〇ジェシー・オーエンス/
~黒人奴隷をルーツとするアフリカ系アメリカ人の貧困家庭に生まれ、
子供のころから働きながら練習をしていた。
中学で陸上競技のコーチに見いだされ、全米トップクラスの選手として
活躍するようになる~
ここまでならよく見聞きするお話です。
しかし、オーエンスの場合にはその先もあるのです。
~1936年ベルリンオリンピック男子短距離走・走幅跳の種目
(100M・200M・4×100mリレー・走幅跳)でそれぞれ優勝し四冠を
達成したことで知られている~
ただこの「ベルリンオリンピック」というのが曲者で、こんな説明に
なっています。
~この大会は当時のドイツの指導者であるアドルフ・ヒトラーと
ナチス党が、持論である白人種(ゲルマン民族)の優越性を証明することを
望んだ大会である~
つまり、ヒトラーは、白人が黒人に勝利する姿を見せつけることで、
自らの主張の正しさを証明しようとしたわけです。
ところが、結果は黒人・オーエンスの完全勝利。
ですから逆に言えば、独裁者・ヒトラーは一介のランナー・オーエンスに
とことん「顔を潰された」ことになります。
本作は、そのオーエンスが4つの金メダルを獲得し本国での祝勝会に
出席するまでの姿を、コーチとの関係を中心に描いています。
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「栄光のランナー/1936ベルリン」 2019年 監督:スティーヴン・ホプキンス/
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その「ジェシー・オーエンス」役には、本作でカナダ映画賞主演男優賞を受賞した
ステファン・ジェームズ/
ただ、本作以外の映画活動については、よく知りません。
コーチ役には、
2011年『モンスター上司』(監督:セス・ゴードン/)
などのジェイソン・サダイキス/
コメディもこなす多彩な俳優です。
また、オリンピック会長・ブランデージ役を、
1990年『運命の逆転』(監督:バーベット・シュローダー/)
でAW主演男優賞に輝いた名優ジェレミー・アイアンズ/が演じました。
さらには、このオリンピックの記録映画として残すべく活躍した
女性監督レニ・リーフェンシュタールを演じたのは、
2008年『ワルキューレ』(監督:ブライアン・シンガー/)にも
出演していたカリス・フォン・ハウテン/
他には、
1985年『蜘蛛女のキス』(監督:エクトール・バベンコ/)
でAW主演男優賞を獲得したウィリアム・ハート/も出演しています。
監督は、「ピンク・パンサー」シリーズの天才喜劇俳優、
ピーター・セラーズの伝記映画である、
2004年『ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方』
(出演:ジェフリー・ラッシュ/シャーリーズ・セロン/ほか)。
のスティーヴン・ホプキンス/が務めました。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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