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映画横丁758番地

生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

なにはともなれ、まず最初に、気になるタイトル「CODA」の意味を、

調べてみました。 すると、こんな説明です。

~「Children of Deaf Adults」の略で、聴力に障害のある親のもとで

 育った健聴者の子どもを指す~

 

タイトルの意味が分かれば、自ずと作品の内容も把握でき、実際

その通りの物語になっています。

とんと知らないことだったので、いささかの意外感を覚えましたが、本作は

2014年フランス映画『エール!』(監督:エリック・ラルティゴ/)の

英語リメイク作品であるとされています。

 

物語の展開については、要領を得たこんな案内がありましたので、

ここに引用させてもらうことにしました。

 

~耳が聞こえない家族の中で1人だけ耳が聞こえる(いわゆるCODAの)

 ルビーは、幼い頃から家族の耳となり、通訳係として家業の漁業を

 手伝っていた。

 高校の新学期を迎え、ルビーは憧れるクラスメイトと同じ合唱クラブを

 選択する。   

 すると、顧問の先生がルビーの・・・ ~

 

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「コーダ あいのうた」 2021年 監督:シアン・ヘダー/  

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左から)エミリア・ジョーンズ/トロイ・コッツァー/

     マーリー・マトリン/ダニエル・デュラント/

 

出演は、その「CODA」の立場にあるルビー役に、8歳から子役として活動して、

2011年『ワン・デイ23年のラブストーリー』(監督:ロネ・シェルフェグ/)や

2011年『パウレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』(監督:ロブ・マーシャル/)
にも出演した経歴を持つエミリア・ジョーンズ


その父親役を、自身が聾者であるトロイ・コッツァー/が演じ、その演技で見事こ

アカデミー賞助演男優賞に輝きました。

 

母親役には、18ヶ月の時に失聴したものの、

1986年『愛は静けさの中に』(監督:ランダ・ヘインズ/)

で演技デビューを果たし、アカデミー主演女優賞を受賞したマーリー・マトリン/。
このように紹介されています。
~マーリー・マトリン/は聾の演技者として初めてアカデミー賞を受賞すると
 ともに主演女優部門の最年少受賞者となった~
 
ルビーの兄役にはダニエル・デュラント/の名前がありますが、詳しい
経歴などは知りません。
 
監督&脚本を務めたシアン・ヘダー/は、本作でアカデミー脚色賞を受賞しました。
残念ながら、その他の作品についてはよく知りません。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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10代で未婚の母となり、幼い息子と強制的に引き離された女性の

~50年前に生き別れた息子を探し続けた姿~

を綴ったノンフィクション本The Lost Child of Philomena Lee

原作としていると案内されています。

 

ことの始まりは、こうですた。

婚前交渉で妊娠した若い女性が、カトリックの厳しい戒律により修道院に

収容されます。

その修道院では、息子と定期的に会う事はできましたが、ある日以後

消息が途絶え、会うことは叶わなくなってしまいました。

どうやら、息子はとある家庭の養子となったようです。

女性は常に息子の事を気にかけながらの50年の歳月を過ごしましたが、

ある日、娘に「息子」の存在を告白するのでした。

 

母の想いを受け止めた娘は、知り合いの元ジャーナリストに話を

持ちかけました。

こうして、愛する息子にひと目会いたい女性と、その記事に再起をかけた

元ジャーナリストという、全く別の世界に住む二人の旅が始まったのです。

 

当然のこと、かつて収容された修道院にもその調査は及びますが、

記録の一切は火災で焼失していました。

ところが、その修道院についての調査を進めるうちに、意外な証言が

浮かび上がってきたのです。

 

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「あなたを抱きしめる日まで」 2013年 監督:スティーヴン・フリアーズ/  

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  ジュディ・デンチ/スティーヴ・クーガン/

 

出演は、これまで何度もアカデミー賞にノミネートされており、

1998年『恋におちたシェイクスピア』(監督:ジョン・マッデン/)

でエリザベス1世を演じアカデミー助演女優賞に輝いたジュディ・デンチ

本作でも主演女優賞にノミネートされ、通算7度目のノミネートと

なりました。

 

元ジャーナリスト役には、スティーヴ・クーガン

本国イギリスでは、コメディ作品でよく知られているとの案内でしたが、

本作ではシリアスな役に挑んでいます。

 

監督は、

2006年『クィーン』(出演:ヘレン・ミレン/ほか)

