくる場所でした。

 

(写真はイメージですが)

筆者が2011年以前に

リビアに住んでいた頃にも、

こうした街の一角に

サハラ以南から来たように見受けられる

人びとが仕事を求め、

10人くらいの単位で座っているのを

頻繁に目にしています😮

 

移民がずっと労働力であった

リビアの人たちにとって、

サハラ以南の人びとは

自分たちよりも劣等な存在である、

というイメージがあった可能性は

大いに考えられます😐

 

 

【傭兵として戦わされていた】

また、2011年のカダフィ政権側と

反体制派の争いにおいては、

政権側がサハラ以南の男性を

傭兵として戦わせていたことも

わかっています(*2 参照)😠

 

雇われた人たちも、

高い給料を支払われること、

そしてもし政権が勝てば、その後

リビアの市民権を与えられるかも

しれないという思いから、

戦いに従事したのではないか、

という指摘がされています。

 

また、反体制側の捕虜になれば、

もちろん残虐な扱いを受けることは

免れませんでした。

 

こうした記憶も、カダフィ政権後

今日リビアにて移民が

非人間的な扱いを受ける理由の

一つと考えられています。

 

しかしいずれにせよ、リビアの人びとの

現在の収容センター問題も含め、

サハラ以南からリビアに

来た人たちへの卑劣な行為の数々は

決して許されることではありません👎

 

 

🌍複雑すぎて、難しい…

これまで様々な人びとの

思惑をご紹介してきましたが

解決の手立てはあるのでしょうか。

 

【資金は誰の手に?!】

お金があれば問題が解決する

というわけではなさそうです😢

 

<前編> に書いた通り、EU等は

リビア当局に国境警備のための

莫大な資金提供をしてきました。

 

しかしながら、無法国家である

リビアでは、国境警備を行う当局と

密入国業者が繋がっていて

相互の利益のために

ブローカー業が黙認されている

状態が起こっているそう…😨

 

そのため、

リビアに対策を期待すること、

特に資金を渡すことに関しては

かなり慎重に行わないと

むしろ難民や移民の非人道的な扱いに

加担してしまうことにも

繋がりかねません。

 

 

【ドイツ、どうする?】

また、同じく <前編> で取り上げたように

イタリアの政権が移民を乗せたボートの

受け入れ拒否を行ったことを受け、

ドイツのメルケル首相はイタリアの負担を

減らすための努力をすることを

約束しています。

 

これにはイタリアから他の

EU諸国への難民や移民の移動を

より容易にすることや

イタリアの沿岸警備の強化を

協力することが含まれるそうですが…

 

既にシリア等からの難民を巡り

歓迎する人としない人がいる中で

さらにドイツの負担を増やすこと、

そしてEUの受け入れをどうするかという

絆創膏を貼るような対策をすることで、

どれだけの効果が望めるのかは

難しいところかもしれません😢

 

 

【忘れてはならないのは】

お先真っ暗のように感じられますが

忘れてはならないのは、

そもそも自分の国の政府に守ってもらえず

戦火や貧困を逃れなければならない

人たちがいるということです。

 

すなわち、まずはこの解決に

取り組まない限りは、

問題の火種が生まれ続けてしまう

こととなってしまいます😣

 

 

😌できることはある

ここまで、

1. サハラ以南の国ぐにをはじめ

家を追われてしまうような

難民がたくさんいる😰

2. 難民(や移民)の経由地である

リビアは混乱していて、

難民も不当な扱いを受けている😟

3. 欧州は自分の地域に

難民を受け入れさせないための

応急処置しかできない😢

ということを見てきました。

 

問題の構造を取り上げながら

読者のみなさまを混乱に陥れた

筆者が言うのも恐縮ですが、、

最後に、まだまだできることは

あるのではないかと思っています。

 

<前編> でご紹介した、

数日の漂流後、スペインに入港した

難民や移民を乗せた船も

現地のNGOの支援があって

はじめて救助が成功しています。

 

現在リビアに入ることのできる

国際支援団体は限られていますが、

国境なき医師団などにより

リビアで検挙された難民や移民の

ケアも行われています🕊

 

さらに、NGOの尽力により、

リビアの過酷な収容センターを出て

他のアフリカの国に一時的に

退避することができた

難民や移民もいるようです✈️

 

 

他方、日本にいる私たちにも

できることがあります。

 

リビアに関して、現状日本が

直接的に関わっている、

というわけではありませんが、

リビアと難民の根本にある

紛争や移住が起こる原因に

取り組むことはできると考えます💡

 

ぜひ、今日からできることを

考えたり調べたりして、

共有していただければ嬉しいです👏

 

