すまいのレシピ【すまレピ】 パリ便り

すまいのレシピ【すまレピ】 パリ便り

【フランス】パリの最新インテリア、インテリアアイテム、家具、インテリアコーディネートからパリの日常まで、現地特派員が様々な情報をお届けします♪

7月に入り、観光客が増えた代わりに、パリの住民たちはごっそりとバカンスに出かけた模様です。

 

バカンスで家をしばらく空ける前の大掃除で、本を断捨離したのでしょうか。アパルトマンの郵便受けの上に本が積んである風景は、バカンスの風物詩。

「夏は読書」のフランス人。新しい誰かの手に渡った本は、海辺や山で読まれるのでしょうか。

 

 

管理人さんもどこかに出かけている様子で、Amazonや郵便局の荷物が閉まった窓口に突っ込まれている風景も、また夏の風景です。

 

 

週末の朝、いつもは長い列を成しているパン屋さんや野菜やさんも、7月8月はのんびりと営業。

住宅地はゆっくりとした時間が流れる一方で、ルーブル美術館の前には、猛暑の中どこまでも長い列が続いているそうです。

最近よく見かけるようになった、むっちり、どっしりとした体格の、路上の大型ゴミ箱。

完全に密閉されているので臭いもなく、街の景観にも馴染んでいます。

 

 

この路上の大型ゴミ箱は、家庭用ゴミの分類と同じく

1:生ゴミやリサイクルできないもの

2:リサイクルが可能なもの(ダンボールや紙ゴミなど)

3:ガラス瓶類

の、3分類です。

 

回収車が循環に来るとちょっとした車両渋滞を起こしつつ、回収が始まります。

 

ゴミ箱上部の突起の部分をアームがガッチリ捉え、アームがゴミ箱を吊るしている間に、回収車の上部がスライドして開きます。回収車の上部までゴミ箱の移動が完了すると、底がパカッと開いてドサドサドサドサ!っとゴミが回収される仕組みです。

同じシステムでガラス瓶も回収されるので、なかなか大きな音になります。

 

 

回収にはやや時間を要しますが、人員も運転手さんひとり、大量のゴミが一度に回収できるとあって、パリの街に増えつつあるこのゴミ箱です。

 

さて、3分類という緩い分別基準のパリですが、コロナ禍では生ゴミの増加も課題になりました。

その問題を前向きに解決するべく、現在パリとその近郊では、実験的に「生ゴミ専用」の回収が行われていたり、プロ用の生ゴミ回収システムが発展していたりと、大規模なコンポストが発達しつつあります。

 

エコカー、自転車、それに馬車が登場して回収する地区もあったりと、都市生活の中でゴミ捨てのアクションを魅力的にしようとする試みに、ちょっとわくわくするのです。

 

ちなみにフランス語でゴミ箱はプベル(poubelle)。パリにゴミ箱が設置された時のパリ市長、プベル氏の名前に由来します。

「いつ入荷するの?入荷したところで誰かが買い占めてしまうからないんでしょう?」

「だったら個数制限すればいいんじゃない」

「でも個数制限をしたところで、買い占めたい人がいたら家族総出で来られたりして…結局同じ事になるじゃない」

「レストランをしている人はたくさん欲しいんだから、結局そうするしかないんじゃないか」

「いや、買いたいのはレストランだろうが一般家庭だろうがみんな一緒だから…買えない分に困るのは、みんな一緒だよ」

 

からっぽの棚の前で、店員さんとお客さんが代わる代わる話をしています。会話の主題は、ここのところ棚に並ばない、食物油についてです。

菜種油やひまわり油などの大半を輸入に頼っているフランスで、その輸入はどこから…を想像すると自ずと答えが出てくるのですが、とにもかくにも4月のはじめ頃から、少なくともパリ近郊ではこれらの油を見かけなくなりました。普段通っているスーパーの棚も、長いことすっからかんです。

 

SNSでは、油が店頭に並んだ途端にパニックになっている人々の動画が出回ったりしていますが、去年のトイレットペーパーといい、今回の油といい、冷静な行動を心がけたいものです。

 

いよいよ、フランス大統領選挙がスタートします。

まず今週末に行われるのが、第一回目の投票。ここで過半数の票数を得た候補者がいた場合、第二回目の投票は行われず、大統領が決定します。
そうではない場合、上位二候補による決選投票が約2週間後に行われます。


どちらの選挙も国民の直接投票によって行われることとあり、フランス国民の関心の中心であることを感じます。
一大イベントである決選投票候補者の討論会の中継日時になると、一斉に街から人が消えてピザ屋さんのバイクしか走っていない…などの都市伝説が毎年ありつつ、投票権を持たない私達の郵便ポストに何かと話題のお騒がせ候補のコミュニケがポスティングされていたり、現大統領を揶揄するチラシが町中に貼ってあったり(唾を吐くならここ!的なことが書いてあります)…。

大統領の任期は5年。現大統領の再選濃厚と言われていますが、結果やいかに。

 

スーパーの外でボランティアの若者から受け取ったのは、ウクライナへの救援物資に関するお知らせでした。

物資を集める日時と場所、対象の品が書かれています。

 

例えば赤ちゃんのための紙おむつや粉ミルク、歯ブラシ、かみそりなど衛生を保つためのもの、ブランケットやシーツ類など。

食品は、生ものはだめですが、缶詰はOK。

 

 

店内に入ると、食料から日用品まで、対象の品物にはタグが付けられています。

「これがなかったら困るだろうな」と、個人個人が具体的に想像できる、支援のモチベーションを高める方法が工夫されているなと思います。私は女性用の生理用品を購入して、寄付しました。自分自身が使うものにこだわりがあるので、できるだけ様々な種類のものを買いました。非常時こそ、使いやすいぴったりなものが誰かの手に渡れば…と願いつつ。

しかし、このような活動が必要のない世の中になることが、一番の望みです。