などのスティーヴン・フリアーズ/が担当しました。

 

 

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大物上院議員が西部の田舎町にやって来たのは、この土地の牧場主の葬儀に

出席するためだった。

25年前、上院議員は新米の弁護士で、この町で開業しようとしたが、荒くれ者

リバティ・バランスに身ぐるみを剥がされた。

 

そんな新米弁護士は牧場主に救われ、彼の恋人が給仕を勤める食堂で介抱されたが、

この町では銃が必要と主張する牧場主には正義感から反発する。

折しもこの地方では住民による州昇格運動が起こっていたが、リバティ一味は

運動に反対する牧場主グループの尖兵として暗躍していた。

新米弁護士は報道の自由の志を持つ編集長と協力してリバティ一味との戦いを

決意し、2人は代議員を選出する町民選挙でリバティを破って当選する。

 

だが直後、逆上したリバティは編集長に重傷を負わせる。

一方、牧場主は恋人との結婚を夢見て新居を建てている最中であったが、

恋人が新米弁護士を介抱する姿を見て恋人の弁護士に対する恋心を感じとった。

新聞編集長の重傷を見て、怒りに燃える弁護士は、銃を手に取り、リバティとの

決闘に挑み、見事にリバティ・バランスを仕留める。

 

準州から州への昇格を希望している人たちからは、古くからいる牧場主を

代表する保守的な政治家の対抗馬として、リバティ・バランスを撃った男として

人気を集めた弁護士を推薦するが、本人は乗り気ではない。 

そこで牧場主は弁護士を説得するために、弁護士がリバティ・バランスを殺した

のではなく、別の角度から牧場主がリバティ・バランスを撃っていたことを

告白する。

 

弁護士はリバティ・バランスを射った男として州知事や上院議員、駐英大使、

そして副大統領の候補にまで上り詰める大物政治家となる。

しかし嘘を突き通せない本人は新聞社に事実を公表するのだが、西部には

伝説が必要、として事実は握りつぶされるのであった。

 

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「リバティ・バランスを撃った男」 1962年 監督:ジョン・フォード/  

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リー・マーヴィン/ジェームズ・ステュアート/ジョン・ウエィン/

 

出演は、オスカー俳優の共演となりました。

1969年『勇気ある追跡』(監督:ヘンリー・ハサウェイ/)

でアカデミー主演男優賞のジョン・ウェイン

 

1940年『フィラデルフィア物語』(監督:ジュージ・キューカー/)

で獲得のジェームズ・ステュアート

 

1965年『キャットバルー』(監督:エリオット・シルヴァースタイン/)

で獲得のリー・マーヴィン

 

共演は、『サイコ』(監督:アルフレッド・ヒッチコック/)

で、ジャネット・リーの妹を演じたヴェラ・マイルズ

 

名脇役のエドモンド・オブライエン

1954年『裸足の伯爵夫人』(監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ/)

でアカデミー助演男優賞のエドモンド・オブライエン/

 

1960年『バッファロー大隊』(監督:ジョン・フォード/)

1960年『スパルタカス』(監督;スタンリー・キューブリック/)

などのウディ・ストロード

 

1939『駅馬車』(監督:ジョン・フォード/)

などのジョン・キャラダイン/

 

1952年『真昼の血統』(監督;フレッド・ジンネマン/)

など西部劇の悪役が印象的なリー・ヴァン・クリーフ

 

監督は「西部劇の神様」との評価もあるジョン・フォード

1935年「男の敵」(出演:ジョン・ウェイン/ほか)

1940年「怒りの葡萄」(出演:ヘンリー・フォンダ/ほか)

1941年「わが谷は緑なりき」(出演:ウォルター・ピジョン/ほか)

1952年「静かなる男」(出演:ジョン・ウェイン/ほか)

でアカデミー監督賞を史上最高の4回受賞しています。

 

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原作小説は、女流推理作家アガサ・クリスティ(1890-1976年)の

『ナイルに死す』です。

ですから本作『ナイル殺人事件』の公開は、原作者クリスティの没後わずか

2年だったことになります。

また日本語タイトルを『殺人事件』としたのは、

1974年『オリエント急行殺人事件』(監督:シドニー・ルメット/)

に倣ってのことでしょう。

 

ここに登場する名探偵エルキュール・ポワロについて、ちょいと深追いを

してみると、こんな説明にぶつかりました。

~1920年に発表された処女作『スタイルズ荘の怪事件』で初登場した、

 探偵エルキュール・ポアロは、長編33作と50以上の短編に登場する~

 

へえぇ、大層な数の殺人事件で活躍しているんだ!

