第293回 砂むし温泉とがん治療 | [粒子線治療][陽子線治療][菱川良夫] 名誉センター長のこばなし ~がんから学ぶこと~

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一般社団法人 メディポリス医学研究所
メディポリス国際陽子線治療センター 名誉センター長
菱川良夫による講演からの小話。

診察や懇話会で患者さんとお話を通して、研究のヒントを得ることがあります。

今回も、ヒントをいただいたのでご紹介します。

 

遠方から治療に来られている患者さんの多くは、センターに隣接しているホテルに滞在しながら治療を受けられています。

今回、このホテルに滞在していた患者さんから、「指宿市内の砂むし温泉に興味があります。どのように入れば良いですか?」と質問を受けました。

 

入浴料がだいたい1000円なので、元を取り返そうと長時間入り、その後体調を崩した方を何度も見てきました。

そこで「欲張って、あまり長時間入ってはいけませんよ」とアドバイスしました。

 

 

それから少しして「がん患者さんの砂むし温泉(4月にホテル内にも完備)の入り方は、普通の人とは違うのではないか?」「これは研究のテーマになるのではないか?」と考えるようになりました。

 

とにかく、思いつくとすぐ実行したくなる性分です。

早速、鹿児島大学の後輩の教授に相談したところ、非常にユニークな研究になりそうだと興味を持ってくれました。

 

 

砂むし温泉が、がん患者さんにどのような影響を与えるか。

その結果から、どのように利用するのが最適か。

 

近々、そんな研究が始まります。

 

 

大地のエネルギーが湧き出る鹿児島県にある、がん治療施設の特権です。

おぼろげながらに、がん治療に効くと考えてきましたが、今回の研究によりそれを実証し、さらに体に優しい治療につなげていきたいと思っています。

 

 

また一つ楽しみが増えました。

結果が出たら、ここでまた報告します。