 

同時に、この記事で大きく

取り上げることはできませんでしたが、

現在、日本の入国管理局でも

無期限の拘束暴行

そして身体の不調を訴えても

聞き入れられない場合があるなど、

リビアの収容センターに

入れられているのと変わらないのではないか

という扱いを受けている人たちが

いることがわかっています。

 

これに対して過去には

オンライン署名などが行われており、

その他にも例えば日本にいる難民を

支援しているNGOである

日本難民支援協会 JAR の

イベントに参加したりするのも

身近にできることだと考えます💡

 

🌊

 

筆者が無力感に苛まれつつ、

ここまで記事を書き続けた理由の一つに

以下の言葉があります💭

加害者の側に立つのは魅惑的である。すべての加害者が求めるのは、傍観者が何もしないことだ。(中略) 対して被害者は、傍観者に痛みという負担を共有することを求める。被害者は、行動と連帯、記憶を要求するのである。

ージュディス・ハーマン 

何もしないということは

簡単ですし、楽ではありますが、

それは加害者側に立つことになって

しまうことがあると考えます。

 

難民の問題に関して、"加害者"を

見出すことは難しく思いますが、

それでも、人間らしく生きられない

人たちがいるという状態を前に、

傍観者にはならないようにしたいな

と考えています😊

 

 

💬ソース

✔︎MSNBC: "Libya: Damned for Trying"

→サハラ以南諸国からリビアを経由して

欧州へ向かうルートが

地図でわかりやすく示してあります📍

✔︎国境なき医師団: 「リビア:ひどい暴力。心に落とす影。難民・移民らの不当な勾留を止めさせるために」 (2017.09.19)

→少しショッキングではありますが、

リビアの収容施設に拘留され、

人間の尊厳を奪われている移民・難民の

様子を写真で見ることができます。

✔︎HUMAN RIGHTS WATCH: "WORLD REPORT 2018: Libya Events of 2017" (日付なし)

✔︎Shaw, Mark; Mangan, Fiona. "ILLICIT TRAFFICKING AND LIBYA'S TRANSITION PROFIT AND LOSSES". United States Institte of Peace. 2014. Pdf.

✔︎Reuters: "EU gives 46 million euros to Italy to help protect Libya borders" (2017.07.29)

✔︎AMNESTY INTERNATIONAL: "Libya: European governments complicit in horrific abuse of refugees and migrants" (2017.12.17)

✔︎Reuters: "Human smugglers in Libya have links to security services: U.N. report" (2018.02.08)

✔︎Reuters: "Merkel to support Italy in tackling migration challenge" (2018.06.19)

✔︎Al Jazeera English: "World Refugee Day: UNHCR head flies to Niger with abused migrants" (2018.06.20)

✔︎YOUTUBE (おすすめ動画): 

→こちらは、経済的な困窮から

ナイジェリアからリビアを経由して

欧州を目指したマリーさんのお話です。

マリーさんは経済的な理由から国を出たため、

難民よりも移民という表現が適切ですが、

移民であれ、難民あれ、多くの人びとが

同じような境遇に置かれています。

 

____________________________

*2 Rinelli, Lorenzo. African Migrants and Europe Managing the ultimate frontier. New York: Routledge. 2016. Print.

 

 

🐪🌅🌴

 

 

今回も最後までお読みいただき

ありがとうございました🙈

(長かったので感謝しかありません😭)

 

日本において、年々難民への関心は

高くなりつつあるように感じますが、

日本語でリビアと難民について

詳しく書いてあるものは

なかなか見つからなかったため、

僭越ながら分かる範囲で

記事を書いてみた所存です✍🏻

 

(万が一抜けている、あるいは

間違えている情報などござましたら、

ご一報いただければ幸いです🙏)

 

少しでもこの問題の複雑さを

より多くの人と一緒に考え、

難しいながらも諦めずに

私たちにできることを

実践していくことができましたら、

筆者は大変嬉しく思います😌

 

地中海に面するリビアは

海がとても美しく

いつでもビーチは多くの人で

賑わっています✨

 

そんな場所が、いつかは必ずまた

みんなにとって楽しい場所に

なることを願いつつ、

結びの言葉に代えさせて

いただこうと思います。

 

 

もし なるほど! 勉強になった!

と思って頂けましたら、

ぜひいいね👍やコメント💬を

していただければ嬉しいです😻

新たな発見をお友達や家族に話したり、

SNSでの共有もぜひお願い致します☺️

 

ではでは、

マアッサラーマ👋

(アラビア語でさようならの意)

____________________________

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Also read: Where is リビア?

 

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