これならこの「ポアロ」の映画シリーズはまだまだ続くのかもしれません。

また、

1982年『地中海殺人事件』(監督:ガイ・ハミルトン/)と本作の両作品に

出演している俳優も何人かいるので、それを見つけるのもお楽しみの一つに

なりそうです。

 

また、この原作『ナイルに死す』も、『オリエント急行殺人事件』と同様に

その後に、ケネス・ブラナーの監督&主演で再映画化されています。

 

1974年『オリエント急行殺人事件』(監督:シドニー・ルメット/)

2017年『オリエント急行殺人事件』(監督:ケネス・ブラナー/)

 

    1978年『ナイル殺人事件』(監督:ジョン・ギラーミン/)

    2022年『ナイル殺人事件』(監督:ケネス・ブラナー/)

 

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「ナイル殺人事件」 1978年 監督:ジョン・ギラーミン/  

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   名探偵エルキュール・ポワロ

 

多彩な俳優が数多く出演していますので、今回はワンポイント風の紹介に

留めます。

 

ポワロ役は、

1960年『スパルタカス』(監督:スタンリー・キューブリック/)

1964年『トプカピ』(監督:ジュールス・ダッシン/)

で2度のAW助演男優賞に輝くピーター・ユスティノフ

 

1968年『ローズマリーの赤ちゃん』(監督:ロマン・ポランスキー/)

などの、ミア・ファロー

 

1958年『旅路』(監督:デルバート・マン/)

でAW主演男優賞を獲得したデヴィッド・ニーブン

 

1935年『青春の抗議』(監督:アルフレッド・E・グリーン/)

1938年『黒欄の女』(監督:ウィリアム・ワイラー/)

で2度のAW主演女優賞を手にしたベティ・デイヴィス

1962年『何がジェーンに起こったか?』(監督:ロバート・アルドリッチ/)

の怪演ぶりが、筆者的には強く印象に残っています。

 

1967年『暴力脱獄』(監督:スチュアート・ローゼンバーグ/)

で、AW助演男優賞に輝いたジョージ・ケネディ

 

本作の姉妹作?である1980年『クリスタル殺人事件』(監督:ガイ・ハミルトン/)

にも出演しているアンジェラ・ランズベリージェーン・バーキン

マギー・スミス/らの女優陣の他にも、

1968年『ロメオとジュリエット』(監督:フランコ・ゼフィレッリ/)

で、一躍衆目されたオリヴィア・ハッセー

 

1957年『怒れる十二人の男』(監督:シドニー・ルメット/)

で、やる気のない陪審員7番を演じたジャック・ウォーデン

 

監督は、

1974年『タワーリンウ・インフェルノ』

   (出演:ポール・ニューマン/スティーヴ・マクィーン/ほか)

などのジョン・ギラーミン

 

 

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画面に実在した著名作家エドガー・アラン・ポー(1809-1849年)が

登場する推理サスペンス作品ということもあって、その原作はてっきり

ポーの小説だとばかり思い込んでいました。 

ところが、

~原作はルイス・ベイヤードの小説『陸軍士官学校の死』と案内されて

いて、ちょっとばかりビックリ。

 

下の肖像の通りに、いささか特異な風貌を持つポーの存在・活動が作品に

違和感なく溶け込んでいたということなのかもしれません。

 

   エドガー・アラン・ポー

 

劇中の年代は1830年なっていますから、計算すれば1809年生まれのポーが

二十歳を少し超えた頃のお話という設定になります。

実際の経歴も、このように案内されています。

~1830年7月、ポーは入学試験を経てウェスト・ポイント陸軍士官学校に入学した~

 

そこの登場する「士官学生だった若き日のポー」が、その風貌といい

雰囲気といい実に画面に溶け込んでいて、それもこの作品の楽しさの一つに

なっています。

 

お話の展開は、

~1830年のある冬の日の早朝、ニューヨーク州ウェストポイントにある

 陸軍士官学校において起こった士官候補生惨殺事件をひそかに調査するため、

 世の中に嫌気がさした様子の元刑事が雇われる。

 沈黙を守ろうとする士官学生たちに阻まれるなか、元刑事は一人の若い

 士官学生に捜査協力を求め、共に事件の謎を追っていく~

 

