第278回 高齢者とのテレビ相談 | [粒子線治療][陽子線治療][菱川良夫] 名誉センター長のこばなし ~がんから学ぶこと~

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一般社団法人 メディポリス医学研究所
メディポリス国際陽子線治療センター 名誉センター長
菱川良夫による講演からの小話。

先日、テレビ会議システム(インターネット経由)を使って医療相談を受けました。

相手は80歳を過ぎたおばあちゃんです。

 

最初に挨拶をして、病気の理解について聞きました。

 

十数年前に手術を受けがんを克服していましたが、今回は同じ臓器の別の部位に、小さな腫瘤が見つかり、主治医からは、「腫瘤の部位とサイズから、手術をして、がんかどうか判断しましょう」と言われたそうです。

 

 

以前の手術後、手術創の痛みが強かったそうで、年齢のこともあり、今回は「どうしても手術はしない」と固く決められていました。

そのため、主治医の先生(外科)は、そのがん専門の内科医を紹介されたようです。

 

ちょうどそのような時期に、私とテレビ相談をすることになりました。

 

 

前述したように、まずよく話を聞きます。

患者さんは、テレビ越しであれば安心するのか、とにかくよく話をします。

 

それをゆっくり聞き、ご本人の希望も細かく聞き取るようにしています。

 

 

このおばあちゃんの場合、手術以外の治療方法では、放射線治療や陽子線治療が可能と考えられました。

 

さらに話を聞くと、年金生活の為できるだけ自己負担を減らしたいとの事でしたので、

近年の放射線治療も非常に優れており、今のような大きさの腫瘤であれば、治療可能であることを伝えました。

 

続けて

「これから次の検査を受けるようなので、その結果をまた教えてください。

その時までに、お勧めの病院を決めてお伝えします」と言って、テレビ相談を終了しました。

 

 

このようなテレビ相談で大切なことをまとめます。

 

1)良く話を聞く

2)何を希望しているのかを聞く

3)陽子線治療以外でも役に立つ情報があれば惜しみなく伝える

 

 

今日の高齢化者社会では、テレビ相談は非常に有用です。

医療だけではなく色々な分野で広がっています。

 

テレビを使った井戸端会議ですね。