【書評】『指導者とは』 | カンボジアの元気による元気になるブログ

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元気です。

 

この前書評ブログを挙げましたが、ちょこっと反響があったのでもう少し載せたいと思います。

 

リチャード・ニクソン著

 

 

 

アメリカ大統領であるRichard Nixonが書いた指導者とは。

彼が政治家として関わった20世紀を代表する指導者たちを自らの経験とエピソードを交えて描き「指導者像」を書き出した傑作。

 

ウィンストン・チャーチル

シャルル・ドゴール

ダグラス・マッカーサー

吉田茂

コンラート・アデナウアー

ニキータ・フルシチョフ

周恩来

 

 

巻末の指導者の資格についてには「指導者に必要なことは何なのか?という問いに答えるのは非常に困難な問いの1つだ」と語るが、

それを垣間見ることができることが本著の面白さだろう。

 

また、ニクソン自身の経験と非常に細やかな描写から世界のトップリーダーがどのような人物であったかが描き出されている。

普段はニュースでしか見ることのできない、国のトップのやりとり、駆け引き、会食、交渉が細かく語られ、まるで目の前で指導者と対峙しているかのような錯覚すら感じられる。

 

 

国を変えるような指導者の資格としてニクソンは「高度な知性、勇気、努力、粘り、判断力、大義に殉じる覚悟、個人的な魅力」を明らかに重要な資質として挙げるが、僕が本著で印象的だったのは、どの人物も「非常に上手に人を巻き込んでいる」ということだ。

 

 

自分の強い思い、願い、ビジョンを伝えて巻き込む力である。特に文章にする力が卓越していたように思えてならない。チャーチルは文筆家としても活躍していたそうだし、ドゴールもしかり、鉄のカーテン演説をしたアデナウアー、そして「指導者とはどんな資質を持っているのか?」を著名な指導者を描写することであぶりだした著者ニクソンもしかりである。

 

また、もう1つは徹底的に利他を追求していることだ。多くの経営者にも言えることだが、特に国のリーダーとして名前を残す人物は、かくもあるものかと自分のことしか考えていない小さい自分が恥ずかしくなった。 

 

そして、最後にここに登場する人物はどれも生まれた国も境遇も率いた国も違う面々である。しかしながら、登場する多くは著者ニクソンと深い絆を結んでいたし、指導者として双方を尊重し尊敬しあっていたように感じた。

それは、文化や宗教や信条を超えての人としての礼儀、心遣いというものは、人の心を結びつけるのだ、と感じさせられたのである。

 

カンボジアで働いていて礼儀、礼節に欠く人や行動もあるが「わかる人にはわかる」という気持ちでいるが、その想いの背中を押してもらった気持ちである。

 

何度も読み返して学びたい良著に出会えた。

感謝。

 

それでは、また。