その「若い士官学生」こそ、後に世界的作家として有名になる

エドガー・アラン・ポーでした。

 

蛇足ですが、日本において探偵小説の草分けとなった作家のペンネーム

「江戸川乱歩」(えどがわ・らんぽ/1894-1965年)は、このポーの

名のもじりになっています。

 

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「ほの蒼き瞳」 2022年 監督:スコット・クーパー/  

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左から)トビー・ジョーンズ/クリスチャン・ベール/

    ジリアン・アンダーソン/ハリー・メリング/

 

出演は、捜査を依頼される元刑事に、

2010年『ザ・ファイター』(監督:デヴィッド・O・ラッセル)

でAW助演男優賞に輝いたクリスチャン・ベール

その他にもAW演技賞には何度かノミネートされています。

 

注目の「エドガー・アラン・ポー」役には、

『ハリー・ポッター』シリーズのダドリー・ダーズリー役で知られる、

ハリー・メリング

 

その他にも、

TVシリーズ『X-ファイル』でFBI捜査官ダナ・スカリー 役を演じた

ジリアン・アンダーソン

 

2017年『オリエント急行殺人事件』(監督:ケネス・ブラナー/)

などのルーシー・ポイントン

 

個性的な風貌を持つトビー・ジョーンズ

 

父親が歌手セルジュ・ゲンズブール、母親が女優のジェーン・バーキン

という家庭に生まれたシャルロット・ゲンズブール

 

『ハリー・ポッター』シリーズにもいくつか出演している

ティモシー・スポール

 

AW賞には前後7回ノミネートされており、

1983年『テンダー・マーシー』(監督:ブルース・ベレスフォード/)

で主演男優賞を受賞したロバート・デュヴァル/が、うっかりすれば

見逃しそうな小さな役で出演しています。

 

監督は、

2009年『クレイジー・ハート』で、ジェフブリッジスに待望の

AW主演男優賞をもたらしたスコット・クーパー/が務めました。

 

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スウェーデンのコメディドラマである

2015年『幸せなひとりぽっち』(監督:ハンネス・ハイム)の

リメイク作品で、製作・主演を共にオスカー俳優である

トム・ハンクスが担当しました。

ちなみに、製作者にはハンクスの奥様リサ・ウィルソンも名を

連ねています。

 

本作のお話は、こんなシチュエーションで展開します。

 

曲がったことが大っ嫌いで、近所を毎日パトロールし、さらには

ルールを守らない人間には説教三昧する、なんとも面倒で近寄りがたくて、

いつもご機嫌斜めの男は、挨拶をされても仏頂面、それどころか

野良猫にも八つ当たりするほどの町内一の嫌われ者。

ただ彼は、最愛の妻に先立たれ、仕事もなくして、自らの人生に

ピリオドを打とうとして自殺を企てている様子。

 

そんなところへ、男の向かいの家に越してきたのが、陽気で人懐っこく、

お節介たっぷりな奥さんの家族でした。

 

男は自殺に取り掛かるものの、いつもその奥さんの陽気ぶりに

邪魔される形になって、なかなか死ぬことができません。

自殺失敗の連続ということです。

それも一度だけならまだしも、二度三度と・・・


ところが、男のとってド迷惑なはずのそんな一家との関りが、

次第次第に男の人生を変えていくことに・・・

 

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「オットーという男」 2022年 監督:マーク・フォスター/  

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 トク・ハンクス/マリアナ・トレビーニョ/

 

出演は、自殺願望を持つ男・オットー役に、

1993『フィラデルフィア』(監督:ジョナサン・デミ/)

1994『フォレスト・ガンプ』(監督:ロバート・ゼメキス/)
で二度のアカデミー主演男優賞に輝くトム・ハンクス/。

 

向かいへ引っ越してきた陽気な家族のお節介奥さん役には、
マリアナ・トレビーニョ

 あまり知らなかった女優サンですが、こんな案内を見つけました。

~メキシコのモンテレー出身の舞台女優および映画女優~

また、ミュージカルでも同じ役を1、000回以上演じるなど、

かなり芸達者ぶりを発揮しているようです。

本作でも小気味のよいコミカルさを出しています。

 

また、若き日のオットー役を、トム・ハンクスの実の息子である

トルーマン・ハンクス/が演じています。

~映画業界の中でも俳優ではなく、撮影の仕事に携わっているが、

 本作で俳優デビューとなった~と紹介されています。

 

