765『栄光のランナー/1936ベルリン』→ヒトラーの顔を潰した男 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

ジェシー・オーエンス

~黒人奴隷をルーツとするアフリカ系アメリカ人の貧困家庭に生まれ、

 子供のころから働きながら練習をしていた。

 中学で陸上競技のコーチに見いだされ、全米トップクラスの選手として

 活躍するようになる~

 

ここまでならよく見聞きするお話です。

しかし、オーエンスの場合にはその先もあるのです。

~1936年ベルリンオリンピック男子短距離走・走幅跳の種目

 (100M・200M・4×100mリレー・走幅跳)でそれぞれ優勝し四冠を

 達成したことで知られている~

 

ただこの「ベルリンオリンピック」というのが曲者で、こんな説明に

なっています。

~この大会は当時のドイツの指導者であるアドルフ・ヒトラーと

 ナチス党が、持論である白人種(ゲルマン民族)の優越性を証明することを

 望んだ大会である~

 

つまり、ヒトラーは、白人が黒人に勝利する姿を見せつけることで、

自らの主張の正しさを証明しようとしたわけです。

ところが、結果は黒人・オーエンスの完全勝利。

ですから逆に言えば、独裁者・ヒトラーは一介のランナー・オーエンスに

とことん「顔を潰された」ことになります。

 

本作は、そのオーエンスが4つの金メダルを獲得し本国での祝勝会に

出席するまでの姿を、コーチとの関係を中心に描いています。

 

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「栄光のランナー/1936ベルリン」 2019年 監督:スティーヴン・ホプキンス/  

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その「ジェシー・オーエンス」役には、本作でカナダ映画賞主演男優賞を受賞した

ステファン・ジェームズ

ただ、本作以外の映画活動については、よく知りません。

 

コーチ役には、

2011年『モンスター上司』(監督:セス・ゴードン/)

などのジェイソン・サダイキス

コメディもこなす多彩な俳優です。

 

また、オリンピック会長・ブランデージ役を、

1990年『運命の逆転』(監督:バーベット・シュローダー/)

でAW主演男優賞に輝いた名優ジェレミー・アイアンズ/が演じました。

 

さらには、このオリンピックの記録映画として残すべく活躍した

女性監督レニ・リーフェンシュタールを演じたのは、

2008年『ワルキューレ』(監督:ブライアン・シンガー/)にも

出演していたカリス・フォン・ハウテン

 

他には、

1985年『蜘蛛女のキス』(監督:エクトール・バベンコ/)

でAW主演男優賞を獲得したウィリアム・ハート/も出演しています。

 

監督は、「ピンク・パンサー」シリーズの天才喜劇俳優、

ピーター・セラーズの伝記映画である、

2004年『ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方』

    (出演:ジェフリー・ラッシュ/シャーリーズ・セロン/ほか)。

スティーヴン・ホプキンス/が務めました。

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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