監督には

2008年『007 慰めの報酬』(出演:ダニエル・クレイグ/ほか)

などのマーク・フォスター/が当たっています。

 

 

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~64歳でフロリダ海峡約180キロを泳いで横断するという大偉業を

 成し遂げたスイマー、ダイアナ・ナイアド

という実在女性の挑戦過程を描いた本作の原題は「Nyad」・・・

もちろん、彼女の名前から採ったものです。

 

20歳代のとき、キューバからフロリダまでのフロリダ海峡を一気に泳いで

渡り切るという大冒険に挑戦しながら、果たせなかったことに大きな悔いを

抱いていたナイアドは、なんと60歳代になってから再挑戦することに熱意を

燃やします。

 

しかし、当然のことながら周囲の人たちは大反対。

~無謀だ/無茶だ/体力・年齢を考えよ/正気の沙汰ではない~などなど。

しかしナイアドの決意は揺るぎません。

自分が生きていることの証を、この「フロリダ海峡泳破」に求めていたのです。

 

その熱意に討たれた人の中からは協力者も現れます。

しかし実際に挑戦してみると、想定外の出来事の連続で、なかなか成功に

近づくことができません。

 

しかし、遂には偉業を成し遂げる・・・ここで映画は終わるのですが、以下は

その感動をより深く味わうためのささやかな入知恵。

 

○海峡を「渡り切った」とは、両足が完全に水面から離れた瞬間をもって

 判定OKとなるようです。

○この53時間がかかった「フロリダ海峡横断遠泳」成功は、もう一つ、

 ~サメよけのおりを使わずに泳ぎ切るという史上初の偉業~だったそうです。

 

ちなみに、イマ注目の「ChatGPT」にこんな質問をぶつけてみました。

質問)64歳でフロリダ海峡を泳いで渡るという偉業を成し遂げたナイアドの、

   そのフィニッシュに至る50数時間の、人間の基本的な生理である睡眠や

   食事や排泄などは、どのように遂行または処置や処理をしたのでしょうか?

 

それに対して、睡眠・食事・排泄に分けた回答がありましたが、結論を先に

言えば、「ChatGPT」もそれについての充分な情報は持ち合わせていない

ようでした。

 

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「ナイアド ~その決意は海を超える~」 2023年   

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     監督:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ/

 

  

 ジョディ・フォスター/アネット・ベニング/

 

出演は、ナイアド役に

1999年『アメリカン・ビューティ』(監督:サム・メンデス/)

2004年『華麗なる恋の舞台で』(監督:イシュトバン・サボー/)

の両作品でAW主演女優賞にノミネートされたアネット・ベニング

本作では、メイクも演技も、これまで演じてきた女性像とはがらりと

異なっていて、マラソンスイマーらしい迫力が備わっていました。

 

その友人でありコーチの役は

1988年『告発の行方』(監督:ジャナサン・カプラン/)

1991年『羊たちの沈黙』(監督:ジョナサン・デミ/)

の両作品でAW主演女優賞を獲得したジョディ・フォスター

 

1999年『ノッテイングヒルの恋人』(監督:ロジャー・ミッシェル/)

などにも出演していたリス・エヴァンス/がサポートボートの船長役

を演じています。

 

監督は、エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ/となっていますが、

名前からして女性監督らしいことは想像しますが、作品経歴などに

ついては、残念ながらよく知りません。

 

 

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かつてはロンドンで腕を鳴らした職人気質の仕立屋だった初老の男は、

この地で味わった悲しい出来事と決別するべく、戦後にアメリカへ流れて、

シカゴの下町でオーダーメイド紳士服専門の小さな店を開きました。

そしてどんな縁があったものか、店を始めて最初のお客がなんとギャングの

ボスだったのです。

 

ところが、そのボスは男が備えた職人気質の丁寧な仕事ぶりと寡黙で実直な

人間性をすっかり気に入ってしまい、以来お店は「ギャング御用達」の状況に。

現在は若い女性一人を助手として店を営んでいますが、そういう事情から、

日頃からギャングたちの店への出入りは頻繁です。

 

そして、この日も主人と助手が詰めているこの店へ二人のギャング、

ボスの息子とその用心棒がやってきました。

 

そしてここから始まったお話は、次第に意外な方向へと進み出し、遂には

驚天動地の結末へ・・・

 

ということで、静かながらも緊張感の溢れて息をもつかせぬ展開には

筆者などはもう完全に飲み込まれていました。

そしてまた、ラストが実に上質な「どんでん返し」になっていて、これは

「絶品級!」との評価を下したいところです。

 

ちなみに、タイトルにある「アウトフィット」は、本来は「衣装」ほどの

意味であり、本作では主人公の職業である紳士服の仕立屋を示しています。

ところが、実際この時代のシカゴを単独のファミリーで支配していた

マフィア組織も、隠語で「アウトフィット」と呼ばれたそうです。

つまり、一種の掛詞になったタイトルということになりそうです。

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「ジ・アウトフィット」 2022年 監督:グレアム・ムーア/  

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     マーク・ライランス/

 

出演は、主人公の仕立屋に、

2016年『ブリッジ・オブ・スパイ』(監督:スティーヴン・スピルバーグ/)

で、アカデミー助演男優賞を獲得したマーク・ライランス

2017年『ダンケルク』(監督:クリストファー・ノーラン/)

にも出演していました。

 

そのアシスタントを務める若い女性役には、ゾーイ・ドゥイッチ

出演作は承知していませんが、父親が映画監督のハワード・ドゥイッチ/

母親は、

1985年『バック・トゥ・ザー・フューチャー』(監督:ロバート・ゼメキス/)

でよく知られる女優リー・トンプソン/とのこと、いわば映画一家の家庭に

生まれ育ったようです。

 

(ギャングのボスの)息子の用心棒役は、

2021年『オペレーション・ミンスミート-ナチを欺いた死体-』

    (監督:ジョン・マッデン/)

にも出演した、ミュージシャンでもあるジョニー・フリン

 

その(ギャングのボスの)息子役は、

2014年から始まったSFスリラー『メイズ・ランナー』(監督:ウェス・ボール/)

のシリーズ3作品で主役を務めたディラン・オブライエン

 

監督は、

2014年『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

   (監督:モルテン・ティルドゥム/)の脚本を担当し、

見事に第87回アカデミー脚色賞を受賞したグレアム・ムーア/が

務めています。

抑制が効いた演出で、実に見事な出来栄えになっています。

 

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20世紀のアメリカ文学を代表する小説家の一人としてその名をも越している

「F・スコット・フィッツジェラルド」(1896-1940年)はこう紹介されています。

~1920年代の「失われた世代」の作家の一人とみなされ、狂騒の

 「ジャズ・エイジ」を描いたその作品は後世の多くの作家に影響を与えた。

 生前に発表した長編小説は4作品にすぎない~

 

ちょっと伝説めいた人物のようですが、念のためにそこに使われた文言の意味も

探ってみると、こんな説明になっていました。

失われた世代(ロスト・ジェネレーション)

 →20代の青年期を第一次大戦に蹂躙され、戦死したり、生き残ったが社会生活に

  支障を来たす負傷をした者も多い。

  40代に当たる1930年代には世界恐慌に遭遇し、50代を第二次世界大戦に

  蹂躙されるという「貧乏くじ世代」であったとも言える。

 

ジャズ・エイジ

 →狂騒の20年代と呼ばれるアメリカ合衆国の1920年代の文化・世相を指す

  言葉であり、F・スコット・フィッツジェラルドの『ジャズ・エイジの物語』

  (1922年)に由来する。


そのF・スコット・フィッツジェラルドの小説『グレート・ギャッツビー』を原作に

して映画化した作品と聞いていたので、全体的に文芸調の語り口になっている

ものとばかり想像していました。

ところが、その期待?は軽くうっちゃられて、画面はこんな印象に。

~CG多くパンクなの演出~

 

また、1974年の同名映画(監督:ジャック・クレイトン/主演:ロバート・

 レッドフォード/)のリメイク作品でもあるようですので、比較してみる

のも一興です。

ところが、筆者は不幸にしてその作品は未見のため、それが叶いません。

ただ想像するに、多分今回作品ほどにはCGの多用はなかったであろうことは

推察しているところです。

 

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「華麗なるギャツビー」 2013年 監督:バズ・ラーマン/  

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左から)レオナルド・ディカプリオ/

    キャリー・マリガン/ジョエル・エドガートン/

 

主人公ギャツビーには、

2015年『レヴェナント:蘇えりし者』(監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)

でAW主演男優賞に輝いたレオナルド・ディカプリオ

 

その隣人となった物書きには、

人気の『スパイダーマン』シリーズで「スパイダーマン」を演じ続けている

トビー・マクガイア

 

若きギャツビーが貧しさゆえに失った恋人デイジー役には、

2020年『プロミシング・ヤング・ウーマン』(監督:エメラルド・フェネル/)

で、世の中のゲスな男たちに鉄槌を下す「復讐の天使」となった女性を講演した

キャリー・マリガン

 

デイジーの夫役には、

2015年『ザ・ギフト』で製作・監督・脚本を兼ねて携った

ジョエル・エドカートン

個人的には、

2018年『ある少年の告白』で、同じく製作・監督・脚本を兼ねた上に、さらには

同性愛の少年少女「矯正」させるため熱心に「救済プログラム」に取り組む

神職者役が印象に残っています。

 

監督は、

2001年『ムーラン・ルージュ』(出演:ニコール・キッドマン/ほか)

2022年『エルヴィス』(出演:オースティン・バトラー/ほか)

バズ・ラーマン/が担当しています。

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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アガサ・クリスティの小説の中登場する名探偵「エルキュール・ポワロ」

シリーズの一作品で、原作小説のタイトルは『Evil Under the Sun』とあり、

日本語の題名なら「白昼の悪魔」とのことです。

これが映画化されて、日本語でのタイトルを『地中海殺人事件』と

しています。

 

おそらくは、これは映画化された前作『オリエント急行殺人事件』が

ヒットし、作品的にも評価されたもあって、それに倣っての『○○殺人事件』

という邦題パターンを踏襲したということなのでしょう。

 

評価は人さまざまなのでしょうが、作品の出来栄えについては筆者的には

『オリエント急行殺人事件』の方が気に入っています。

なぜなら、本作では遺跡においての落石など、どのような方法でそれが

起きたのかなどの点において、いささかの説明不足を感じたり、はたまた、

描かれた犯行工作をうまく実行するのは、筆者的にはちょっと

苦しい感じがしてしまったからです。

 

それに、配役陣も『オリエント急行殺人事件』の方が、筆者は華がある

印象を持ちましたが、それに比べると、本作の方はやや地味っぽく

感じられました。

 

さて、こうした謎解き作品の物語は、どうしても複雑になるのが宿命

ですが、本作もその例外にはなっていない印象を持ちました。

 

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「地中海殺人事件」 2019年 監督:ガイ・ハミルトン  

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 ポワロ役)ピーター・ユスティノフ/

 

名探偵エルキュール・ポワロ役には、

1960年『スパルタカス』(監督:スタンリー・キューブリック/)

1964年『トプカピ』(監督:ジュールス・ダッシン/)

で二度のAW助演男優賞を獲得した名優ピーター・ユスティノフ

 

1969年『ミス・ブロディの青春』(監督:ロナルド・ニーム)

1978年『カリフォルニア・スイート』(監督:ハーバート・ロス/)

前作でAW主演女優賞、後作で同助演女優賞に輝いた、

これまた名優のマギー・スミス

 

この他にも女優陣では、

1969年『女王陛下の007』(監督:ピーター・ハント/)

などのダイアナ・リグ

 

1969年『ジュ・テーム・モワ・ノン・ブリュ』(監督:セルジュ・ゲンスブール/)

などのジェーン・バーキン

ゲンスブールが作詞・作曲した同名アルバムを映画化した作品との案内が

ありましたが、幸か不幸か筆者は未見です。

 

男優陣は、

1951年『砂漠の鬼将軍』(監督:ヘンリー・ハサウェイ/)

で、“砂漠の狐”と異名をとりながらも、ヒトラー暗殺計画に加担したとして

悲劇的な最期を遂げたドイツ軍元帥エルヴィン・ロンメルを

見事に演じきったジェームズ・メイソン

 

1968年『猿の惑星』(監督:フランクリン・J・ジャフナー/)

で、猿族の考古学者コーネリアス役や、

1972年『ポセイドン・アドベンチャー』(監督:ロナルド・ニーム/)

で、船員のボーイ役を演じている個性派の俳優ロディ・マクドウォール

 

監督は、

1964年『007 ゴールドフィンガー』(007=ジョーン・コネリー/)

1971年『007 ダイヤモンドは永遠に』(007=ショーン・コネリー/)

1973年『007 死ぬのは奴らだ』(007=ロジャー・ムーア/)

1974年『007 黄金銃を持つ男』(007=ロジャー・ムーア/)

などの作品で、よく知られるガイ・ハミルトン/が務めています。

 

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